始まりの村 プレリュード
小さな頃から、私は不思議な夢を見る。
目が覚める頃には、ほとんど覚えていないけど。
何か大切なものを感じていた。
大切な人達を守る。
その人達が幸せになって欲しい。
そんな小さな祈りが胸の奥にひっそりと残っているんだ…。
………
白くどこまで続いているか分からない階段を必死に登っていく。
この先に…が待っている。
きっと待っているのだから。
振り返る余裕なんてなかった。
振り返ればこの天へと続く階は、途端に崩れこの身体が地面へと叩き付けられ呆気なく消えてしまう。
ふと月が目に入った。
月が全て闇に飲まれ新月へとなっている。
これは間に合わなかったの…?!
そう思った瞬間、地上から黒い霧が私の身体を掴んだ。
そして、身体中に悪寒が走り嫌な想いが頭に響く。
『この人は私のもの、例え巫女であろうとも渡すわけにはいかない!
例え何千、何万回と世界を滅ぼすことになろうとも!!!』
意識が途切れ『私』が消えていく。
(私が消えてもいい、どうかこの声が届く人にこの想いと願いを…とど…い…て…。)
『私』は、霧に握り潰され小さな光だけがこの広い空に残っていた。
初めまして!
不定期ではありますがのんびりと完結まで書けたらいいなぁと思います(´∀`)