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到着
特攻服を着て、玄関を出る。
持っている得物は特になし。
なぜなら、俺は武器を使っての喧嘩は反則だと思っているから。
それで、負けたら元も子もないだろ? だって??
じゃあ、負けなければいいってことだろ。 実に単純だ。
そして、俺はもうひとつ。
一対一じゃない喧嘩はタブーだと思っている。
だって、複数でやれば、それは喧嘩じゃなくてリンチの類だろ?
だけど、相手がそう思っていないことは、残念ながらよくある話。
要するに、俺は複数の武器を持っている相手と喧嘩をしに行くのだ。
だから、決めた覚悟は生半可な代物ではない。
その覚悟を決めた顔を見て、俺とすれ違う人達は恐れ戦く。
しかし、それ位がちょうどいい。
なぜなら、一般人がビビらないのに、不良がビビるものか!!
俺は、その気合いのもと、ズカズカと学校裏の工場へと向かった。