戦闘
静かだ。
『本当に、誰か潜んでいるのだろうか?』
そう考えさせられるほど、静まり返っていた。
もしかしたら、誰もいないのでは?
もしかしたら、妹の悪ふざけとかそういった―――――
「よく来た なっ!!!」 ブゥオン!!
俺は、その声が耳に入ってくると同時,瞬間的にしゃがんだ。
相手の手には、メリケンサック。 狙った場所は頭。
もし、襲ってくる時に、相手が声をあげていなかったとしたら、
俺はガチで死んでいたかもしれない。 ふぅ、相手が馬鹿で助かった。
しかし、そんなことを深く考えている暇はない。
なぜなら、先程の静けさとは裏腹、
奇声をあげた馬鹿共が俺に群がってきているのだから。
よって、俺は必死に対処法を・・・
次、どうやって避けて攻撃すればいいのかを考えた。
まずは、右から来るパンチを手刀で捌く。
それから、そいつの顔面に一発お見舞い。
そして、左頭上から振り下ろされたバットを、身体を逸らして避ける。
その時!! 俺は、群がる馬鹿どもの遥か彼方先に、妹を確認した。
それすなわち、俺のやる気の素。 俄然やる気が出てきた。
覚えておくがいい、諸君!!
漢は、護るものがあるとより、一層、 さらに! 強くなる!!
だから、パワーアップをした俺は、馬鹿共に見せつけてやることにした。
この俺様の偉大さを!! この俺が、大切な妹を護らんとする心を!!