オカルト推理部（仮）

お手紙届く

　A4用紙一枚。俺はそれをグシャリと握りつぶした。

　誰がこんなものを俺に寄越した。

　我が部室。オカルト推理部（仮）の机に紙を置いていったやつがいる。高校の夏休み。外から運動部の声が聞こえてくる。額から汗が滲み出た。

　紙に書かれた内容、それは

　「無能なオカルト推理部（仮）様　笑

　　ますます暑くなってまいりました、今日。

　　このようなお手紙を送らせていただきますご無礼は詫び

　　るつもりはございませんことご了承ください。

　　先日、こんな話を耳に入れました。

　　この学校から南方に『みくみ山』という山がございま　

　　す。その、みくみ山では時折神隠しが起こるようです。

　　知らなかったでしょ！w

情弱で無能だから。

　　ぜひ、調査に行かれてはどうでしょうか。

　　どうせ、部室でダラダラしてるだけのお遊び部なんです

　　から。

　　拝啓　ますますのご活躍(笑）を期待しております

　　うっそー笑」

　なんて幼稚な挑発だ。こんな挑発に乗るアホどこにいる。俺はみくみ山に向かった。