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日本代表が好きだ!



 僕は日本代表が好きだ。


 スポーツ中継とかでも、日本代表の試合とその他の試合とでは、応援する気持ちにもかなりの差がある。


 もし、自分の家の隣に日本代表が引っ越して来た、なんてことになったら、すごく興奮するだろう。日本代表が多少近所迷惑なことをしたとしても許せると思う。仮に、日本代表に殴られても、そんなに腹は立たないような気がする。逆に光栄、と思ってしまうかもしれないぐらいだ。


 とにかく僕は日本代表が好きだ。


 カナダ代表よりも、デンマーク代表よりも、日本代表が好きだ。


 でも、東日本代表とか西日本代表とか言われると、ちょっと困ってしまう。元日本代表とかいうのも、どう扱ったらいいのかわからない。あくまでも純粋な、まじりっ気のない、余計な物が付いていない日本代表が好きなのだ。許可を与えるとすれば、全だけだ。全日本代表ならOKだ。


 本当は日本代表を僕だけのものにしたい。そのぐらい愛している。でも、それだと僕代表になってしまうので我慢している。日本代表は、あくまでも日本の代表なのだから。


 日本代表であるなら、たとえゴキブリであっても応援する。世界中のゴキブリが一堂に会してナンバーワンを決めるために戦う、ということになったら、断然日本代表のゴキブリを応援する。それが野菜であっても、電化製品であっても、同じことである。


 自分の家族と日本代表が川で溺れていたら、僕はたぶん日本代表の方から助けてしまうだろう。家族には申し訳ないが、きっとそうすると思う。


 しかし、日本代表と日本代表が川で溺れていて、しかも、どちらか片方だけしか助けることができないとしたら、僕はどうするだろう?それを考えると夜も眠れなくなってしまう。


 にほん代表とニッポン代表だったら、響き的には、若干にほん代表の方が好きだが、ニッポン代表の方もそれに負けないくらい好きだ。やっぱり片方だけを選ぶなんてことは僕にはできない。日本代表と日本代表が川で溺れていて、どちらか片方だけしか助けられないとしたら、きっと僕も一緒に溺れるだろう。そのぐらい日本代表を愛している。


 できることなら、日本代表をレタスと一緒にパンに挟んで食べてしまいたいくらい日本代表のことが好きだ。ピザの具としても、かなりイケると思う。


 ホットドッグでも、ケチャップとマスタードをつけて食べるよりも、日本代表をつけて食べる方が美味しいんじゃないかと思う。


 オレンジジュースとかを飲んだ時に、つぶつぶが入っているよりも、日本代表が入っている方が嬉しいし、蛇口からコーラが出てくるよりも、蛇口から日本代表が出てくる方が嬉しい。


 いったいなぜ僕はこんなにも日本代表に惹かれるのだろうか?


 理由は色々あると思うが、一番の理由は日本代表がスゴイからだと思う。


 まず、日本代表は足が速い。みんながみんなではないかもしれないが、日本代表はだいたい足が速い気がする。


 それだけではなく、反射神経も良いし、体力もある。少々のことではへこたれない精神的な強さも持っている。


 日本代表は一般人と比べたら、やっぱりスゴイのだ。


 それでも、日本代表は外国人と比べたら、だいたいパワーが劣るので、別の部分でカバーしようとしている。そういう努力を惜しまないところもスゴイと思う。


 そんな日本代表だから憧れるのは当然と言えば当然なのだが、中には日本代表に選ばれるのを嫌がる人もいる。体力的にしんどいからなのか、お金にならないからなのかはわからないが、日本代表を招集すると、たまに辞退する人がいる。


 僕は当事者ではないので、せっかく選ばれたんだから頑張ればいいのに、とか勝手に思ってしまうが、もしも自分が「おまえは明日から日本代表だ」とか言われたら、やっぱり困ってしまうだろう。見たいテレビとかもあるのに緊急招集されたら、もっと困る。


 だから、日本代表に選ばれて、文句も言わずに参加する日本代表はやっぱりエライのだ。


 そうした日本代表の、生まれ持った才能だけではなく人間的にも立派だ、という部分に僕は惹かれているのだと思う。


 もし、泉の妖精に

「あなたの落としたオノは、この金のオノですか?銀のオノですか?それとも日本代表ですか?」

 と聞かれたら、僕は正直に答える自信がない。正直に答えた方が得をする、ということは知識としては知っていても、いざそういう状況になったら、思わず嘘をついて、日本代表をもらおうとしてしまうような気がする。


 街でティッシュを配っている人とすれ違っても、僕は普段あまり受け取らない方だが、街で日本代表を配っている人がいたら、他の人の分まで取ってしまうかもしれない。


 受け取って、一旦その場を離れて、また戻って来て、もう一度もらうような気がする。それを何回も繰り返すような気がする。


 自分が会社の社長だったとして、お歳暮とかに日本代表の詰め合わせセットとかを贈ってくる部下がいたら、あからさまにひいきしてしまうだろう。


 棚からぼた餅が落ちてくるよりも、棚から日本代表が落ちてくる方が嬉しいし、机の引き出しの奥から、ひょっこりお金が出てくるよりも、ひょっこり日本代表が出てくる方が嬉しい。


 しつこい油汚れなんかも、日本代表をつけて洗えば、たちまちキレイになりそうな気がする。


 そのぐらい日本代表は素晴しいと思う。


 僕は日本代表のためなら死んでもいいと思っている。だが、日本代表の活躍を見届けるまでは死ぬわけにはいかない、とも思っている。だから、日本代表のために生きていこうと思っている。


 仮に、僕が死んだら棺桶には日本代表を一緒に入れて欲しい。棺桶の中に日本代表を敷き詰めて欲しい。そうしてくれたら、もう思い残すことは何もない。


 とにかく僕は日本代表のことが好きだ。心から愛している。


 がんばれ!日本代表!




       -終わり-

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