13話 本番開始!
本日もこの後もう一話あげる予定です
俺は控え室を出てステージの方へと向かう。トークイベントにしてはかなりのスタッフがいるように思える。
「あ、宮島遥さん…ですよね?私今日のイベントで司会をさせていただく川崎美優です!よろしくお願いします!」
おーアナウンサーっていうからもっとお堅い人って感じかと思ってたけど、むしろアイドルっぽい感じがするな。アイドルアナウンサーってやつか?
「宮島遥です!よろしくお願いします!えっと…こういうイベントなんかも初めてなので迷惑をかけるかもしれないですけど、色々と助けてもらえると嬉しいです。」
「私もそこまで経験豊富ってわけじゃないですからこちらこそ迷惑かけるかもですがよろしくお願いしますね!それにしても生で見れて感動しました!いやー一緒に仕事ができるなんて今でも信じられないですよー!」
俺もここまで喜んでもらえるなんて信じられないよ…。嬉しいけどさ、ハードルが上がってる気がするんだけど。これでもしさ、俺の話が面白くなかったり、盛り上がらなかったら幻滅されるんだよ。
「はは…嬉しいです、ありがとうございます。まぁ期待に応えられるように頑張りますね。」
「あ、ごめんなさい、一方的に話しすぎましたね…。でもほんとにこの仕事楽しみだったんです。それに私以外も結構な人がこの仕事希望してたんですから!」
「あ、いや全然そんなことないですよ!ちょっとこう、僕が勝手にプレッシャーを感じてしまっただけで。あんまり緊張してなかったんですけど、いざ本番ってなるとダメですね。でもちゃんと成功させますよ!始まっちゃえば平気なタイプなんです!」
その後少し間雑談をしていると俺の雑誌への感想やら案として出ている仕事の話なんかを聞くことができた。ありがたいことにこれから先も仕事の予定がありそうでほっとした。とはいえ今回の仕事を失敗したらそれも白紙になる可能性もあるけどね。
そんな風に雑談をしていると本番が始まる時間になった。
「じゃあ行きましょうか、私に着いてきてくださいね。」
そう言うと彼女はステージに向かって進み始めた。俺は少し遅れて彼女に着いていく。
俺たちがステージに出ると、すごい歓声が聞こえてくる。ここまでの歓声を聞くのは初めてだな…。
俺たちは歓声を聞きながらステージ中央の席に着く。
「いやーすごい人気ですね!実際の歓声なんかを聞くと実感したんじゃないですか?」
「はは、びっくりしましたよ僕もこうして生のイベントに出るのは初めてなので。ここまで集まってくれると思ってなかったので嬉しいですね。」
実際今のところ全て想定を超えてきてるからな。正直びっくりしすぎて考えてきたこと全部吹き飛んでる。
その後少し司会の川崎アナウンサーと雑談をしつつ場の空気感に慣れていく。
「さて!このまま雑談を続けても私としては嬉しいんですけど、せっかくですし早速ファンの皆さんからの質問なんかに答えてもらえたりしますか?」
「もちろんですよ!どういうシステムですか?会場にいる人に挙手でもしてもらいますか?」
「そうですね!質問とかがある人は手を挙げてもらって、そこにスタッフさんにマイクを持って行ってもらうって感じで行きましょうか。じゃあ質問ある人!」
そう言うと会場からたくさんの手が上がり始めた。
「遥さん、まずは最初どなたからにしましょうか?」
「んーそうだなあ、じゃあ手前の黄色いカーディガンの女性!どうですか?何か僕に聞きたいこととか話して欲しいこととかありますか?」
俺が指名するとそこに会場のスタッフさんらしき人が向かってマイクを差し出す。
「あ、あの!し、趣味はなんですか!休日の過ごし方とかが気になります!」
想像してたより全然普通の質問すぎるな。ほんとに初対面の人との会話みたいな、でも一発目がこういう質問だとほっとするよね。
「んー趣味は映画かなあ。僕わりと映画はいっぱい見てると思うし、休みの日も寝てるか映画見てることが多かったかな。あ、今は結構散歩も好きです!特に帰国してからはね。こんな感じで大丈夫かな?」
「は、はい!ありがとうございます!感激しました!」
うん、感激されるのは分からないけどね。でもこんな感じでいいならよかった。それにしても結構あっさりしてるけどこれぐらいのペースで回していかないと当てられる人が少ないからしょうがないらしい。
「じゃあ次はそちらの方お願いします!」
「ありがとうございます。えっと…モデルを始めたきっかけを聞いてもいいですか?男性で積極的にそういう活動されてる方も少ないですし、どうしてやってみようと思ったのかなって。」
「モデルのきっかけ…えっとお金が欲しくてですかね。海外にいた時に毎日本とか映画とかを買い漁ってたら仕送りが無くなっちゃって…。うちの事務所の社長が保護者として着いてきてくれてたので相談したら、バイトしてみる?って言われてそのままって感じですね。」
あまりにもダサいエピソードすぎて自分でも苦笑いしてしまう。もっとこうかっこいいエピソードだとよかったんだけどね!
「それがきっかけってことはあの雑誌の出演もそうだったんですか!?じゃあお小遣いとしてはすごい額になったんじゃないですか?」
司会の川崎アナウンサーのテンションの方が高いな…。
「あれもそうですね、完全にバイト感覚でした。まぁ自分も興味はあったんでよかったですけどね。こっちで話題になった雑誌は向こうの雑誌の中で僕が出た部分をまとめて自費?で出版したらしくて売り上げとかは分からないんですよね…。実際いつもより多めには貰いましたけどそこまでですよ。」
こっちに帰ってきてあんなに売れてたって初めて知ったからな。大地はネットとかで知ってたみたいだったけど。
「じゃあ次の方の指名をお願いしますね。」
「うーんじゃあ今度は後ろの方にしようかな。そこの紺色のセーターのお姉さん!お願いします!」
なんかどこかで見た気もするけど…目についたからね。
「好きな女性のタイプを聞いてもいいですか?あ、もし嫌だったら大丈夫なんですけど…。」
彼女がそう聞くと会場から小さくだが悲鳴に近い歓声があがった。
「んータイプ…?まぁ無難だけど優しい人かな。後は明るい人はやっぱりいいなって思いますね。僕がわりと落ち込みやすいタイプなので励ましてくれるとありがたいです。こんな感じでいいのかな?」
俺がこの話題を終わらせようとすると司会者の川崎アナウンサーが続けて質問してくる。
「見た目のタイプとかはあるんですか?例えば身長とか髪型とか!」
「うーん身長は特にこだわりないですね。あ、でも僕が180くらいなんですけどそれよりは下の方がいいかなって思います。髪型は難しいですね…長いのも好きですけど短いのも好きなんで!そういう意味じゃ髪型もそんなにこだわりはないかもしれないです。」
自分で言っておいてあれだけどつまんないな…!でも改めて好みって言われてもさ!ロングもショートも好きなんだよ!
「なるほど…海外の女性の方がいいな!って思ったりとかはなかったですか?向こうで気になった人とかは?」
「いやぁないですね。向こうで友人として仲良くさせてもらって人はもちろんいますけど、恋愛的なことはなかったですね。まぁ別にこっちであるってわけではないですけどね。」
「なるほど!では絶賛フリーということですね!これは重要なことを聞けましたよ!」
やっぱりどこの国でも恋愛話とかは盛り上がるもんなのかな?
けどこの盛り上がり方は恥ずかしいからやめてくれ…。
「他の質問にいきましょうよ!結構時間使いましたからね?他に質問ある人!」
俺がそう聞くと最初に比べてお客さんも緊張がほぐれたのか最初より積極的に手が挙がった。俺はその中から後列の方にいた男性を見つけたので彼を指名した。
「こ、今後はテレビに出るつもりなんかはあるんでしょうか…?私の周りの男性でも遥くんに勇気をもらったという人は多いです。でもファッション誌なんかは女性が読むことが多いので知らない男性も多いと思うんです。なのでテレビなんかの出演が増えるともっと多くの男性に届くんじゃないかと思いまして…。」
おーこれは嬉しいな!男性ファンがいるってのは心の支えになりますよ、まじで。
「んー今はまだ言えないんですけど、もしオファーがあれば出たいなって考えてますよ!それに雑誌じゃ僕が着てるのはもちろん男の服なんで、むしろ男の人に見てほしいんですよねー。まぁなんにせよ僕がもっと多くの人に知ってもらわなきゃいけないんですけどね!」
俺の人気が上がらないことには見てくれる人も増えないからな!これをモチベーションに頑張らないとな。
そしてその後も何人かの質問に答えていき、そろそろ終了の時刻に近づいてきた。
「じゃあそろそろ最後の質問の時間になってきましたね。それでは指名お願いします!」
「最後は目の前のお姉さんにしようかな!何か質問ありますか?」
「遥くんは現役高校生とのことですが、SNSなんかはやらないんですか!せめて事務所公式のSNSが欲しいです!」
これは質問っていうよりは要望に近いかな。でもSNSかあ、いまいちピンとこないんだよね。風間さんが何回かアップしたみたいなことは言ってたけどさ。
「んーみんなからのリクエストとかが多ければ始めるかもね。でもいまいち使い方とかも分からなくて周りに聞いてみようかな!でもSNSはたしかに面白そうだよねー。うん、ありがとうね、これを機会にってのもいいかも。えっとこれで質問コーナーは終わりでいいのかな?」
「そうですね、そろそろ終了の時刻になってきましたから。では最後にお知らせになりますが!今回の雑誌発売記念イベントにご参加ありがとうございました!明日発売になっていますので皆さんぜひ買ってくださいね!」
「今日は皆さんありがとうございました!」
俺たちはその後終わりの挨拶や雑誌の宣伝等をし、今回のイベントは無事終了を迎えた。
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