1/20
名前のないラブレター ──返事──
俺は手紙なんか書いたことがないから、手短に書く。
あなたは俺にこう訊いた。
「赤い糸」のことをどう思っているのか、と。
赤い糸が現れたときは、俺も信じられなかったし、動揺した。
けど、嫌じゃなかった。
こんな俺でも、世界のどこかに居る誰かと繋がっている。
俺は独りじゃない────
そう思った。
あなたはどんな女性なのだろう。
会いたい。だが、会うのが恐い気持ちもある。
だから、俺はあなたの言葉を信じて、ひたすら「その時」を待つことにする。
追記
ひとつだけ忠告しておく。
俺はとんでもない人間だ。
幻滅だけはしないでくれ。頼む。