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15話 楽しい食事会!

本日もこの後もう一話上がる予定です!よろしければそちらも読んでください

由希と大地を駅で拾って風間さんのおすすめの寿司屋へと向かっている。その道中車内では今日のイベントのことやこれからの仕事の話なんかを含めた雑談なんかをしていた。珍しく社長直々に車を運転していたからか茶々を入れられることも少なくとても快適な時間だった。


「ここだよ、いやー懐かしいな。私も来るのは久々だよ。あ、もちろん今日は奢りなので安心してね。」


風間さんがに連れられて着いた店は老舗といった雰囲気の外観だった。


「正直私は社長が連れてってくれる店っていうからファミレス的なとこなんじゃないかって疑ってましたよ。まさかこんないい感じのお店だとは…!」


優香さんがそう呟くように言うも風間さんは苦笑いしつつも上機嫌だ。普段なら言い返したりして口論にでもなるところだが、おそらく風間さんも経営が順調らしいから余裕があるんだろうな。


「ハ、ハル…?ほんとに私まで良かったのかな?なんかここ高そうだし私そんなにお金持ってないよ?」


優香さんと対照的に高そうな外観にびびったらしい。自然に腕を絡ませてきて少しどきっとする。


「だ、大丈夫だよ、風間さん普段はケチだけどさ奢ってくれるって言った時は絶対奢ってくれるからね。それに最悪俺も一応お金は持ってるから大丈夫だよ。」


「じゃあもしもの時は僕のも分もお願いね。由希ほどじゃないけどちょっと不安になってきちゃったからさ。」


大地は口ではこんなことを言っているが目元が笑っているのでおそらく楽しんでるんだろうなというのはわかる。


「お前がかなりの額持ってるのは知ってるからな…。まぁとりあえず入ろっか、最悪の場合は大人二人おいて俺たちは帰してもらえるように頼むしかないしね。」


店の中に入ると外観から想像できるような、本当にイメージ通りの老舗の名店という感じの内装だった。


風間さんと店主のおばあさんは知り合いらしく軽く会話をした後に奥の個室になっている部屋を用意してくれた。


案内された個室に入ると俺たちは靴を脱いで適当に座った。


少しして水やおしぼりを持ってきてもらうと風間さんが喋り出す

「よし!じゃあ今日はお疲れ様!成功を祝して今日は私の奢りですので楽しんでね!」


「はいはい!好きなの頼んでいいですかー!」


優香さんは風間さんがうなずくのを見るとすぐに頼み始めた。


「よしじゃあ俺たちも適当に頼もうか。由希も遠慮しなくていいからね、俺たちが招待したんだしさ。」


俺がそう言っても由希ちゃんはまだ少し遠慮しているのかあまり頼もうとはしない。


「じゃあさ、このおまかせで頼んじゃうから一緒に食べようよ。気になってたけど一人じゃ食べ切れるか分からんないからさ。」


「ハル…ありがとうね。…よし!私だけ遠慮し続けてもつまんないもんね!私も食べるぞ!」


うん、由希が元気になったの良かったよ。けどさ優香さんそれ頼みすぎじゃないかな、社長の顔が引き攣ってますよ…。



「あ、そうだ今日の仕事はどうだったの?上手くできた?」


由希が寿司を食べながらそう聞いてくる。


「うーんまぁそこそこやれたとは思うなあ。みんなが楽しめたかは分からないけど少なくとも俺は楽しくやれたよ。でも反省するところもいっぱいあったからね、次があるならもっと上手にやりたいなーって感じかな。」


「いやーだいぶ上手くやれてたと思うよ。正直もうちょっと下手だと思ってたからね!」


風間さんは少し顔が赤く染まっているからおそらくもう酔っ払っているのだろう。いつもより絡みがうざい気がする。


「最高でしたよ!もっと自信持ってくださいよー!会場のウケも良かったんですからねー!社長!ほんとに救世主ですよー!」


優香さんはそう言いながら俺の頭を撫でてくる。撫でてくるというか髪をぐしゃぐしゃにするというか…。

わー由香さんもこんな感じかあ…。


どうやらこっちはこっちで酔っ払っているらしい。出会った頃の仕事ができる!みたいなイメージがどんどんなくなっていくね。


「ち、近くないですかー?ハルもはっきりやめるように言わないと!」


「嫌じゃないですよねー!遥さんはうちのエースですから!スタッフみんなで可愛がらないといけないんですー!」


優香さんが俺の左腕に絡みつきながら由希に対してそう告げる。


「わ、私の方がハルとの付き合い長いんですからね!一番分かってる私が言うんだから間違いないです!嫌がってます!だよね!?」


今度は由希が俺の右腕に絡みついてくる。絡みついてくるというかもはや締め付けてきている。


というか俺も男の子なわけでね、こういうことされるとちょっと緊張するんですけど…!みんな俺が普通に男だってこと忘れてない!?


「はは、両手に花だねえ…幸せそうでなによりだよ。でも嫌なのか嫌じゃないのかははっきり言わないとダメだよね?」


大地の俺に対して向ける目が人生で一番楽しそうに見えた。というかもはや笑いが抑えられていなかった。めちゃくちゃ笑ってる。


「嫌じゃないですよね!遥さん!」

「ハル!遠慮しなくていいんだよ!はっきり言わないと!」


両側から詰められる。対面では上機嫌でお酒と寿司を楽しむ風間さんとニコニコと暖かい目で見守る大地が座っている。


「ふ、二人ともさ一回落ち着いてお寿司でも食べようよ。あ!由希ちゃん昔からこれ好きだったでしょ!追加で注文しようか!」


「ハル…話逸らすにしても下手だよ…。でもちょっと子供っぽかったね、今日は我慢するよ。」


そう言って由希は少し反省したのか少しだけしゅんとして俺の腕から離れる。ちょっと残念な気持ちがあるのを自覚して少し自分が嫌になる。


「んーじゃあお姉さんもお寿司に戻りますねー!」


そう言って今度は風間さんの方へと向かって絡み始めた。こっちはすごい元気…。この人に関しては今日一日で結構印象が変わったよね。


とはいえその後は比較的穏やかに会話と食事を楽しむことができた。そしてついに会計の時がやってきた。もちろん社長である風間さんが出してくれるとはいえ若干の緊張感がある。


「信用ないなあ…大丈夫だよ、お会計は…。えっと…うん優香ちゃんはすごい食べたね…。ま、まぁ大丈夫だよ、カードでお願いします…分割で…あ、はい…2回で…はい…。」


背中からすごく哀愁が漂っている。おそらく明日発売の雑誌の売り上げを当てにしてるんだろうなあ…。収入としては来月だろうしね。


「ハ、ハル…?ほんとに大丈夫そう…?」


由希はそんな風間さんの姿を見てか申し訳なさが込み上げてきたようだ。ほんとに反省するべきなのは間違いなく優香さんだけどね。


「大丈夫だよ、俺らは言ってもそんなにお金かかってないはずだしね。絶対酒代だよ、高そうなの飲んでたし。それに俺の仕事の報酬から由希ちゃんが食べた分はすぐに返せるくらいになる予定だからね。それより楽しかった?途中ちょっと大変だったかなって、ごめんね。」


「ハルが謝ることじゃないよ!すごく楽しかったし、呼んでくれて嬉しかったの。だけどちょっとだけもやもやしちゃって…私の方こそごめんね…。」


由希の表情や様子を見るに喜んでくれているのは分かる。それに安心すると同時に少しの罪悪感を覚えた。


その後運転のできる大人がみんなお酒を飲んで酔っているということで運転の代行を呼んでもらい俺たちは帰路に着いた。

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