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捨てられたと思ったら異世界に転生していた話  作者: ウィン
第二部 第三章:地球移住計画編
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第八十八話:配信の方向性

 お兄ちゃん達をマンションに送った後、私も一夜ひよなのマンションに戻り、私は今日配信する内容を考えていた。

 やろうと思えば、あのマンションでも配信できないことはないんだけど、なんとなく、配信はこっちでって気がしてやろうとしてるんだけど、邪魔だろうか?

 広いとは言っても、配信部屋は一つしかないから、私が配信をすると一夜ひよなは配信できないし、そういう意味ではあちらのマンションに留まった方がよかったかもしれない。

 でも、一夜ひよなはむしろこっちに来て欲しいと言っているし、なんだかんだこちらの部屋の方が慣れているから、私としてはこっちの方がありがたい。

 どのみち、一夜ひよなは今日配信しないみたいだしね。


「ハク兄、最初は質問返しするとか言ってなかったっけ?」


「まあ、それはそうなんだけど」


 昨日の復帰配信の影響か、私に対する質問はかなりの数が届いていた。

 その多くは私が復帰するに至った経緯についてだったけど、それは一応復帰配信の時に説明しているから改めて詳しく説明しなくてもいいかなと思っている。

 もちろん、みんながみんな復帰配信を見たわけではないと思うし、一応軽く説明する気ではあるけど、その後どうしようかなって話だ。

 まあ、今日一日くらいは質問を捌くだけで終われる気もするけど、明日以降だね。

 ただの雑談でもいいっちゃいいけど、やっぱり、私の得意なジャンルというのを決めておくべきではないかと思うわけだ。

 いつまでもふらふらとさまよっていたら見る人も困るだろうしね。


「なるほどね。ハク兄はどの路線で行きたいと思ってるの?」


「まあ、ゲームかな。昔は得意だったし、今でも魔法を使えば結構うまい自信はあるし」


「そりゃ、あんなことされたら誰だってうまくなるに決まってるよ」


 まあね。数フレームが大事な場面で、動きがゆっくりに見えるって言うのは相当なアドバンテージだ。

 それに手がついていくかと言われたらわからないけど、私はすでにこれに慣れているから、どれくらい早く動かせばいいかって言うのもわかっている。

 以前やった一夜ひよなの配信にお邪魔させてもらった時のように、世界レベルの実力を持つ人を倒すことだって可能だ。

 ずるって言えばずるだけど、それを証明できる人はこの世界にはいないわけだし、使えるものは使うべきだろう。

 トークで場を盛り上げることができるなら多少下手でもいいかもしれないけど、やっぱりうまいプレイの方が見たくなるだろうしね。


「そういうことなら、やっぱりFPSとか?」


「FPSはそんなに得意じゃないから、別の奴かな」


「なら格ゲーとか」


「格ゲーもなぁ……」


「せっかくの動体視力を生かさないでどうするのよ」


 いや、まあ、確かにやろうと思えばできると思うよ?

 FPSなら、例えばスナイパーとかを持てば、ほとんど外さずにヘッドショットができるだろうし、撃ち合いになってもエイムはかなりの精度を出すことができるだろう。

 格ゲーも、相手の攻撃を見切ってガードしたり、コンボを途切れさせずに必ず繰り出すことができたりするかもしれない。

 でも、スマッシュなゲームくらいのカジュアルさならともかく、本格的な格ゲーとかFPSは、何というか、苦手意識がある。

 簡単に言えば、勝ち方がわからないのだ。

 例えば格ゲーなら、私は覚えたコンボを愚直に繰り返すだけになるだろう。

 相手の動きを把握できるから、コンボの入れ始めを見極めることはできるかもしれないが、一つのコンボだけで勝てるほど格ゲーは甘くないと思ってる。

 きっと、熟練者相手になれば、隙をつかれていくらでも負けることができるだろう。

 FPSだって、いわゆる立ち回りを知らない。クリアリングというのだろうか、それにしたってどういう順序で見るのかもわかっていないし、セオリーをよくわかってないからどういう場所に敵が潜んでいるのか、どういう場所は不利なポジションなのか、そういうことがわかっていない。

 これも、熟練者なら立ち回りだけで覆すことが可能だろう。いくら高いエイムを持っていても、それでは宝の持ち腐れである。

 まあ、要は知識が足りないだけだから、勉強すればいいのかもしれないけど、一度苦手って思ってしまうとなかなか手に着かないのは事実だ。

 そういう意味では、私はゲームに向いてないのかもしれない。


「イカのゲームとかは割と得意なのに、ちょっと踏み込むとだめだよね」


「もしかしたら、あちらの世界での経験が生きる時もあるかもしれないけど、やっぱりね」


「でも、それ以外となると、あの魔法の出番なくない?」


「別にわざわざ使う必要もないんじゃないかなって。いくら余裕ができたとは言っても、こっちの世界では回復しないものだし」


「まあ、それはそうだけど」


 驚異的な動体視力によるスーパープレイを見せたいなら、そういうゲームが一番よさそうではあるけど、あんまり本格的なのはできない。

 となると、それこそスマッシュなゲームとかイカのゲームとかその辺がちょうどいい立ち位置になる。

 ちょうど持っているものだし、今までにも何度もやったことがあるのだから、それでいいのかもしれないけどね。

 後は、諦めて掘ったり作ったりする箱庭ゲームとか、まったり集まって無人島を開拓するゲームをやるとかかな。

 ……なんか、ほとんど同じゲーム会社のような? やっぱり、あそこは幅広い世代に人気だね。


「まあ、やりたいゲームがあったら言ってね。用意するから」


「そこらへんは今はお世話になるしかないのでお願いします……」


「そんな気にしなくていいって。私の配信でもやるかもしれないしね」


「お金ができたら返すから」


「別にいいよ? 大変でしょ?」


「一応、目途は立ったから」


 まあ、最初はいろんなところにお金が必要になるから、ちょっと足りるかわからないけど……。


「あ、ハク兄、面白いこと思いついたんだけど」


「なに?」


「RTAとかやってみたら?」


「RTA?」


 話を聞くと、RTAとは、リアルタイムアタックの略で、ゲームをクリアするまでのリアル時間を競うものらしい。

 レギュレーションと言って、色々とルールが決められているらしいが、場合によってはバグ技とか、一フレーム単位での操作精度を要求させる技術もあり、一分一秒を削るために日夜戦っている人がいるらしい。


「へぇ、そんなのもあるんだね」


「ハク兄なら操作精度はかなり詰められると思うし、走って見たら結構いい線行くと思うんだけど?」


「まあ、操作精度だけならそうかもしれないけど」


 画面がゆっくり見えて、どれくらい早く指を動かせばこの動きができるかを把握できるんだから、そりゃ精度はいいだろう。

 ただ、それだけでうまくいくんだろうか? ルート取りとか、色々考えることは多そうだけど。


「最初は普通にやってみて、その後RTAを走ってみるって言うのも面白いと思うんだけど」


「それ面白いの?」


「RTAは基本的に生配信が求められるからね。配信の内容としては十分じゃないかな」


「ふーん」


 まあ、目的もなくだらだらゲームするよりはいいのかな?

 リスナーさんにそれが受けるのかは知らないけど、なんとなく面白そうだし、やってみるのはありかもしれない。

 後で色々調べてみようかな。いろんなゲームで走られているみたいだし。

 そんなことを考えながら、どのゲームをしようかと模索していた。

 感想ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 超短時間でチャレンジできるのはマ○オワールドのYump%かな
[一言] 格ゲーとFPSのところめっちゃ共感出来ます。FPSは本当にどこを見ていいのやら RTAはハクちゃんがやったらいい記録が出そうです、
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