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Ch3.8 Hack完了(3)

 『……感受性が高くなりすぎるのも問題だよねえ』


 僕の身体は空中に溶けていく。


『魔法の親和性(たいせい)が上がっちゃって、力負けしたら相手の魔法の影響をもろに食らっちゃうからねェ』


 感情が、溶けていく。意識が薄れていく。

 魂が無防備になっていく。


『ちなみに……ショチョウはともかくとして、今は君をどうこうする気はないよ。……よーし、これで色々とハッキング完了だ。いやー長かった』


 無感動に、空中に漂いながら青髪の少年の挙動を眺める。

 彼の頭はまるで振動しているかのように、小刻みに動いている。

 瞳孔が開ききっており、瞳がぐるんぐるんと左右違って動いている。


『えーっと、ヘルプユニットへの攻撃回数を1から、100に。いやはや……0を1に変えるのはシステム的に難しかったけど、これでようやく――』



『――アナウンスメント。


 土の世界においてペナルティ違反者のカウントが一定数を超えました。


 ――ペナルティとして、精霊が召喚されます』


 青髪の少年の()()()()()()()()

 彼の存在がこの世界に認知され始める。


 本来の姿を取り戻していく。


『……うん、髪も本来の長さに戻ってきたね。ボッサボサだったから助かる』


 青髪の長髪を後ろでまとめながら、少年は青年へと変貌していく。

 丈が余っていた白衣も、その身長とピッタリになってしまった。


 ――ポニーテール褐色美男子研究者(早口)、だと……?

 属性盛りすぎだろ。

 まずい。最後の気力をツッコミに回してしまった。


 あーあ。


 ……後は任せましたよ。()()



「――不動切り」



 天井の陰から一筋、糸が垂れるように()()()()()斬撃が彼の青髪の青年に迫っていく。

 しかし彼は動かない。いや動けない?


『……マインドコントロール(カリスマ)と次元刀の合わせ技(アドバイススキル)、ね。やるねぇショチョウ』


 すべての神経の集中を奪われているのか、ただ彼は迫りくる斬撃を見つめて待つのみ。

 そして数瞬後――。

 音もなく、所長が握る次元刀は彼の体を切り裂いた。


 彼の半身は地面に転がり、僕の方を向く。


『ショチョウも死んだと、僕に以心伝心(ごかい)させたのか。やるねェアキヒト君』


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