メモリー6
誤字・脱字はすいません。
ネオンの明るい店の前、場違いな気がしながらも奈美は一人立ち尽くしていた。
時折、知らない男性に声を掛けられ戸惑ってしまう。
昼間、裕子に散々信也のことを聞かされ嫌気がさしているのに、
今から信也に会わなきゃいけないと思うと、緊張で足が震えてくる。
これじゃ密会・・・
昨日はみんなと一緒だったからまだ良かったが今夜は一対一
溜息が出た。
この場からすぐに帰りたい気持ちが強くなった。
今ならまだ間にあう。
信也が裕子にばらしたとしても、上手い言い訳を裕子には考えれば良い・・・
信也と二人っきりで会ったほうが確実に不味い状況に追い込まれる。
奈美は急いで今来た道を引き返そうとした。
信也サイド
「いったい何処に行くつもりだ」
中々現れない奈美に待ち疲れ、俺は店から出てきた。
案の定店の前で立ち尽くしている奈美
暫く奈美の百面相が面白くて眺めていたが、
なにかを決心したかのように、店の前から帰ろうとする奈美の背中に、
慌てて声を掛けた。
「やっぱり、こんなこと裕子を騙しているみたいで私には無理です」
振り返った瞬間、真剣な顔で言ってくる奈美の様子に笑いが漏れてしまった。
いったいどこまで馬鹿正直なのか?
男と女なんて所詮その場限りで遊ぶ奴らが多いのに・・・
「心配するな裕子にばらされたくないんだよな。
あいつプライド高いから奈美も大変だな」
笑いを必死に抑えるのが大変だった。
思った通り、素直な奴
俺の渇いた心を癒すにはちょうど良いと思った。
結局俺も素直じゃないな・・・
渇いた笑いが漏れそうになる。
今更素直になれる方法なんて知らない。
教えてもらいたかった。
いったいどうしたら奈美みたいに自分を犠牲にできるのか?
試したかったのかもしれない。
この時は・・・
いつも更新遅めですいません。
それでもお気に入りにいれてくれている人
ありがとうございます。
感謝します。