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18話 新しい仕事?

本日二話目ですので、よろしければ前話からご覧ください!

雑誌が発売してから数日がだったわけだがとても好評らしい。学校でもクラスメイトや先輩から感想をもらうことも多いし栞が言うには中学生の間でも結構人気らしい。


そして今日は学校終わりに風間さんに呼び出されたので事務所へとやってきたところだ。事務所に着くとすぐに風間さんのいる社長室へと呼ばれた。


「いやー好評好評!大好評だねー!ほんとに遥くんには感謝してもしきれないよ!」


風間さんが言うには今回発売した雑誌はとにかく売れてるらしい。そしてその影響で事務所の経営も安定して伸びてきているらしく風間さんはここ最近ずっと上機嫌だ。


「それで今日はなんの話なんですか?褒めてくれるのはありがたいですけど仕事の話って聞いてきたんで気になるんですが…。」


「もーもっとゆっくり話そうよ!まぁでも話っていうのはね、君にドラマに出ないかって話が来ててね。主演ではないけど結構いい役なんだよ。」


風間さんのドラマについての説明を聞くとなんでも主演はいま人気の男性俳優と若手女優さんらしい。俺の役は主演俳優との間でヒロインを取り合うというポジションらしい。たしかに演技経験なんてない俺がいきなり抜擢されるにしてはいい役すぎる。


「俺は全然受けますよ、この話。演技は経験ないですけどそれでも向こうが納得してくれるなら俺に断る理由はないですから。」


「ほんとに!?ありがとう!いやー助かるよ、監督が私の知り合いでね、どうしても遥をキャスティングしたいんだ!って言われてさ。」


風間さんはそう言った後資料のようなものを渡してくれた。そこには大まかなストーリーが書いてあり、テーマとしては恋愛ものらしい。ヒロインである結衣は主演である少しやんちゃな海斗に惹かれる。俺はそのヒロインの結衣に対して想いを寄せる優等生という役だ。


大まかなストーリーをざっと読んだが普通に面白い話だったと思う。


「主演の男性俳優の後藤達也くんは今めちゃくちゃ人気の俳優でね。…ただあんまり性格がいい方じゃないから何かされたりしたらすぐに相談してね。」


風間さんが言うには度々問題を起こしているものの若手の男性俳優の中ではトップクラスの人気があるらしい。またモデルの世界と違って役者の世界は日本においても結構な割合で男性がいるんだとか。


ドアがノックされて優香さんが入ってきた。


「遥さん!私正式にマネージャーになりましたのでこれからもよろしくお願いします!」


「こちらこそよろしくお願いしますね。よかったです優香さんがマネージャーやってくれるなら俺も気が楽ですから。」


マネージャーになる予定というのはあらかじめ聞いていたがどうやら確定したらしい。今更違う人とってなっても少し緊張するから俺としてはこれでよかった。


「あ…後藤達也ですか…?私そんなにこの人好きじゃないですね…。」


席になった資料を見て彼女がそう呟いた。


「優香ちゃんそんなことあんまり他所で言ったらダメだからね?私も苦手ではあるけどさ…でもなぜか人気はあるからね。それに向こうの会社はうちより断然大手なんだから。」


「そんなに嫌な人なんですか?結構爽やかな顔してますけど…。」


俺の言葉に二人はため息をつきながら話してくれる。


「顔に騙されちゃダメですからね?まさに特権意識の塊みたいなやつなんですから。共演した女優に対してのセクハラも何回も問題になってるんですよ。男性が多い世界って言ってもやっぱり女性の方が圧倒的に多いですから、あの人のことを拒むと仕事が減らされるって噂ですから。現に人気だった女優さんでも共演以降全く見なくなった人もいますからね…。」


うわあ…それはひどいな。それでも人気がある以上は使われ続けるんだろうから大変だろう。


「まぁ性欲が強いってこと自体は悪いことじゃないんだけどね…。それを抑えることができないとか、何してもいいんだって考えになるのはやっぱり良くないよ。」


男性割合の低下の対策として任意ではあるが精子提供が重要な役割を果たしている。なんでもその質や量によってランク付けされており、暮らしていけるだけの報酬が支払われるらしい。そのため一部の男性たちが特権意識を持つきっかけになっているんだとか。


そんな背景があるからか性欲が強い男性というのは歓迎されているわけだが、この後藤という俳優はそれが良くない方に作用しているらしい。


「まぁそういう意味じゃ遥が異常とも思えちゃうけどねえ…。」


風間さんがそう呟くと優香さんも同意するように頷いていた。


いや結構失礼だよな…。


「まぁとにかくさ、近いうちに撮影も始まるらしいから一応心の準備しておいてね。衣装とかそういうのは全部あるから特に必要なものとかはないから。」


「分かりました!とりあえずやれるだけやってみますね。」



ーー

俺は事務所での打ち合わせを終えて家まで送ってもらい帰ってきた。まだドラマのことは喋ってはいけないと言われたが家族までなら許可をもらったので栞に報告する。


「っていうわけでさ、俺ドラマ決まったから見てね。」


俺がそう告げると栞は興奮した様子で何度も頷いている。


「もちろん!いつ!わー楽しみ!」


いつもニコニコしてかわいい子だが今日はまた一段と嬉しそうで俺も思わず微笑む。


「んー七月の中旬くらいから始まるみたいなこと言ってたかな?撮影はもうすぐに始まるらしいけどね。」


「何曜日なの?私として深夜なら土日が嬉しいなあ!」


「はは、月曜の9時からだからそんなに夜更かしする必要ないよ。」


「えー!月9なの!?すご!」


栞はより一層興奮して話し出す。なんでも結構なドラマファンらしく次回作ももちろん気になっていたようだ。


「えー主演後藤なのー…?うちのクラスにも結構ファンいるけどさ、私はあんまり好きじゃないなー。」


俺はいろいろとドラマのキャストや設定なんかを話したが栞は主演が気に入らないらしい。


「あ、でも楓ちゃんは結構好きだなー!設定的にハルの恋のお相手ってのはちょっと複雑だけどね。」


たしかによく考えるとドラマとはいえ自分の恋愛模様みたいなのを家族に見られるのきついな…。


「正式発表まだかなー!由希ちゃんにも話したいんだー!絶対喜ぶよ!」


なんだかんだで由希見られるが一番きついかも…。


その日は寝るまでテンションの上がった栞と話し続けた。少なくとも栞には喜んでもらえるように頑張らないとな。



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