表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
メモリー  作者: 花子
7/17

メモリー7


「私お酒苦手なんです」

お酒の代わりにウーロン茶を注文した奈美、

今夜は酔うわけにはいかない。

昨夜とは訳が違った。

目の前の信也を警戒し、睨みつけた。

「少しぐらいなら大丈夫だろ?」

それでもしつこく言い寄ってくる信也は、諦めの悪い人みたい・・・

溜息が自然に漏れていた。

「可愛げのない奴」

ボソッと聞こえた声に思わず心の中で舌を出した。

この調子でさっさとこの場から逃げ出す予定だった。


「これから裕子と会う約束があるんだけど、

 そんな調子ならシカトしても構わないんだよな?」

イライラした冷たい声、

信也の突然の告白に奈美は言い返す言葉が見つからなかった。

私の知ったことじゃないって怒鳴りたいけど、

心の中が複雑に交差した。

(いったいどうしたらいいの?)

「奈美は友達思いだもんな?」

心を見透かすような言葉に奈美は戸惑った。


 バーテンが信也の注文した水割りを運んできた。

その途端信也は奈美の目の前に水割りをおもむろに置いた。

これって・・・?嫌な予感が胸を過ぎる

目の前に置かれた水割りに奈美はそっと手を伸ばした。


 これを飲んだら帰るんだから奈美はグラスを口に運ぶ。

苦味が口の中に広がり不味い・・・

でもこれを飲んだら帰れる。

その思いだけで必死に飲み干した。

グラスをテーブルに戻した瞬間、目の前の空間が歪んで見えた。

信也の顔も歪んでいる。

その瞬間奈美は椅子の上に倒れこんだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ