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19話 いざドラマ撮影へ!

本日ももう一話あげる予定ですのでそちらも読んでくれると嬉しいです!

ドラマの出演を打診されてから数日、俺は今日初めて撮影現場を訪れていた。俺は優等生である九条の衣装を着ながら控え室で過ごしていた。


「うーんやばいですね…。もうちょっと地味な役の予定なんですけど…もう少し大人しい顔面にできませんか?」


撮影現場で俺の衣装やメイクを担当してくれるスタッフの大槻さんが複雑そうな顔で聞いてくる。俺はなんて答えればいいかわからずひたすら苦笑いし続けて話を濁しているがどうするべきか…。


「そりゃあうちの遥さんは日本で一番の最強顔面ですからね!それはできない相談ですよ!」


優香さんは堂々と胸を張って誇らしげに答える。正直俺は恥ずかしいからやめてほしいんだが注意しても無駄なので諦めている。


そんなことを話していると控え室のドアがノックされ監督さんさんが入ってきた。この人は風間さんの知り合いで直接俺にオファーを出してくれた人である。


「準備は大丈夫そう?遥くんの出番もそろそろだから様子を見に来たんだけど。」


俺は思わず大槻さんを見る。彼女は複雑そうな表情をしながら質問に答えた。


「あ、坂本さん、えっと衣装はばっちりではあるんですけど…役と合わない気がするんですよね…。九条隼人は地味だけどスポーツも万能で成績優秀の優等生って役なんですけど…顔が地味じゃないんですよ。…これだと主演が少し見劣りしちゃわないか心配で…。」


「大丈夫よ!当初のイメージとは合わないけど私の中での九条役は完全に遥くんで一致してるもの!脚本も基本私なんだからこれで大丈夫なの。」


それだけ言うと坂本さんは俺に着いてくるように言い現場へと向かう。


俺が現場へと着いて坂本さんが監督としての挨拶をすると撮影が始まった。俺は自分の出演するシーンの撮影まで少し離れたところから撮影の様子を見学しているところだ。


場面は主人公海斗とヒロインの結衣が初めて出会うシーンである。俺の知り合いからの評価はめちゃくちゃ低い主演の後藤達也さんはたしかに素行に問題はあるのだろうが演技を見ていると学べるところがたくさんある。少なくともこの現場において一番経験がないのは俺であることは間違いない。


「…遥さん、そろそろ出番ですよ。聞こえてます?」


優香さんが不安そうな顔で俺の顔を覗き込んできた。


「あ、すいません…。ちょっと見入ってしまって…すごいですね、俺あんな風にできる自信ありませんよ。」


「ふふ、遥さんもやっぱり緊張するんですね。でも監督さんも初めてなのは分かってるからリラックスしてとおっしゃってましたから、私は応援することしか出来ないですけど…頑張ってください!」


俺は言われた通りにリラックスしつつ現場へと入る。俺の最初の出演シーンはヒロインである結衣との対面シーンからである。俺は正直演技の技術のようなものは一切持っていないので、とにかく精一杯努めることした。


ひとまず俺の出演シーンが終わると監督である坂本さんが声をかけてくれた。


「うん!よかったよ、ほんとに。正直もっと下手かなって思ったけどね。変に小手先の技術とかを使おうとせずに自分の持ってる雰囲気とかでやれたのがよかったね。私も現時点での遥くんには技術面の期待はしてなかったし。」


とても上機嫌でそう言ってくれているのでおそらくは本心なのだろうなと思う。というかそうであってほしいと願う。


「君にはね、なんというかオーラとか雰囲気とかそういうものがあるんだよ。私としては変に技術を学ぶよりもまずはそっちを伸ばしてほしいかな。それにしてもやっぱり私の目に狂いはなかったね!最高だよ!」


技術がないことは自分でも自覚しているからこそこの言葉はありがたかった。プロしかいない現場で自信なんてとっくになくなってたけれど、一つ褒められたことがあるならこれからも頑張れる気がする。


その後監督の坂本さんが部屋を去ると入れ違いにヒロインの結衣役を演じる野村楓さんが入ってくる。


「お疲れ様です。どうしました?」


「特に用ってわけじゃないんだけど遥くんのことが気になってね。だってこんなにすごい子まだ若手でいたんだって驚いちゃって!それで気になって調べてみたら今話題のモデルさんなんだってね。」


彼女の楽しそうに話している姿を見ているとたしかに今人気のアイドル女優という評判も頷ける。ただ話しているときの空気感も独特のものがありこれがこの世界のプロなんだろうと実感する。さらに役の時の印象が強かったからかよりギャップを感じてしまい可愛く見えてしまう。


「それでさ今日の撮影もこれで終わりでしょ?だからご飯でもどうかなって。遥くんとはちょっと仲良くなりたいなって思ってさ。あ、いきなり二人きりだとあれなら、もちろんマネージャーさんも一緒にどうぞー!」


「あー…ちょっと今日はすみません。この後約束があるんで帰らなきゃいけなくて…せっかく誘ってもらって申し訳ないんですけど…。良ければまた今度誘ってください!」


先輩から直接の誘いを断ったにも関わらず嫌な顔を見せないんだからとてもいい人なのだろう。本来なら断ってはいけない気もするが風間さんや監督の坂本さんからも用事があったり嫌だったりしたら遠慮なく断っていいと言われている。最初はほんとに大丈夫か不安だった少なくとも坂本さんが関わっている仕事になら影響しないようにしてくれると言ってくれたこともあり心強い。


「あ、ごめんね!急だったもんね。ちなみに嫌じゃなかったらでいいんだけど、それって芸能関係の知り合いとか共演者の人?」


「いや幼馴染です、全く仕事関係とかではなくて。同じ学校なんですけど、今日僕が仕事で休んでるから終わったらご飯でもって誘ってて。だから今日はほんとにすみません…。」


彼女は一瞬驚いたような表情を見せつつも笑顔で大丈夫だと言ってくれる。


「じゃあ次予定合うときがあったら今度こそ行こうねー!今日はお疲れ様でした!」


そう言って彼女が俺の控え室から出ていった。


「…いやーすごいですね…。私あの野村楓さんが食事に誘うのも断られるのも初めて見ましたよ。」


優香さんは本当に驚いた表情でそう呟いた。


「やっぱり断ったのまずいかなあ…。笑顔ではいてくれたけど内心ブチギレてたりしないよね…?」


「いやそうじゃなくて…あんま大きい声じゃ言えないですけど後藤達也も食事に誘って断られてましたからね…。それに野村楓さんって最近すごい人気で共演した男性も結構な人数が虜になっちゃうって有名なんですよ?まぁ今まで熱愛一つ出てはいないんでちゃんとした人なんですけどね。」


やっぱり他の人の目から見ても可愛いってことが分かってほっとする。とはいえそうなるとやっぱり俺が断ったっていうのも問題じゃないか?主演が断られてるってなるといじめられたりしないよね?


「…おおよそ何を考えてるか分かるようになってきましたよ。心配してるようなことにはならないです、監督直々にめちゃくちゃ可愛がってくれてると思いますから。あの人が撮影終わりに控え室まで来てくれること自体大ニュースなんですよ。それに今のところスタッフからも評判いいんで。」


俺はその後帰りの車の中で優香さんからスタッフさんの間での話や撮影で気をつけることなんかの注意事項を聞くなどして過ごした。今のところ評判はいいらしいがまだ初日だからな。それで調子に乗っていたり最初の緊張感なんかを忘れたりすると大抵の場合痛い目を見るだろうから気をつけよう。




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