8月20日
とうとう他人事ではなくなった。例えば通っている大学の学生に、当事者が生まれたといった事態が起こったとか。住んでいる県ではもうn波目の流行。クラスターの発生。ソーシャルディスタンス。もう聞き飽きた。
人に会わないことに慣れてしまった。失われるのは半年だと思っていた。下半期はちゃんと例年通りやってくるはずだと思っていた。
家にいよう、と寒い時期に人は訴えた。だんだん暖房は消えていき冷房は喚起のために扇風機に置き換わり、40度に近い日々とマスクで汗をかく日々。終わりの見えない孤独な灼熱地獄。
髪を染めた私を、化粧をした私を、ちゃんと見てくれる人間は存在しなくなった。いくらひきこもりでも、ここまで人々が孤立してしまうとメーターが一回りする。前まで当たり前に会えていた人たちの存在も、対面での授業も、大昔の出来事のようだ。
大学に行っても孤独だった。人との距離を取り、レジの人ともビニール越しに会話をする。マスクをできない人間に人権なんてなくて、それでも体温よりも高い気温と日射で。
もうじきこの暑さが、残暑に変わる。誰も楽しめなかった夏が終わる。