「あかい いと の ものがたり ~はじまり、はじまり~」
むかしむかし、あるところに、ジナというおてんばな女の子がいました。
ジナはちいさいころから、おとぎばなしがだあいすき。
そのなかでもお気に入りなのが、赤い糸のおはなしです。
そのおはなしのなかでは、女の子が自分のゆびにあらわれた赤い糸をたどって、旅をします。
とちゅう、やっかいな出来事が次々(つぎつぎ)とふりかかりますが、女の子はみごとにクリアいくのです。
ついに、女の子は赤い糸のおわりになるところにたどりつきました。
赤い糸はなんと、すてきな王子さまのゆびにむすばれていたのです。
女の子と王子さまはすぐにたがいのことが好きになり、けっこんすることになりました。
いつまでもいつまでも、女の子と王子さまはしあわせに暮らしたのです。
このおはなしをよんで、ジナは赤い糸にあこがれました。
いつか自分も赤い糸をたどって、おとぎばなしに出てくるような王子さまに出会うことを、夢見たものです。
そんなジナに、まわりの大人たちは冷めているよう。
それでも、ジナはへっちゃらです。
そんなとき、ジナのゆびに赤い糸がとつぜんあらわれ、ジナはおおよろこび。
ついには、めしつかいのリブラと旅に出てしまいました。
さて、ジナは同じ赤い糸でむすばれている男の子に会えるのでしょうか?
男の子はすてきな王子さまなのでしょうか?
ところが、現実はおとぎばなしみたいにうまくいかないようです。
ジナの大冒険のおはなしのまえに、まずは四人の登場人物について、それぞれの物語があるのです。
それからおはなしすることにしましょう。
さあ、物語のはじまりはじまり……。