雑談の二
【落し物】
男「困った。非常に困った。」
女「何かあったんですか?」
男「うん、財布を無くしたんだ。」
女「あら、それは大変ですね。」
男「ゆう君も薄情だな。一緒に探してあげます。とか言う所だろう。」
女「それで先輩が喜ぶとは思いませんし、いいかなと。」
男「まぁ喜ばないけどね。すでに無くしたという現象が起きてるから。」
女「普通見つかったら喜ぶと思いますけどね。」
男「中身が倍になってたら考えよう。」
女「お財布に入ってる1万円札が増えてたら・・・とかですか?」
男「いや、100円が。」
女「夢は見ないんですね。」
男「まず必要分しか入ってないからね。今日はもう既に飲み物とパンを買っているんだ。」
女「それで余ったのが100円+αですか。」
男「そうだね。しかし参ったなぁ。」
女「100円位ならいいのでは?」
男「されど100円だよ。と、言うかそういうのは1円が相場だと思うのだが。」
女「ことわざをもじっただけですよ。私だって100円の貴重さはわかります。」
男「まぁ、ゆう君はお嬢様だからね。」
女「お嬢様なんて言わないでください。嘘は良くないですよ。」
男「冗談だ。何も俺がそんなのを本心で言うわけがないだろ?」
女「先輩ですからそういう事は考えてそうですね。」
男「中々刺さる言葉をくれるね、ゆう君は。」
女「事実ですから。ところで、見つかったんですか?」
男「ん?あぁ、先程見つかったよ。」
女「どこにあったんですか?」
男「ここ。」
女「朝から部室に来てたんですか。先輩は流石ですね。」
男「鞄の中だよ阿呆。ゆう君のボケは見事だな。」
女「必死に探しておいてそのオチは流石にないんじゃないかなと思いまして。」
男「まぁ僕も思ったよそれ。」
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