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3/3

【神ノ3】愛を叫ぶなら世界の中心ではなく路地裏で


〜〜ԅ(ФωФԅ)ԅ(ФωФԅ)ԅ(ФωФԅ)ԅ(ФωФԅ)〜〜

【前回のおさらい】

なんか、横浜に住んでるミハルさんが、神の一種に呪われたと思ったら、死神にも目をつけられていて、金沢区の死神の執行予算の1/4をつぎ込んだ、ビッグイベントに巻き込まれて、今日死ぬことになっているようです


〜〜ԅ(ФωФԅ)ԅ(ФωФԅ)ԅ(ФωФԅ)ԅ(ФωФԅ)〜〜



「はああぁぁぁっ!?

 なんでわたし一人昇天させるのに、そんな予算をかける

 のよ!?」


ミハルが訝しげな顔でひょんに問いかける


死神に命を狙われているミハルは、神の一種とか言う割に見た感じ猫にしかみえない ひょん と、人目に触れないようにこっそりと路地裏でテレパシーで会話をしている


(ミハルはテレパシーが使えないので、声を出して話しているのだが)


誰もいない人目につかない路地裏なので、死神も今を狙ってミハルを亡き者にしてしまえば完全犯罪にできそうなもんだが、大体において、こういう時は対応を待ってくれるもんである


『そうだにゃ、、、確かに、お前のような超小市民に鉄骨、車、ダンプカー、流れ弾、河で溺れる、土砂崩れ、爆発事故、鉄球、転落といった、イベント予算つぎ込むなんて、あまりにもったいない話だ

 チュッパチャップス50万本くらい買える予算なんだからな』


「人を殺そうとしている企画をチュッパチャップスの本数で計算するな!

 なんかそれにたとえられると、妙に安そうに感じるな。えーっと、30円が50万本だと、、、」


『バカめ。チュッパチャップスは今や50円に値上がりしているんだにゃ!

 そんじょそこらの子供達も、お小遣いで気軽にチュッパチャップス買える時代じゃないんだよ!

 "えー、チュッパチャップス2個で今日のお菓子代なくなっちゃうなんてありえなーい!買うんだったら、やっぱりうまい棒と5円チョコと10円ガムだよねー"

 とか、世知辛い駄菓子屋トークが聞こえてきそうな時代なんだにゃ』


駄菓子屋は店主の高齢化問題から、一時期衰退の兆しがあったが、最近は企業の力で町のお菓子屋さんが復活したりして、大人はなつかし、子供は嬉し、である


駄菓子屋トークが今の若い世代にも引き継がれている嬉しさも感じつつ、値札を見ると、えー!信じられない!?と、昨今の物価高を憂う今日この頃だ


そんなことはどうでもいいと思いつつ、チュッパチャプスの値上がりに世の世知辛さを同感したミハルも難しい顔をしながら返す


「そうだよね、、、マジで世知辛い世の中になったもんだよ、、、

 って、あーっ!またどうでもいい話に時間をかけてしまったあああぁぁぁああっ!?

 違うでしょ、何か違うでしょ、そうじゃないでしょ!

 そもそもなんの話をしていたんだっけ?

 本論に戻ろう!」


なんかしみじみと切ない話になったかと思いつつ、そういえば本題は全然違っただろ、とういことに気づいたミハルは思わず大声で問い直す


そんなはっとして、急に大声になったミハルにひょんは淡々と答える


『お前は本当に脱線好きだにゃ

 なんでお前にチュッパチャップス50万本くらい買える予算を使うのかって話だったにゃ

 それはな、お前がなかなかの幸運だからだにゃ』


話が脱線するのは、ひょんが原因をつくって、ミハルがホイホイと乗ってくるからなのではないかと思う


この二人の組み合わせは話を進めたい側からすると最悪の組み合わせに感じる


「えぇ!?わたしが幸運もちなの?本当!?

 これまで感じたこともないし、幸運な実績もないわよ

 お祭りのくじ引きも全然当たったことないし、学校の席くじも好きな人の隣になれたことなんてないし、半分くらいが想定した最悪なケースだった気がする・・・」


学校の席くじは平等に見えて、実は不公平である

世の中にはあまり見えていないが、“くじ運”というのは確かに存在する


本当の平等を目指すのであれば、少しずつ前後にずれていく等、真の平等を実現できるアルゴリズムを作るべきであろう


そんなことを少し考えながらミハルは続ける


「そうか!!じゃあこれからめっちゃ運気があがってくるってこと?

 なんだー、そんなことがわかっているんなら、これから株買ったり、宝くじ買ったり、合コン行ったりするよ!

 いやー、それがわかっただけでも今日はいい日だったわ。うん、なんかここまで人生の中でも最悪の1、2を争う日だと思ったけど、こころが晴々してきた!」


急に勝手な妄想で気分が良くなってデレデレし始めたミハルに、これまた淡々とひょんが返す


『いや、幸運にはいくつか種類があるが、お前のは

 "日常最低限の幸運がめっちゃ強い"っていう特性だ

 感じる幸せはないかも知らんが、"滅多なことでは死なない"ってとこだな

 それ以外では、意外と小さな不幸も持ってるな

 "足の小指をよくぶつける"とか、"なかなか好みの男に出会えない"とか、"自販機のお札がなかなか通らない"とか、まあそんなところだな』


ん?なにそれ?それってみんなが羨むような幸運でもなくね?むしろ足し合わせるとトータルで若干不幸な気がする


長生きできるのはいいことなんだが、例えばずーっと痛い目にあうけど長生きするって言われたら、それって結局不幸なんじゃない?


という具合だ。ちょっと納得がいかないミハルはそこんとこを問い正す


「はぁ?なに?人間ってそんなとこまでスキルで決まってんの?

 でも確かに、そういった不幸がよくある気がする、、、

 "なかなか好みの男に出会えない"のは、小さい不幸でもない気がするけどね」


『そこは"なかなか"っていうところにミソがあるんだにゃ

 "なかなか出会えない"のであって、"出会えないわけじゃない"から、そこは努力でカバーできるだろ、って話だにゃ

 まあ、そこらへんは基礎スキルだから、鍛錬と気持ちの持ちようで少しずつ変えていけるもんだがな

 しかし、お前の幸運は他では見ないくらい地味に強いもんだ

 だけに、滅多なことでは死なないから、お前を殺そうと思うと、つまりはチュッパチャップス50万本くらい買える予算が必要になるということだ

 長くなってしまったが、わかったかにゃ?』


なるほど!そういう意味でそれだけの予算が必要だったのか!?ということがようやくわかった


少し説明は長かったが、これにはミハルも納得である


思い描いていたような素敵な幸運というやつはなかったが、そういうことか!とこころのもやもやがひとつスッキリしたようで晴々しかった


「うんっ!わかった!めっちゃありがとうっ!すっきりしたわー!

 あんたもなかなかいい奴ね。見直したわ!

 じゃあ、わたしはそろそろ帰らないとだから、またね!」


うーむ、、、思いっきり脱線して、本題も思いっきり忘れていやがる


こういった展開は日常の中で、"話しているうちに目的消失事件"と呼ばれている


主に発想が豊かな人や、鼻くそほじって会議聞いていないサボリーな人や、脊髄反射で物事に食いつくせっかちさんとかが、〇〇について議論しよう、とはじめると、よくおちいる罠である


こういった時に、目的を再確認したりしてくれる人がいればいいんだが、、、


『ああ、わかってくれたらよかったにゃ

 お礼に今日の晩御飯はカツオとチュールにしてくれにゃ』


「そうだね!あんたもがんばってくれたから、奮発しちゃおうか!

 あ、もうこんな時間!今ならまだ間にに会うわ!わたしもご飯食べてドラマに備えなくちゃ!

 さあ、早く帰るよ!」

 

残念なことに、この場には本題に戻してくれるツッコミ役というものが不在なのであった 


話が発展しまくった結果、まったく期待しない結論が出たことに満足し、見事に本来の目的が消失してしまったのである・・・



「・・・って、違うだろっ!全然違うだろ!!

 全然何も解決してないし、何も進んでないじゃんか!

 こんなことはどうでもいいんだよ!本題を続けろ!なんだこれ?全然進まねーじゃねーか、この話!

 小説の一話目から三話目まで、大半が本編と関係ない話を続けてる話ってなんなんだよ!誰も読まないだろ!こんなの!」


それはミハルのせいでもあるだろ!人のせいばかりにするなよ!と言いたいが、よくぞ戻ってきてくれた


危うくこの話に始まりもオチもなく終わるところであった


しかし、そんな一方的に責められると、ひょんとしてもイラっとするわけで、流石に声を荒げて返す


『お前っ!小説とかいうな!

 新鮮な展開でいいじゃないか!

 なんならひょんはこのまま十話くらいずっと路地裏でどうでもいい話をするっていう偉業を成し遂げて、新しい小説のジャンルをつくってやってもいいと思ってるにゃ』


そうだね、この二人の会話なら、その偉業は楽に達成できるかもね


って、なんだろうね。ちょっと期待したくなるな、その新しい小説のジャンル・・・ってだめだー!ナレーションまで危うく脱線に巻き込まれるところだった


そんな脱線誘導にミハルは安定的に返す


「どうでもいいわっ!なんだ、新しい小説のジャンルって?」


だから聞くなよ。なんで無視して本題に戻れないかな。

そう聞かれたら、ひょんもしたり顔になるでしょうよ


案の定、ひょんが思いっきりしたり顔のどやどやで答える


『"路地裏こそこそ系"なんてどう?

 くるよー、きっと異世界転生、悪役令嬢とかの次の新しいウェーブが!!』


 まじか。それちょっと響き的にいいな


 若干いやらしいような雰囲気を感じもするが、持っていきようによっては可愛らしい系もいける気がする


 キャンプとか山とか、一昔前は “虫” 要因で嫌厭されていたジャンルが一大ブームになるんだから、路地裏の世間話もあるかもしんない


 個人的には悪役令嬢はツボだから、長続きして欲しいんだけどな。なんでこう、ツンデレって人の心を惹きつけるんだろう


 この小説にもどっかでツンデレキャラに出てきてほしいね。むしろ悪役令嬢でもいいよ。そうしたら"路地裏こそこそ系"と“悪役令嬢系”が一緒になって、路地裏でティータイムなんてめっちゃ新しいと思う


・・・って、やべ、ちょっと脱線しちゃった

(ちょっとではない)


この脱線話にはミハルさんもノリっこみしそうな雰囲気を裏切らず、期待通りの感じで返す


「絶対にウケない!絶対にいらない!

 なんじゃそのジメジメして雑草とかカビとか生えてそうなジャンル名は!

 でも個人的にはすごく気になる・・・アニメ化とかしてほしいかもしんない・・・


 ・・・ってちがーうっ!

 新しい話を展開するな!本論だけを話せっ!

 死神のビッグイベントをどうやって逃げ切るかの話じゃないんかいっ!!!!」


おいっ!"絶対にウケない!絶対にいらない!"はいいすぎだろ!全国の路地裏を敵に回すことになるぞ!


それに"ジメジメして雑草とかカビとか生えてそう" はミハルの個人的な路地裏見解だろ!綺麗に舗装されて風通しのいい路地裏だってあるわ!


最近は路地裏の写真でインスタ映えが流行ってるくらいだから、かなりいける線ついてるだろ!


大体、お前もそんな路地裏でカビが生えそうな会話してんだからな!


・・・っと、申し訳ない、ナレーションの役割を忘れてヒートアップしてしまった・・・


『お前、根っからのノリツッコミ気質だにゃ

 まあいい。確かにお前が無駄に時間ばかり使うから、イベント開始ももうまもなくに迫ってしまったからな

 急いで説明するぞ。死にたくなかったら、全力でついてこいにゃ!』


ひょんはいい加減全然進まないこの空気を絶妙なタイミングで読んで本論に引き戻す


「てめぇぇえええええっ!!!

 そんな切羽詰まってんのに、アホな会話を展開してやがったのか!

 助けたいのか、グルなのかわからんが、どっちにしてもちゃんとやりやがれええぇぇえええっ!!」


ミハルは絶叫する

世界の片隅の路地裏で恨み言を叫んだのである


これには長澤ま◯みも綾瀬は◯かもびっくりかもしれない


ちなみにナレーターはセカチューなら映画版よりもTVドラマ版のファンであることをここで補足しておこう



>>>>To be continued



→次回予告

 

 本編が全く進まないという衝撃の結末になった第三話


 そんで、もう真面目にナレーションつけるのも疲れたので、だんだん適当なナレーションになってきております


 小説のナレーションは、基本的には主人公の独白を交えた主観視点か、第三者視点(神視点)のどちらかが選ばれますが、この小説は今流行りの2.5視点でいこうと思います


 さて、そんなこんなで、次回の第四話からようやく死の執行イベントが始まるようです


 四=死 とか、なんか絶妙な感じになりましたが、これは今回の路地裏の功績が非常に大きいことを忘れてはいけません


 そんなこんなで次回はこれまで溜め込んだ謎が色々とけるかもしれないことが、茶柱が立つくらいの確率で期待されます


 言っておきますけど、茶柱が立つ方の確率ですよ


 ナレーターは未だかつて茶柱が立ったことなどありません。茶柱が立ちやすいと謳ったお茶を買っても茶柱が立たなかったくらいの生粋の茶柱クラッシャーです


 くそー!茶柱が立ちやすいってなんだよ!詐欺か!!詐欺なのか!


 そんなこととは別に、次回も横浜市金沢区は平和なのかもしれません





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