表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

コント「よく喋るタクシー運転手」

作者: Guru

コント「よく喋るタクシー運転手」


ボケ……運転手 ツッコミ……お客


以下、ボケを運、ツッコミを客と略させていただきます。

客「あー、急がないと次の仕事間に合わないな。早く来ないかなタクシー。あ、来た来た! ヘイ! タクシー!」


運「(口でブレーキ音)キキィーーッ! おい! どこ見て歩いてんだよ!」


客「えぇっ!? 普通に道にいただけですけど?」


運「ガンつてくるから、てっきり喧嘩かと」


客「いやいや、タクシー止めてただけですから」


運「なんだ、もしかしてお客さん?」


客「そうですけど……それ以外あります?」


運「あぁ、なんだお客さんか! すみません! お客には優しいんですよ、私。どうぞどうぞ」


客「すげぇ裏の顔がある運転手だな。でも早く行かないと間に合わないからな……次のタクシーなんて待ってられないし、乗るか」


運「あれっ、もしかしてお客さん、急いでるんですか?」


客「やだな、聞こえちゃってましたか。そうなんです、だいぶ急いでるんですよ」


運「分かりました! 飛ばしましょう! 前の車を追えばいいんですね?」


客「全然違いますけど!?」


運「一度やってみたかったんだよなー。運転手の憧れですからね!」


客「あの、聞いてます? 普通に新宿に行って欲しいんですけど?」


運「チッ……なんだよ、新宿か。その距離なら歩けや」


客「えっ!? 今なんか言いました!?」


運「いえいえ、何でもないです。そっちの話ですよ」


客「そっちじゃ僕の方になりますけど? それを言うなら、こっちでしょ!」


運「まぁまぁ。そっちとか、こっちとか、これ以上は水掛け論ですから。この辺でやめときましょう!」


客「なんなんだ……この人……」


運「とにかく、私に任せてください! これでも私、優良ドライバーなんですよ? いっつも大会で一位なんですから」


客「へぇー意外ですね。大会って、運転手同士で競うコンテストみたいなのがあるんですか?」


運「いや、ゲーセンのレーシングゲームなんですけどね」


客「ゲームの話かい!」


運「だいたい私、二周目まで最下位なんですよ。それでね、ラスト一周で一気に逆転するんですよ!」


客「それ絶対有利なアイテムのおかげじゃないですか! ちゃんとドライビングテクニックで勝ってくださいよ!」


運「まぁ見ててくださいよ! 確実に前の車に命中させてやりますからね!」 


客「何の話してます? ゲームの話ですよね? 今は変なことやめてくださいね! ったく……本当に大丈夫かな、この運転手……」


 少しの間、沈黙。


運「お客さん、何か音楽でも聴きます?」


客「あぁ……そうですね。何の曲があるんですか?」


運「色々用意してはいますけど、洋楽は勘弁してくださいよ。私、英語喋れないんで」


客「えっ? 英語喋れるかどうかって関係あります、それ?」


運「ありますよー。英語だと私が歌えないじゃないですか! レパートリーにないですもん!」


客「運転手さんが歌う予定だったの? それなら元々いらないです!」


運「えー、もったいないなぁ。私、あれですよ。昔、のど自慢の予選出たことあるんですよ!?」


客「予選って、落ちてるじゃないですか! そんなの自慢しないでくださいよ」


 客、目を瞑り小声で話す。


客「だめだ……この人の相手すると疲れる……寝よう。もう関わるのやめとこう」


運「そういえばお客さん、何のお仕事されてるんですか?」


客「…………」


運「お客さん? ねえ、お客さん! しっかりしてください!(イスを叩きながら大声で) お客さん!!」


客「うるさいな! 寝ようとしてるんですよ!」


運「あーびっくりした!」


客「びっくりしたのはこっちだよ!」


運「えっ? そっち? こっち?」


客「どっちでもいいよ! 何で寝ようとしてるのに起こすんですか!」


運「あぁ、そうだったんですね。お客さんてっきり、後ろでポックリ逝っちゃったのかと思っちゃいまして」


客「そんなわけないでしょ!」


運「ほら、死体の後始末とかって大変そうじゃないですか。幽霊とかも出そうだし」


客「まず客の容態の心配してくださいよ! あとの話なんかより大事なことあるでしょ!」


運「それに、寝るなら言ってくれればよかったのに。ちゃんとありますよ。寝かしつけ用のレパートリーは!」


客「それがいらないんです! あなたのカラオケはいいですから! もう……イライラする運転手だな……」


運「そうカッカしないでください。お客さん、まだ気づいてないみたいですね。まんまと私のペースに乗せられてることを」


客「えっ? どういう意味です?」


運「私、タクシー内での沈黙が嫌いでね。ついつい話し込んじゃうんですよ。でも、そうやって話してれば、目的地なんてあっという間でしょ?」


客「あぁ……確かに。正直イラつきはしましたけど、退屈ではなかったかも」


運「でしょー? ってことで、はい、着きましたよ。目的地」


客「もう着いたんですか? これはやられましたね! 運転手さんの話術にやられて……あれっ……ここ本当に新宿ですか?」


運「新宿? 前の車がここで降りたんですけど。追ってたんでしょ?」


客「ずっと前の車追ってたんかい! もうやめてーー」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] サンド●ィッチマンで再生されたwww こんなタクシーイヤwww 見てる分には面白いけどwww
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ