12話 いざイベントへ
本日もう一話上げてるので前話から呼んだもらえると嬉しいです
由希の家で今後の仕事の話をしてから数日後、雑誌の発売日が決定した。それに伴って雑誌発売の記念トークイベントの日程も確定したのである。
「というわけでね、お客さんは応募者からの抽選でってことになるんだ。今のところ倍率は40倍くらいあるからさ、落ちた人にも何か特典みたいなのを送りたいんだけど、サインとかってある?ポストカードにサイン入りで送ろうかなって思ってさ。今の段階で来てくれる人たちには記念みたいなのがあるといいかなって。最終的な倍率なんかはまだわからないんだけど…もしかしたら募集を締め切るかも。大きい会場なんだけど想像より多くてね。」
サインかあ…たしかに考えてみるか。それにまだ雑誌も発売してないのに応援してくれる人たちってかなりありがたいからな、記念になるものを送れるのはいいかもね。
「サインはないんですけど考えてみますね。それにしてもまさかそんなに応募が来るとは思いませんでしたよ。キャパももっと小さいと思ってました、こんなに大人数って緊張するなあ…。」
「大丈夫大丈夫、みんな君のプライベートの話を少しでも聞きたいだろうから簡単な話でいいんだよ。あとは撮影現場の話とかかな、あとはそもそも君の存在を確かめたいというのもあるだろうけど。」
まだAI説を信じてる人もいるらしいからな…何をしたら俺は生身の人間ってことを信じてもらえるんだか。
「うーんまぁ緊張しててもしょうがないですもんね。とりあえず頑張りますよ!自分にファンがいるってのも実感できましたしね!」
「あと少し細かいところを詰めたら完璧かな。次の土曜日開催だからさ、朝迎えに来るよ。衣装とかは全部こっちで準備するから君はほんとに何もしなくていいから朝だけ起きてきてね。」
う、せっかくの土曜日に朝起きなきゃいけないのか…それだけが辛い…!
「遥がさ、朝弱いのは散々思い知ってるからね、毎朝起こしてくれてる栞ちゃんにほんと感謝しなよ。」
はい…返す言葉もないです。そりゃさ俺も悪いけどさ、でもほんとに起きるのきついんだよね。逆になんでみんなそんな早く起きれるんだか。
ーー
そしていよいよ本番当日、俺は車に乗せられ現場へと向かっていた。
寝起きでの車はめちゃくちゃ酔う…!え、しんど…。
「もうそろそろ着くからさ…そんなこの世の終わりみたいな顔しないでよ…。遥くんさあ、君ついに車までダメになったの?」
うわあ…すごい嫌味言われてるよ…。わかるよ、俺が約束の時間に起きて来なかったことは申し訳ないけどさ!起きてすぐ乗る車のつらさを知らないんだ…。
「ここですか?会場。思ったよりでかいっすね!あ、俺朝飯食べてないんで何かないですか?もうお腹ぺこぺこなんですよー。」
「君車降りたら元気だねえ…緊張との相乗効果か知らないけどいつもより元気だしさ。ご飯なら多分控え室に用意してあるから行こうか。」
お、会場に食事があるのか!それなら現場で飯食えるから困らなくていいな!
「…社長、遥さんって意外に子どもっぽいですか?なんかちょっとかわいいんですけど…!正直私こっちの方が好きかもです…!」
「切り替えるとかっこいいんだけど、普段は子どもだろうね…。今もご飯の話したらすぐ上機嫌になってるしね。でも優香ちゃん的にはかわいいになるの…?私としては年齢的にも付き合い的にもほんとに子供のようにしか思えないんだけど。」
「かわいいですよー!これがギャップってやつなんですかね、大人の雰囲気がある人の子どもっぽい瞬間はやばいです!」
風間さんと優香さんで二人で話しているところ申し訳ないんだけど早く食事がしたいんだ。けどまぁ普段から二人には特にお世話になってるからな。
その後無事に控え室に着いて食事をとることができた。
しかしこんなに豪華な食事が用意されてるもんなんだな。毎回こんな感じなら俺もう少し頑張れる気がするよ。
「うん!これ美味しいね!あ、遥そっちのもう食べた?なかなか美味しかったよ。優香ちゃんも遠慮しないで食べていいからね。うちの経費じゃないしどんどん食べなよ。」
いや食べ過ぎだと思うけどね…。風間さんの方が俺より食べてるしね。弁当いくつ開けたのよ…美味しいから気持ちはわかるけどね!
「社長…少し食べ過ぎじゃないですか?次から呼んでもらえなくなったりしちゃうかもですよ?」
全く同意だよ。食べるなとは言わないけどさ、食べ過ぎだよ多分。
「大丈夫大丈夫。控え室に置いてあるお弁当なんかの食事はいくら食べても問題ないからさ。それにお弁当置いておけば遥くんの機嫌がいいってなれば向こうとしてもありがたいだろうしね。」
散々食べといてなんか俺が全部食べたみたいな感じにする気か…?え、ひどくね?
「それにさ、こんなこと気にしてる時間ないからね?隼人くんは食事が終わったんだから準備しなきゃ!」
これに関しては正論だからなんも言えねえ…衣装はスーツですね。
「ねえ、ネクタイ結べないから手伝って欲しいんだけど…」
スーツなんて着たことないよそもそも。ほんとに数回くらいかな?恥ずかしながら毎回着せてもらってます、はいそろそろ覚えます。
「優香ちゃんやってあげてよ。遥、少し屈んでもらえるかな、君背高いんだから届かないよ。」
「あ、ごめんなさい。優香さんお願いします。いい加減結べるようになろうとは思ってるんですけどスーツなんてそんなに着ないんで忘れちゃうんですよね…。」
「は、はい!大丈夫です!むしろ私が結んでいいんですか!ありがとうございます!」
うん、なんか向こうが喜んでるからいいのかな。
「…うわ顔ちっかいよ…えぐい。なんか匂いまでいい感じじゃん…」
手が尋常じゃないほど震えてるけど大丈夫か?あれしかも首めっちゃ絞められてるんだけどさ、これほんとは俺のこと嫌いとかじゃないよね?
「あ、あの優香さん?めちゃくちゃ締まってます、ちょっとやばいっす…」
「あ、ごめんなさい!ついうっかり…これで大丈夫ですかね…?」
ついうっかりで死にそうだったよ…!絶対自分で結べるようになろ…
「おーやっぱりちゃんとするとかっこいいね!会場の温度とかによってはさジャケット脱いじゃってもいいからね。でも最初は着てて欲しいからないじゃダメだよ。」
「わかりました。俺このベスト的なやつ好きなんですよね!かっこよくないですか?」
まぁジャケットもかっこよくて好きだけどね。スーツを着ると大人って感じがしてちょっとテンションが上がる。
「か、かっこいいです!最高です!」
「うん、まぁそりゃかっこいいよ君もスーツもね。緊張してなさそうで安心したよ。そのまま普段の君の話をしてあげてね。あ、けど変な話はしちゃダメだからね?私たちも一応会場にはいるけどステージには君と司会者の人しかいないからさ。」
「わかりました!そういえば司会の人って誰なんですか?てっきりうちのスタッフさんがやってくれると思ってましたよ。」
知らない人に緊張するってことはそんなにないけど、やっぱり知ってる人の方がやりやすいんだよなあ。
「たしかフリーのアナウンサーの子がやってくれるはずだよ。最近結構テレビとかも出てる人気の子でね、今回快く引き受けてくれたんだ。雰囲気も穏やかな子だから初めての共演でもやりやすいと思ってね。」
「助かります、怖い人だったらどうしようって思ってましたから。今日はリラックスしてやれそうな気がしますよ、緊張してたらみんなに笑われますからね。」
特に風間さんと大地なんかは笑ってきそうだよなあ…。
「よし!じゃあ行ってきますね!」
「頑張ってね!私らも後ろの方で見てるからさ。」
「応援してます!ていうか私も聞きたいんで!」
なんでだろうね、風間さんの応援より優香さんの方が嬉しいのはさ。純粋に応援してくれてる気がするからかな?
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