代償
右腕のヌンチャクが、俺の顔面・右手・左手・腹・両足、、、
様々なところを目がけて、駆け抜ける。 さすがに、キツい。
そう思った俺は、すかさず代償を払うことに決めた。
―― 一瞬の迷いは、敗北に繋がる。 その思いを胸に。
バキッ―――!!!!!
俺の左腕が砕ける音が聞こえた。
しかし、痛みに顔を歪めている暇はない。
俺は、その折れた腕で、ヌンチャクをしっかり掴み、
そして、右腕に向かって、思いっ切り体当たりをかました。
すると、右腕の後ろに立っていたボスも巻き込んで、倒れる形に。
――そりゃあそうだ。 それを狙って、タックルしたのだから。
なぜなら、ボスからの攻撃を受けないためには、先制攻撃しかない。
だから、俺は右腕のすぐ後ろにいるのなら、
その右腕ごと薙ぎ倒してやる!! っと考えたのだ。
すると、どうだ。 作戦は大成功!!!
右腕も、ボスも、まさかの攻撃に驚きを隠せていない様子。
だから、俺はすぐさま追い打ちをかけてやった。
まず、左手に持っていたヌンチャクを右手に持ち替え、
すぐに右腕が使えないように、可能な限り遠くへ飛ばす。
そして、それから、馬乗り状態で右腕に思い切りグーパンをかます。
一瞬だが、確実に右腕の顔が歪んだ。 だから、すかさず追い打ち。
しかし、残念ながら、俺の左腕は折れて使い物にならない。
だから、断続的ではあるが、右腕で追い打ちをかけることに・・・。
そして、数発殴ったところで右腕の鼻と歯が折れ、右腕は気絶をした。
しかし、喜びも束の間、 ボスが右腕を退けて立ち上がったのだ。
「お前、よくも!!」 そうやって、ボスが叫び散らす。
しかし、考えてくれ。 喧嘩を吹っかけてきたのは、一体どっちだ?
俺じゃない。 逆恨みか、何かは知らないが、俺じゃないのは確かだ。
――だったら悪いが、 俺が手加減をする義理はない。
――そういうわけで、本気で行かせてもらうことにしようか。