2話 絶望の襲来
「ご馳走様」
朝食を1番に食べ終わりさっさと部屋に戻ろうと小走りで部屋を出ようとする。
「ルイダ、待ちなさい。」
父に呼び止められるがそんな事は無視して全力で扉に向かって走る。
「サリー!」
「はっ!」
父に呼ばれたサリーが素早い動きで扉の前に立ち塞がる。
その瞬間ほかのメイドや執事が部屋の窓の前に立ち逃げ道を塞いだ。
「クソ!だから来たくなかったんだ!」
「まぁ、落ち着きなさい。私たちは今日という日を待ち望んでいたのだから。何故なら,,,」
「やめろォ!その先を言うんじゃない!やめろぉぉぉぉ!」
そんな僕の言葉を無視して父は絶望の言葉をその口から発した。
「今日はお前の15歳の誕生日。そう成人する日だ。」
「ギャアァァァァーーーーーー!」
僕はその言葉に絶望し、その場で崩れ落ちた。
この国では15歳から成人として扱われる。
そして成人した貴族の次期当主には正式に当主の座と領地を譲り渡すことが出来る。
僕が成人したということは父からその二つが譲渡される。
父は僕と同じで面倒くさがりなので、今日行われる成人の儀の後にすぐ僕に領地を譲り渡すだろう。
ちなみに僕に拒否権はない。何故なら本来は名誉な事なので断る者がいないからだ。
「さぁ!それじゃあ早速教会に行って成人の儀を行おう!」
僕は急いで立ち上がり、この身に魔力を纏う
「やってみろ!僕は全力で暴れるぞ!いくらメイドや執事が居たって、1時間もあればこの屋敷を半壊させることは余裕ででき「『スリープ』」る,,,ぞ,,,,,,,,,」
父の魔法により僕はそこで意識を失った。