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右腕
戦いも、終盤。
残すところ、ボス&右腕ってところだ。
そして、右腕は、俺に向かって一歩。 また一歩。
そうやって、確実に間合いを詰めて、近付いて来る。
そんな、鬱陶しい右腕の得物は、ヌンチャク。
ビュン、 ビュウ、 ビュゥウン、 シュゴォン!!
そんなような、凄まじい風切音が、工場一帯に轟き唸る。
『流石に、ヤバいか?』 俺は、少し覚悟を決めた。
今までは、傷つくと言ってもかすり傷程度で、正直 屁でもなかった。
けれど、こいつは違う。
立っているのが嫌になる程の殺気が、俺だけに集中している。
今までの馬鹿雑魚ウン十人とは、レベルが桁違いだと一発でわかる。
だが、甘く見ていけないのは、ボスの方もそうだった。
なぜなら、右腕の後ろにひっそりと佇みながら、
右腕が俺に近づけば、ボスも俺へと一歩近づく。
右腕との間隔は、常に等間隔。 洗練された戦い方だ。
もしも、俺が右腕を倒せば、
障害物となった右腕によって、一瞬視界が閉ざされることになる。
その瞬間を狙って、ボスは得物のトンファーを最大限の力を以て、
俺へと撃ち放つだろう。 くっそ、 一体、どうすれば・・・。




