2【夢ループ前・前世※コミックショップ店員エリアス(大学生)視点】
【夢ループ前・前世※コミックショップ店員エリアス(大学生)視点】
1回目
(前世ルーシー、パリフリータイム初日。)
バイト先のコミックショップへ向かう途中……。
ベルシー公園近くのホテル前で、空を見つめ微笑む巴 (転生前のルーシー)に出会う。
彼女のリュックに、青い猫のマスコットを見つけ、この子は漫画やアニメが好きな日本人かな? こんな曇り空を見て笑うなんて……それにしても、かわいい子だな……と、見惚れる。
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二日目。
閉店間際のバイト先 (コミックショップ)に、巴 (転生前のルーシー)が来る。
膝にカラフルな柄のハンカチを巻き、手も絆創膏だらけだった。
どうしたのだろうか?
だが彼女は、店の棚に並んだ漫画に目を輝かせ、手に取り興味深そうにページをめくっていた。
いろいろ悩んだ末に彼女が持ってきたのは、俺の好きなコミック”ハガセン”の最終巻だった。
ドキドキしながら、日本に行きたくて勉強した”日本語”で話しかけた。
「こんばんは」
「え、あ、こんばんは」
彼女は、驚いた顔をした後、微笑んだ。
可愛い。
手の傷のことを尋ねると「大丈夫」と言っていたが、頬には涙の跡が残っていた。
もしかしたら、このまま一人でホテルまで歩いて帰るかもしれない……途中、暗い庭園もある……想像しただけで心配になった。
店に置いてあった付録をめいいっぱいつけ、レシートの裏に自分のスマホの番号を書いた。
「なにかございましたら、こちらにご連絡してください」
「はい! めっちゃ丁寧!」
輝くような笑顔に、思考が止まる。
ん……。
めっちゃていねい?
”めっちゃ”ってなんだ?
店を出た彼女を追いかけて、さっきの言葉の意味を聞こうとしたが、バイトは俺一人。店を空けるわけにはいかない。
閉店後。
スーパーへ行くと、彼女と遭遇。
奇跡!
嬉しくて声をかけようとしたが、服がダサくて諦めた。
そして、暗い庭園に入っていく彼女を追いかけた。
途中、夜間営業していたメリーゴーラウンドを眺め、彼女が泣いていた。
何度も声をかけようか、どうしようか迷った。
彼女が無事ホテルに入って行くのを見届けた帰り、ホテルの前で青い猫のマスコット”ラッキーくん”を拾う。
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家に帰り食事をしながら、彼女が帰国する際に利用するであろう飛行機の時間を調べ、おおまかなホテル出発時刻を割り出し、彼女に手紙を書いた。
「飛行機の中で読んでほしい」
と、付け加え、渡すつもりだ。
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三日目。
朝から雪が降っていた。
雪で飛行機が飛ばない可能性があるかもしれないと、空港付近の天気を調べたが、空港近辺は快晴。雪が降っているのは、パリだけだった。
家にある一番いい感じの服に着替え、ホテルのロビーで彼女を待った。
それからすぐに、大きなスーツケースを引き、ロビーにやってきた彼女を見つけた。
手紙とラッキー君を持つ手が震えた。
彼女に声をかけるタイミングが見つからないまま、バスが到着した。
俺の前を通り過ぎて行った彼女を追いかけ、勇気を振り絞って声をかけようとしたその直後……。
雪でスリップした車が歩道に乗り上げ、ツアー客の列に突っ込んだ。
事故に巻き込まれた彼女は、ホテルの入り口から数メートル先に倒れていた。
無我夢中で彼女の元へ走った。
彼女には、大きな外傷は見られなかったが、息をしていなかった。
声をかけ、心臓マッサージを施し人工呼吸をした。
俺にとってはこれが、はじめてのキスだった。
どこからか「逃げろー!」と叫ぶ声に振り向くと。黒いトラックが目の前に迫り、とっさに彼女に覆いかぶさり視界は真っ暗になった。
+++++ パリ・エリアス編終 +++++
お次は、添乗員の山内さん & パリ市警ルーク&ラッセル 編です。




