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捨てられたと思ったら異世界に転生していた話  作者: ウィン
第二部 第二十二章:対談企画編
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第六百二十話:RTA配信第五弾

 時間は過ぎ、そろそろ配信する時間になった。

 プレイに没頭しすぎて、一夜ひよなに呼ばれるまで、時間の経過に気づかなかったのは、我ながら集中しすぎたなと思わなくもない。

 RTAも楽しいけど、こうして何の縛りもなく自由にプレイするのも悪くはないよね。


「だいぶ没頭してたけど、疲れてない?」


「そこまで疲れてはいないかな」


「ならいいけど、前みたいなことにならないでよね?」


「わかってるよ」


 一夜ひよなが心配そうに確認してくる。

 まあ、以前は集中しすぎて倒れてしまったこともあったからね。

 今回は、別に身体強化魔法は使っていなかったし、そこまで疲れはない。

 だから、倒れることはないと思うけど、心配させるほど没頭していたのは反省しなければならないかもしれない。

 私は、一夜ひよなに大丈夫だと手を振り、配信の準備をする。

 最終確認をした後、配信開始のボタンをクリックした。


「皆さんこんハクです。月夜ハクだよー」


(コメント)

・うぉー!

・きちゃー!

・きちゃー!

・きたー!

・RTA回だ!


 相変わらず、コメントのテンションが高い。

 私は、それらを流し読みしつつ、さっそくゲームのタイトルを表示させる。


「というわけで、今回はRTA配信第五弾、緑の勇者のオープンワールドやっていくよ」


(コメント)

・ついにこの時が来た

・一緒にルート考えたし、いい記録が出るはず

・また世界記録出ちゃう?

・今日もおててが可愛い

・期待


「ルールはグリッチ禁止のany%。何がグリッチなのかに関しては、今表示した通りだよ」


 そう言って、以前コメントが調べてくれたものを表示する。

 それにしても、こうして何がグリッチかが決まっているのは珍しい気がする。

 グリッチって、要は開発が意図していない行為だと思っているけど、このゲームの場合、意図していないだろと思うことでも、狙ったように宝箱が置いてあったりするから、どこまで意図しているのかがわかりづらいんだよね。

 だから、こうして明確化してくれるのは助かる。


(コメント)

・グリッチレスで走ってるのハクちゃんくらいだろうな

・このゲームで普段から使われてるRTA技が大体グリッチだからね

・どうやってそんなもの見つけてくるのか

・グリッチあってこそのゲームだし、見ものになるかな

・グリッチなしでも早いってところを見せてくれ!


「それじゃあ、始めていくね。よーい、スタート」


 みんなと共に考えたルートを思い浮かべながら、さっそくゲームをスタートさせる。

 最初に祠で目覚めるところから、タイトルコールのところまではそこまで難しいところはない。

 本来は壁抜けするらしいけど、それを使わないなら、通常プレイとあまり変わらないからね。

 せいぜい、服を取らないくらいか。

 このゲーム、寒いところや暑いところに行くと、ダメージを受ける仕様があるから、きちんと対策をしていないとすぐにゲームオーバーになってしまうんだけど、そこらへんは知恵とごり押しで何とかする。

 多分、序盤が一番難しいんじゃないかな。


「サーフィン一つとっても、最適解がわからないよね」


(コメント)

・本当にそう

・斜面では基本的に滑った方が早いけど、欲張るとすぐに減速する

・斜面では滑る、それ以外はジャンプする簡単なお仕事

・簡単じゃないんだよなぁ

・見た目で斜面になってるかどうかわかりにくいからね

・場所によっては坂でも早くなるところあるし


 サーフィンというのは、盾を持っている時に、それをサーフィンのように乗りこなして滑ることである。

 下り坂では加速し、上り坂では減速するというシンプルなものだけど、画面をパッと見て、ここは下り坂で、ここは上り坂だって言うのを一目で判断するのは難しい。

 一応、私は目に身体強化魔法をかけているから、よーく目を凝らせばわからなくはないけど、それでもかなり判断がつきにくい。

 滑り方によって若干ルートも変わってくるし、これを突き詰めようとしたら、いくら時間があっても足りないだろう。

 後半は基本的に飛んで移動することが多いとはいえ、これもタイムに影響しそうだね。


「確かに難しいけど、割とやりやすい方なのかな?」


(コメント)

・これがやりやすいとは

・グリッチ技がないからというのはあるかもしれないけど、それでも細かいところの操作精度はやばいと思うが

・ハクちゃんだからこそ言える強者発言

・同じようにプレイしてもすでに割と差がついてるの笑う

・区間で比べたらハクちゃんの方が早いところもありそう


 なぜかはよくわからないけど、今までやってきたRTAと比べると、やりやすいというか、やりたいことが素直にできるという感覚がある。

 もちろん、できるモーションは決まっていて、それは他のゲームでも変わらないんだけど、こうやったらこうなるって言うのがわかりやすいと言うべきか。

 これは通常プレイをした時にも思ったけど、これもゲームの進化って奴なんだろうか。

 私がやってきたゲームって、基本的には古いものばかりだからね。

 古いものには古いものなりの良さがあるけど、やっぱり新しいものの方が性能的には優れている。

 私が感じているのは、そこら辺の差なのかもしれないね。


「というわけで、ラスボスだね」


(コメント)

・はやすぎぃ!

・まだ一時間も経ってないんだが

・世界記録と比べたら遅いけど、これグリッチ使ってないんだよな

・ここまでほぼノーミスである

・やっぱりサイボーグでは?

・ハクちゃんは妖精だが?

・ゲームつよつよ妖精

・ああ、ラスボスもはめられちゃって……

・もう終わりやね


 そうこうしているうちに、ラスボスである。

 ラスボスは、順当にストーリーを進めると、仲間が力を貸してくれて弱体化するんだけど、RTAでは、そう言うのは完全無視で行っているので、多くの形態がある。

 しかし、それらはすべてはめ殺せるので、武器さえしっかり揃っていれば、割と何とかなるんだよね。

 もちろん、きちんとした位置取りをしたりしないと全然ダメージ入らないから、練習は必要だと思うけど。


「後はここで矢を打ち込んで、終わり」


(コメント)

・終わってしまった

・タイムはどうだ?

・かなり早い

・グリッチレスとは思えない早さ

・これ申請出したら世界記録だろ

・ハクちゃんはそう言うのしないからなぁ

・おめでとう


「ありがとう。無事に完走できてよかったよ」


 タイマーもストップし、ふぅと息をつく。

 ノンストップでエンディングまで行くと、最後のお姫様の台詞でなんのこっちゃになるみたいだけど、まあ、クリアできたから問題ないよね。

 しかし、だいぶ早く終わってしまったな。

 今までやってきたRTAは、大体数時間かかっていたけど、今回は一時間もかからずに終わってしまった。

 まあ、練習の時点で、それくらいで終わるだろうなという予想は立てていたけど、これこの後どうしようかな。

 いつも通りの時間に始めてしまったから、尺がとんでもなく余っている。

 感想戦はするつもりだけど、それだけじゃぁね。

 何かちょうどいいものがあればいいんだけど、と思いつつ、完走した感想を話していくのだった。

 感想ありがとうございます。

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グリッチ含む全てを使うレギュレーションならどのくらい行くのか……
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