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3話 3重城壁の城塞都市! 王都カルカソ!

【王都カルカソ、アンフェール城・主人公ルーシー(ルーカス)視点】

 ※王暦1082年3月29日。

 

 森を抜けた平原の先に、クリーム色の高い重厚な城壁に囲まれた『王都カルカソ』が見えてきた。

 私が住んでいた山での暮らしを考えると、王都はまだ”転生前の中世”ぐらいの文化水準だろうと考えていたが。


 めっちゃ都市!


 石造りの高層建築に、綺麗な石畳の道。大きな通りには店が立ち並び、食べ物屋さんのいい匂いもあちこちからしてくる。花が咲き乱れる樹木の木陰では、様々な種族の人々が食事をしたり、談笑したり思い思いに過ごしていた。


 お腹が空いたので、道すがらアニソンを歌って稼いだ小金でサンドイッチを買うと、店の主人が私の指輪を見て「お嬢ちゃん、魔導士見習いかい?」と聞いてきた。理由を尋ねると、「よく魔導士見習の子がつけているのを見かけるから」と言っていた。


 男装していたのに、この店主に“お嬢ちゃん”とあっさり見抜かれ苦笑していると、


 「おや? もしかして男の子だったかい!?」


 続けざまに言われ、まだバレていないことにホッとした。


 +++


 賑やかな街を抜けると、2重の城壁に囲まれた”アンフェール城”の正門に着いた。

 このアンフェール城で、アレキサンドライト王国アンフェール城騎士団見習試験が行われる。


 正門横には騎士見習試験の受付場所があり、書類に名前、出身地、親の名前を書き提出。受付の騎士さんは何の疑いも無く書類にサインし、試験での注意事項を書いた紙と、それぞれの番号の布が縫い付けてある、見習騎士の服を受け取った。


 45番か。


 私は“男性”として試験に挑むことを、以前から心に決めていた。


 養父母や3人の兄たちからは、「女の子なのにすごい」と、弓や剣術の腕を褒められていたが、所詮、身内目線。いまいち、よくわからない。


 正直な話、試験を受ける同年代の男の子たちの中で、自分の実力や能力がどれくらいなのか確かめたくてウズウズしていた。


 それに、うまいこと騎士になれたら、タダで寮に住めて、ご飯食べ放題。しかも、お給料も出る(3人の兄さんから聞いた)。


 至れり尽くせりのハッピーライフが待っている。


 +++


「さてと……」


 無事、受付を終えたことだし、次は宿か……


 町の宿に泊まるのはお金が掛かるので、アンフェール城の北門に回り、一般騎士寮に住んでいる兄を呼び出してもらった。


 3番目の兄“ウィリアム”だ。


 ウィリアムは、私の3つ上の現在18歳。

 深い緑色の髪にグレーの瞳。丸顔でパッチリとした目をしていて、女の子のような見た目に、よく姉妹と間違われた。しかも、お姉ちゃんの方が美人さんになりそう、とよく言われ、女としてのプライドがズタズタのぼろ雑巾に……ま、それは置いておいて。家族の中で一番一緒にいる時間が長いせいか、何でも話せる私の心強い味方だ。


 体術が得意で、剣をバク転しながら“かっこよく”かわす練習や、飛んでくる矢を剣で弾く危ない練習をよく一緒にしていた。



「ウィル兄さんに会うの久しぶりだな~♪」


 嬉しくて鼻歌を歌っていると……空気の流れが一瞬変わった。


 スッ……

 左背後に気配を感じ飛び退き、手刀でガードすると、足元を崩そうと低い蹴りが飛んできた。それを背面飛びでかわし、向き合うとフフッとウィルが笑った。そして、そのままお互いガシッと飛びついた。


「久しぶり! ウィル!」

「ルー元気そうだな……にしても、お前、酷いなりだな」

「まあね」

「見張ってやるから、風呂入れ」

 ご覧いただきありがとうございます。

 城塞都市行ってみたいですね。

※2025/2/10 気になる箇所訂正しました。


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