62話 また、泣かせてしまった
【バンディ城控の間・ルーシー視点】
(ルーシー回想)
イフリート殿下から語られた15年前の痛ましい侵略戦争の話に胸が痛んだ。
当事、経験した者にしか分からないであろう情報や感情まで、ありのままに話すイフリート殿下の言葉に、先ほどまで殿下に抱いていた”嫌悪感”はすっかり消え失せていた。
イフリート殿下から語られたルイーズさんという女性は、おそらく私の”産みの母親”本人だと思う。
そして二人の恋バナに感動した。
ルイーズさんに一目惚れした殿下が、翌日、速攻で結婚を迫ったり、お花を摘んで毎日持って行ったり……。ルイーズさんの”お友達宣言”にもめげず、彼女を心から愛おしみ、その家族や慕う者達も全てまとめて大切にしてくれるなんて、なんて器が大きすぎる! さすがthe 魔王! と思った。
生まれたばかりの頃の記憶に残る、あの”そこはかとない安心感”は、きっとイフリート殿下が、私たち親子を愛し守って下さっていた証拠だったと今になってしみじみ思った。
……そして、きっとどこかで幸せに生きているものとばかり思っていた産みの母 (ルイーズ)の壮絶な最後に、悔しさが込み上げた。
イフリート殿下の傍らに立つジーク・フォルネオス騎士団長は、その話を聞きながら涙を拭い私を見つめ何度も頷いた。スラリとした長身に短髪黒髪赤い目で、どことなく国王べリアスに似た感じの男性で年齢のせいか渋い。その息子の、先ほど手合わせをしたルーク・フォルネオス隊長は、あの時私を育ての親の家まで運んでくれたと聞き、私は命の恩人の一人になんて事をしてしまったんだとちょっぴり後悔した。けれど、レイ兄さん並みの自然な動きで頬にキスした事は赦していない。ルーク隊長は私を”なめていた”のではなく”懐かしんで”いて、しかも、恐らくだけど”負ける気満々”だった。イフリート殿下に命じられ、跳ねるようにホムラを追いかけて行った彼は、ホムラをちゃんと捕まえられたのだろうか? 私のせいで、拗れていなければいいんだけど……。
少々、話が逸れてしまったが気になる点があった。
産みの母ルイーズさんは、私と同じく転生前の記憶を持ったまま生まれた可能性がある人物だったのかもしれない。
イフリート殿下に”めんご”を教えたのもきっと彼女だ。
”めんご”や”フラグ”という言葉を使っている時点で、年齢までは同じではないかもしれないが、私と同時代の日本に生活していた可能性が考えられる。
(回想終わり)
+++
私を探したというイフリート殿下の話も、特に矛盾している点は無かった。
オスカー兄さんに拾われてから何度か水害に遭い、引っ越したのを覚えている。しかも、両親ともお尋ね者なので、隠れるようにひと気のない山奥に住んでいた。それだけでも見つかりづらいのに……
「 ……諦めきれず”髪色が深緑の3人兄弟で一番下が女の子の家族”を我々はしばらくの間探し続けた」
「それ、ウィリアム兄さんです!」
思わず口から出てしまっていた。
「なんだと!?」
イフリート殿下が呆気にとられた。
「その、一番下のかわいい女の子って、兄なんです」
「兄?」
「はい、3人とも兄なんです。特に小さい頃のウィリアム兄さんは、私より可愛いのでよく女の子に間違われていたんです」
2人一緒にいるとよく姉妹と間違われ、悪い人に攫われかけたこともあった。
「見ろ! 上の子は上玉だ!」と喜ぶ人攫いの言葉に、ムカついたのを覚えている。私とウィリアム兄さんは激しく抵抗し難を逃れたが、その後から”外では男の子のフリ”をするよう父 (テオ)から言われた。
「3人とも男の子だったのか。フッ……道理で見つからぬわけだ」
優しく微笑むイフリート殿下に、疑問に思った事を聞いてみた。
「私がその家に預けられた日、”全身黒くて目だけ赤い人物”を見かけたと、そこにいる兄が申していましたが」
振り返り、べリアスさんの背後に立つオスカー兄さんを見上げると、兄さんは目を閉じ拳を握りしめ僅かに震えていた。その質問に、イフリート殿下の隣に控えていたジーク・フォルネオス騎士団長が小さく手を上げ、殿下に発言を求めた。
「あの日、少しでも目立たぬようルークには子供用の黒い甲冑を着せて行かせたそうです。さぞかし、お兄様は驚かれた事でしょう」
オスカー兄さんに小さく頭を下げた。それに対して兄さんは酷く動揺し、
「いえ……その、ルーシーがそんな高貴な生まれとは知らず、なんと申し上げたら良いのか……」
「高貴って、兄さん何言ってるの!?」
兄の”高貴”発言に驚きツッコミを入れると、イフリート殿下がクックックッ……と笑い出した。
「本当に、……ルイーズそっくりだな」
「いいや、それだけで判断してはならん! ルーシーが本当にその女の子供かどうか確かめるには、子守歌だ! その女が歌っていた子守歌を歌ってみせろ!」
べリアスが身を乗り出し、腕を広げ私とイフリート殿下の間に割って入った。
「よかろう」
♪~~~
んんん~~んんん~~んんん~ん んん~ん
んんん~~んんん~~んんんんん~ん~ん~
低音ボイスの”ブラームスの子守歌”を歌い出した。
”THE 魔王”のような見た目からは想像できないくらい優しい歌声が部屋に響き渡った。
その優しい声に、赤ん坊の頃のおぼろげな記憶が僅かに蘇り、胸の奥をギュッと締め付けた。
~~~♪
「どうだ?」
「ち、違うような「陛下、まぎれもなくルーシー様が仰っておりました”子守歌”でございます」
言い淀むべリアスを遮り、スチュワート様が静かに言葉を被せた。
「ルーシーが!? 覚えていたのか!?」
前のめりに私の方に顔を近づけるイフリート殿下に「はい」と返事をすると、「そうか、そうか……」と涙を浮かべ何度も頷き嬉しそうに笑った。
「母を、助けて下さった上に私の事まで気にかけて頂いて「お前は私の娘だ」
イフリート殿下が私の手を取り両手で包み込んだ。
「殿下……」
「よくぞ今まで無事で、そして立派に成長して……」
オスカー兄さんに視線を向け、
「そこのルーシーの兄、今までこの子を守ってくれた事、感謝する。なんでも望みを言え。叶えてやる」
「うっ……グシュ……ううっ……そんな、望みなんて……」
嗚咽するオスカー兄さんに、スチュワート様がハンカチを渡した。
「今じゃなくてもいつでもいい、何かあったら我を頼れ。ルーシーの兄なら我が息子も同然だ」
「もったいなきお言葉、きょ……恐悦至極でございます」
オスカー兄さんは最敬礼し、そのまま泣き崩れた。
”父のようなもの”か……。
イフリート殿下の”全てを受け入れてやる”的な器の大きさに感銘を受けながらも……(でも待って、)国王べリアスをボコボコにしたのもこのイフリート殿下。暴力的な一面を合わせ持っている事も忘れてはいけない。私の右手を握るイフリート殿下を真っ直に見つめた。
「ルーシー、聞くがこの指輪は?」
イフリート殿下が、右手中指に光る指輪に視線を落とした。
「陛下から頂き「べリアスだ!」
陛下が、ここでまさかの呼び捨て要求をしてきた。
驚き顔を向けると、不安げな表情をした赤い瞳と目が合った。いつもだったら抱きつこうとしたり手を握ってくるところを、イフリート殿下に一喝され、手が出せないのか、身体の前で手を”狼のポーズ”みたいに構え私を見つめている。
「わかった」
陛下に返事をし、イフリート殿下に向き直り話を続けた。
「勇者になる前、川でべリアスを助けた時に、連絡手段としてこの指輪の契約をしていただいたのです」
「は? 勇者になる前だと?」
イフリート殿下が拍子の抜けたような声を発した。
「だから、その連絡手段として……」
「ルーシー、無理矢理こいつがお前に迫ったんじゃねえのか?」
「いえ、その……騎士見習の試験に落ちた場合を考え、王都で仕事を見つける上でいい雇用主を見つけたと思いまして……私の方から」
イフリート殿下が困惑した表情で私と陛下を交互に見た。
「雇用主?……本当にか?」
「はい」
「ルーシー、お前はこの指輪の意味を分かっておるのか?」
「連絡手段の一つで、お互い呼び出せるものですよね」
イフリート殿下は、呆れた顔でため息をついた。
「はぁ~~~~っ、呼び出せるって……”召喚”だぞ。本当に、分かっているのか?」
「はい」
「そのおかげで私は助かり、ルーシーは勇者に選ばれたのだ。問題はなかろう」
べリアス得意げに言い放ちイフリート殿下を睨みつけた。
「問題あるだろう! 妖精王の王子と婚約しているのだぞ! 良いわけがあるまい!」
……そうだった。
その件もまだ片付いていないんだった。
イフリート殿下がご存じだという事は、もしかしてもう既に、妖精王が国の要人たち全員に言い触らし、じわじわと王国中に認知させ、気が付いたら”イム副隊長と結婚”するしかないような状況を作り上げているのかもしれない。
そもそも、婚約自体成り立ってない筈なのに……どうしよう。
「それになんだ、名前だけで呼び合いやがって! なにが”べリアスだ”だ。かわいいルーシーにベタベタ触るな! この好色悪魔!」
また、陛下に手を出しそうな剣幕のイフリート殿下に、
「殿下! べリアスは私に約束して下さいました。争いのない平和な国を作るって。だから私は協力して「だめだ! ルーシー惑わされるな、こいつの見た目や口車に乗せられるな!」
多分、イフリート殿下は、父親の”娘はやらん”的な感覚で、国王べリアスの元で騎士をしている私の身を案じているのだろう。
「べリアスは、王としてこの国の為に夜遅くまで働いてらっしゃいます! 今回のノール帝国との軍事協定も、私たちの見えないところで様々な難題をクリアし締結に漕ぎ付けました。それに、私とべリアスは、殿下が考えておられるような関係ではございません」
「ならばどのような関係だ?」
「この王国の王としてふさわしくないと判断した場合、私がべリアスを”封印”する約束だからです」
「えっ!? 約束したっけ?」
隣に座る陛下が驚きのけ反った。
「はい、勇者になった日に。アスモデウス殿下もその場におられましたよね」
「ブハッハハハ……ああ、聞いた、聞いた」
「封印とは。クックックックッ、ハハハハハハハ!」
イフリート殿下が大声で笑い、そして私を燃え盛る炎のような赤い瞳で見つめた。
「ルーシー、我が城へ来てはくれぬか?」
お城!?
行ってみたい……でも、騎士見習や勇者の訓練もまだまだ課題が山積している。
それにべリアス……。
べリアスは赤い瞳を潤ませ、泣きそうな悔しそうな切なそうな表情で私を見つめていた。
なんでそんな顔をするのだろうか。胸が締め付けられる。
いやいやいや騙されるな、しっかりしろ私!
べリアスは脅威である私を誘惑し(魂?の)契約をしようとしている。
……でも、どうしてべリアスは、いつでも封印される危険があるにもかかわらず私を傍に置いておこうとするのだろうか? 契約する為? 誘惑する為? だけど、最近では契約の”け”の字も出てこない。
本当のところべリアスは私の事を、どう考えているのだろうか?
「身に余る申し出ありがたき幸せにございま「いや、ダメだ、ルーシー……」
「大丈夫べリアス」
泣きそうな声で私を引き留めるべリアスの手を握りなだめ、こう続けた。
「ですが、イフリート殿下。私は王国の勇者として訓練を怠るわけにはいけません。この先の未来の為に、国王べリアスの元、アンフェール城で騎士として仕え、有事の際は王国を守る”勇者”として戦う決意をしております」
「はぁーー……それが、お前の本心か」
ガッカリした表情でイフリート殿下はため息をついた。
「はい」
「ルーシー……」
べリアスは私が掴んだ手の上にもう片方の手を添え、嬉しそうに顔を近づけた。
「でもべリアス、手に”べちゃ”ってキスしたり、いやらしい事はしないでね」
「ゔ……」
眉間に皺を寄せ嫌そうな表情をしたが、直ぐにいつもの満面の笑みに戻った。
その手を放し、イフリート殿下へ顔を向けた。
「イフリート殿下。私はジェダイドの氷の女王を倒し、この国が帝国の脅威から解放された暁には、是非カース城へ赴き、私が生まれた城を一目見たいと考えております!」
「クックックッ……何から何までルイーズそっくりだな。ルーシー、お前と我は親子。対等の関係だ。我の事は”殿下”ではなく”お父さん”と呼ぶがよい」
「え!? いや、それは」
狼狽える私にイフリート殿下は、優しくこう続けた。
「……急には無理だろう、いつかそう呼んでもらえたらと思うただけだ。気にするな」
私を思いやる優しい言葉に、直ぐにでも”お父さん”と呼んであげたくなってしまったが、今日初めて会った国の要人の一人イフリート殿下に対し、命じられたからと言ってそんな軽々しい言葉使いを安易にするわけにもいかない。
体面的にも、絶対に良くない!
陛下の事だって、二人の時は呼び捨てだけど、それ以外は”陛下”と呼ぶようにしているし、いざという時の為に、心の中では常に”国王べリアス”とか”陛下”、最低でも”さん”付けで呼ぶように心がけている。(たまに呼び捨てになるときもある)
でもこの先、おそらく何度もお会いすることになるイフリート殿下に対し、いつまでも”殿下”呼びも申し訳ないような気もする。
それに、呼ぶにしても”お父さん”では、あまりにもカジュアルすぎる。”お父さん”以外の呼び方を必死で考えた。
”パパ”じゃもっと軽いし、”お父様”もあれか……ハ〇レンみたいだし。”父”じゃあ他人行儀に聞こえるし……。
「ご提案ですが、”父上”とお呼びするのは、いかがでしょうか?」
イフリート殿下はハッとしたように私を見つめ瞳を輝かせた。
「ほぅ、”父上”か。お前らしいな……試しに呼んでみろ」
「はい。……父上!」
イフリート殿下をドキドキしながら真っ直に見つめ呼んでみた。
「ルーシー」
「はい、父上!」
「ルーシー」
「父上!」
「ルーシー」
「はい、父上!」
「ルーシー」
「はい、父上!」
そのやり取りを何度も繰り返したのち、イフリート殿下は目を閉じ満足げに微笑んでいた。私の方も呼んでいるうちに、なんだか生き別れた父に再会したような気持になってしまい、殿下が本当の父のようにさえ思えてきた。言葉って怖い。
「ルーシー、困った事があればいつでも我を頼るがよい」
「はい、父上!」
そして、涙を拭き立ち上がったオスカー兄さんに燃えるような視線を向けた。
「ルーシーの兄、望みは決まったか?」
オスカー兄さんは、真面目な表情でイフリート殿下に敬礼をし、泣きはらしたグレーの瞳で一瞬私を見つめた。
「はっ!」
「申してみろ」
「恐れながら申し上げます。……妹ルーシーを”勇者の剣”から解放し、普通の女性として幸せに生きて欲しい。それが私の望みです」
+++
『おい!』
今まで静かだった”勇者の剣”が兄に突っ込みをいれた。もちろん聞こえているのは私だけで、その場にいた殿下たちはオスカー兄さんの望みに目を見開き驚いていた。
『なに言っているか分ってんのか!? そこは”ジェダイドの女王を倒して欲しい”とかだろう。イフリートクラスの悪魔が味方になったんだ、僕と彼で戦争なんて一瞬で終わらせてやるぞ!』
+++
”勇者の剣”の声が響く中、兄の言葉にイフリート殿下立ち上がった。
「お前、名はなんと?」
「オスカーでございます」
「オスカー。良い名だ。その望み、しかと引き受けた。だが、優秀な”勇者”がいなければ永遠にあの女王を封じられぬ。女王を倒し全ての戦いが済んだ後ではどうだ?」
「お、恐れながら殿下。わ、私は、妹ルーシーを戦場で戦わせたくないのです!」
苦しそうに言い私を見つめた。
金色の輝きを帯びたグレーの瞳に、兄の本気を読み取った。
「だから、そのために戦争が起きないようノールと協定を結び、南の帝国を牽制し、私のルーシーが戦わなくて済むよう奔走しておるのだ」
国王べリアスが振り返り、オスカー兄さんへ優しく言葉をかけた。
「ありがとうございます、陛下。ですが、”勇者の剣”の力はとても強大です。いつか必ず、それで誰かを傷付け殺してしまうのかもしれない……。私は、妹にそんな事はさせたくない」
「国を守るためでもか?」
「はい」
べリアスの言葉に、オスカー兄さんは即答した。
+++
『まさかお前! イフリートの獄炎で僕を消滅させる気か!?』
いつになく必死な”勇者の剣”の声。
”勇者の剣”だって、”封印”されてるから消滅したらその”封印”が解けるのかもしれないよ。
『そんな事あるか!? 僕の封印を解く方法なんてとっくに無くなってる、出来ないんだ、もう無理なんだ』
”方法”があったんだ!
『ああ、あったよ。でも、もう出来ない』
どうして?
『ずーっと昔に、僕の亡骸を守っていた教会が、跡形もなく無くなってしまったから』
+++
私が”勇者の剣”と話している間、イフリート殿下はしばらく考え込んでいたが、渋い表情で口を開いた。
「べリアス、”聖なる光”は我の管轄外。天使族に頼み”勇者の剣”について詳しく調べてはくれぬか?」
「いいけど……、で、ルーシーは今まで通り”私の城”で面倒をみるという事で良いのだな♪」
「ああ。だが、べリアス。ルーシーに良からぬことをしようものなら、ルーシーが封印する前に、我がお前を塵となるまで焼き尽くす。わかっ「よかった~~ルーシー♪」
バチバチッ!
イフリート殿下の話の途中で嬉々としながら陛下は私に抱きつこうとして、”勇者の剣”に激しく弾かれた。
「ぐわっ!」
「クッハハハハハ! べリアス、ルーシーに見限られんようせいぜい精進せよ」
+++++
その後、私たちは移動用魔法陣でこの城での宿泊先”迎賓館”へ戻り、長かった1日はようやく終わった。
明日は、軍事協定の調印式出席のためノール帝国へ日帰り公務。
国王べリアスと共にアレクサンドライト王国の勇者としての務めを立派に果たさなければならい。
ふかふかのベッドに入り目を閉じる。
ソファーで眠るオスカー兄さんは、余程疲れたのか横になった途端寝息が聞こえた。イフリート殿下の話の後、少し私に対しよそよそしい態度になったので、部屋に戻ってから少し怒った。
「血は繋がってなくても、私は兄さんの妹だから。”高貴な生まれ”とか変な事言わないで!」
オスカー兄さんは怒る私の頭を撫で、疲れ切った表情で「ごめん」と一言だけ言った。
その表情になんと言い返せばよかったのだろう。
私が騎士を志し騎士見習になってから2カ月。私はオスカー兄さんを何度も泣かせてしまった。
私が兄たちに憧れ”騎士”になりたいなんて考え、王都に出てきてしまったばかりに……。
今夜は、眠れるのだろうか……
お付き合い頂きありがとうございますm(__)m
※2021/11/2訂正しました。
2023/2/12少し訂正しました。




