未来の俺たち
2042年8月の中旬…
俺は稲荷神社へと足を運んでいた。
しかし、俺が足を運んでいた稲荷神社は社がボロボロでなんとも言えない有様だった。
「ここは相変わらず…か」
懐かしいな…。アイツがお子様の俺と遊んでくれたこと。
それにしてもあれから20年か…。
当時の俺はこの稲荷神社の近くで住んでいた。
父が単身赴任でここへ引っ越そうとしていた時に、母が「一人で行かせるわけない」と言わんばかりの圧で笑っていたのを俺は覚えている。と考える暇なんてなかったな。
「久しぶりかの?」
この声は…
「椿!」
「久しぶりじゃの!花音よ」
「おい、なんで花音で呼んでんだ」
「違ったかの?…花、河南よ」
「…表でお話をしようか?バカ椿」
「や、やめるのじゃああぁぁぁー」
このバカ椿こと、妖狐の椿はさっき出てきたアイツである。
「ほおぅ、で?何の用じゃ?」
「当時のことを語り合おうと思ってな」
俺たちはボロボロの社の中でくつろいでいた…
両手に酒と盃を持って。
「どこからじゃ?」
「どこからって始めからさ」
「最初の頃かえ?」
「あぁ」
「河南がはじめてこの社に来た日のことじゃな」
「まぁ、それから何年かの付き合いになっちまったけどな」
「そうじゃ!」
椿が何やら押入れをゴソゴソと何かを探している様だ。
「なんだ?急に」
「これじゃ!」
「なんだそれ?テレビ、にしては古い型だな」
椿が押入れから出してきたのはアンテナが付いてないめっちゃ古いテレビだった。
「これでわしの妖力を注ぐと…」
「光ってるな」
「見れるようになったぞ!」
「なにがだよ」
「当時のわしたちが!」
「あ?…これで昔の俺たちが見れるってことか?」
まったく、どういう原理で出来てんだか…
「そうじゃ」
「じゃあ、さっそく…」
「見ようかの」
次回は…いつになるかは私も知りません。
不定期のつもりですので…
次回はなるべく長文にしようと思っているつもりです