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社畜ですが、種族進化して最強へと至ります  作者: 力水
第6章 真相周知と地区攻略
115/202

第4話 おかしな戦場

本日は時間があったのでもう一話行きます。



 12月23日(水曜日)午前4時――仲野区


 タイムリミットまで、5日と11時間。


 数百の首のない甲冑を身に着けた軍馬とそれに跨った黒のフルアーマーの騎士たちが夜空に整列する。


「構えぇ!」


 巨大な黒色のユニコーンの背に乗った指揮官らしき甲冑を着た子供の号令に会わせて騎士たちはズラッと槍を構えて、


「打てぇ!!」


 投擲する。

 放たれた数百の黒色の槍は幾多もの閃光となって夜空を疾駆し、地上にいる四人の男女に向けて雨あられのごとく襲い掛かる。

 しかし、それらは空中に出現した紅の糸により、全て絡めとられてしまう。


「んなっ!? ならもう一度だ 槍よ、戻れ!」


 指揮官の子供が裏返った声で叫ぶが槍は、うんともすんとも言わない。

 己の槍からの返答がないことに焦燥を含んだ騒めきが騎士たちの間に巻き起こり、広がっていく。

 そんな中、狐面の男が右手を高く掲げてパチンと鳴らす。

 突如、バタバタと地面に向けて落下していく首のない馬と騎士たち。


「さあ、殲滅の時間だ」


 狐面の男の言葉を最後に、大剣を持った獅子面の男と槍をもった狒々面の男が走り出し、虎面をした少女も駆けだそうとするが、


「ライガー、お前はこの周辺の避難民の確保だ。ここから南西にあるコンビニに10人ほど避難民がいる。直ぐに向かってくれ」

「うん、わかったぁ。でも、敵はいたら殺すよ?」


 物騒な宣言をする虎仮面の娘――ライガーに、狐面の男は右手で頭をガリガリと掻くと、


「わかった。構わんが、悪魔でも子供は殺すな。もし、手に負えないようなら、即座に逃げろ!」


 肩を落としながらも頷く。


「うん! 了解ぃ!」


 弾むように返答すると地面を高速で走り去っていくライガーから視線を外し、今も呻き声を上げている指揮官らしき幼女へ近づく。


「また餓鬼かよ。この地区に入ってから随分多いのな」


 舌打ちをすると青髪幼女の騎士の身体を紅の糸で雁字搦めに拘束する。


「殺せっ! 人間風情に情けをかけられるなど、死んだほうがましだ!」

「別に情けなんて微塵もかけちゃいねぇよ。個人的に俺は餓鬼に危害を加えないのを信条としているだけだ。たとえ、それが、お前のような悪魔(害虫)だとしてもな。お前を縛る赤色の糸は、お前のステータスを人間レベルに低下させる。死にたければ自決するか。直にくる自衛隊にでも頼むんだな」


 青髪の幼女は暫しパクパクと口を動かしていたが、顔一面を恥辱に染めて、


「貴様ぁぁッ!! この我はリリス様の第一の家臣、上位悪魔ミトラだ! それを言うに事欠いて童だと――」


 幼女とは思えぬ大声を上げるが、


「怒るポイントが不明な奴だな」


 突如、青髪の幼女騎士の口に紅の糸が巻き付き、その言葉を封じる。


「北東に要救助者か。たっく、ここの地域はマジでどうなってんだ? 手間がかかりすぎだぜ!」


 愚痴を口にしながらも、狐面の男の姿は消失した。



お読みいただきありがとうございます。



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社畜ですが、種族進化して最強へと至りますの表紙
・ダッシュエックス文庫様から11月25日に発売予定。 小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
[一言] GW中、一気に読ませていただきました。 更新を楽しみにしております。
[良い点] タイムリミットがあるから、敵側の遅延効果を狙った作戦とかかな?
[一言] こういう小説を読んでいて思うことは、どこまで現実が壊れたら人は元の日常が戻ってこないと気付くのだろうということですね。 そのあたりの判断基準の違いが難しいというのか、当たり前だけど、作者は…
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