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捨てられたと思ったら異世界に転生していた話  作者: ウィン
第二部 第二十二章:対談企画編
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第六百十七話:異世界の写真

「とりあえず、わからない人もいると思うから、写真を出した方がいいかな?」


「あ、そうだね」


 私は、とっさにアケミさんに件の写真のデータを送る。

 しばらくして、配信内にもその写真が映された。

 とりあえず、お店の写真を選んだけど、変なもの映ってないよね?


(コメント)

・おー、すげー!

・結構リアル

・いろんなもの売ってるね

・よくわからないものもあるが

・かなり精巧だな、本物みたいだ

・というか本物じゃないの?


「アーカイブを見たから知ってたけど、ほんとにリアルだね」


「ここに映ってるのは何ですか? のじゃ?」


「それは魔道具だね。何度か言ったことあると思うけど、魔道具は生活に根差しているものだから、こうしてお店で売ってるよ」


「ほぅ、参考になるのぅ」


 アケミさん達は、私の事情を知っているけれど、きちんと初見の反応を返してくれる。

 まあ、連れて行ったことがないから、実際初見なのはあるかもしれないけどね。

 こういうのって、どこかに専門家が紛れていて、指摘されるのが怖いけど、今のところはそう言うのはなさそうだ。

 ちゃんと厳選したとはいえ、全く不安がないわけではないから、少しひやひやするね。


「魔道具があったら便利だろうね」


「便利なのは確かだけど、こっちの世界の方がよっぽど便利だと思うよ?」


「そうなの?」


「うん。ほとんどの機能は、電化製品が再現できてるからね」


 例えば、旅をする際には、野営をする際に、焚火を起こすために火をつける魔道具が必須になる場合が多いけど、こちらの世界だったら、ライターとかで簡単に火を起こすことができる。

 むしろ、性能としては魔道具の方が劣っている部分も多くあるし、魔道具に限って見るなら、こちらの世界の方がよっぽど優れていると言える。

 まあ、その分、魔法って言う未知の力があるんだけどね。

 魔道具はあくまで、生活のためのささやかな魔法を起こすための道具である。

 動力が魔石か電気かの違いだけで、あまり違いはないんだろうね。


(コメント)

・魔道具でできることは電化製品でできるのか

・確かに、火を起こすだけだったら、割と簡単にできるよね

・無限に水を生み出すことができる水筒って言うのはいいと思うけどな

・魔石の魔力が続く限り、水に困らないのはいいね

・こっちの世界にも魔石みたいなものないのかな

・あっても電池の方が優秀じゃね

・奇跡を起こせるかって違いがあるけどな


「電化製品の方が優れているって言われても、魔道具って聞くと使いたくなってくるね」


「簡単なものならあるけど、使ってみる?」


「え、いいの?」


「うん。使うだけならね」


 そう言って、私は以前買った火をつける魔道具のことを思い出す

 私の場合、攻撃にしか使えない魔法も、生活魔法という形で焚火の着火にも使えるから、火をつける魔道具も必要ないんだよね。

 そもそも、野営をすることがほぼない。大抵は、転移で行くか、竜の翼で向かうかってところだし。

 だから、【ストレージ】の肥やしになっていたけど、こうして使う機会があるなら喜ばしいことである。


「今度会った時に渡すね」


「ありがとう! いやぁ、楽しみだなぁ」


(コメント)

・羨ましい

・せめてどんな形か見せてくれない?

・魔道具使ってみてぇ

・写真ないんですか?

・うぉー、よこせー!

・アケミちゃんめっちゃうきうきで草


「ああ、見た目に関しては、この写真に載ってる、これと似た感じだね。割と一般的なものだから」


 コメント欄がうるさくなってきたので、とりあえず補足を入れておくことにする。

 一応、私が持っているのは、ゴーフェンで買った性能がいい奴だけど、機能が同じものならば、普通のお店でも売っている。

 いや、魔道具を扱っている店はそれなりにやり手のところが多いから、普通ではないのかな?

 まあ、そんな珍しいものじゃないよとは言っておく。

 と言っても、魔道具ってだけでこちらの世界では珍しいだろうから、あんまり意味はないかもしれないけど。


(コメント)

・結構大きいんだな

・超でかいライターって感じ?

・これを旅で持ち運ぶのは嵩張りそう

・これなら確かにライターの方が優秀かも

・この光ってるのが魔石かな? 結構綺麗


「魔石の性質上、削ると内包している魔力が減るからね。あんまり小型化すると、すぐに魔力を使い切って、使えなくなっちゃうから、ある程度は大きくないといけないんだよ」


「なるほどねぇ」


「まあ、これはどっちかというと、こちらの世界で言うところのコンロに近いものだから、若干大きめではあるけどね」


「こっちに映ってるのもそう?」


「それは氷室に使う氷の役割をするものかな。冷蔵庫みたいのもあるけど、ここは簡易版の奴が多いよ」


 ついでとばかりに、他の魔道具についての説明もしていく。

 そう言えば、ローリスさんが正則さんに魔道具も渡していたはずだけど、あれもそのうちこちらの世界で販売するんだろうか。

 正則さんのことだから、ローリスさんと会えるなら多少の損は許容しそうだけど、それでも商売人だから、何かうまみがないといけない。

 魔石についての研究もしているらしいし、もしかしたら、そのうち自作してくるかもね。


「こんなところかな。次の質問に行こう」


「了解です、のじゃ」


『質問です。最近、色々な本を読んで、魔法が使えないか試しているのですが、一向に使えるようになりません。ハクちゃんのように魔法を使えるようになりたいのですが、何かコツなどはありますか?』


「魔法関連の質問だね。でも確か、この世界だと魔法は使えないとか言ってたよね?」


「基本的にはね。さっきの魔道具みたいに、元になる魔力を用意できるなら使える可能性もあるけど、普通の人はそう言うのは持ってないだろうし」


 魔法を使いたいという質問だけど、この手の質問は、毎度一定数ある気がする。

 やっぱり、魔法への憧れというものはみんな持っているし、その存在が確実なものになれば、使いたいと思う人も出てくるだろう。

 私の場合、使っていると公言はしているけど、それを証明する手立てはないし、本来ならただの設定で通されることだと思うけど、一定数は信じる人もいるのだ。

 魔法が存在するって言うのは嘘じゃないから、できればアドバイスしてあげたいところだけど、こちらの世界で魔法を使うには、素質が必要となる。

 すなわち、霊力を持っているかどうかだ。

 魔力の代わりとなる霊力を持っているなら、それを使って魔法を発動させることも可能かもしれない。

 もちろん、完全に同じものが発動できるかどうかはわからないけど、私の改良した低燃費の魔法なら、多分使えるんじゃないかな。


(コメント)

・本気で魔法使おうとしてる奴いるのか

・魔法への憧れは捨てきれない

・実際ハクちゃんも魔法使ってるんだし、行けるやろ

・前に、昼間なのにいきなり真っ暗になったみたいな事件もあったし、あれもワンチャン魔法の仕業だったりして

・そんな事件あったか?

・一部で噂されてるよ


「え、えっと、残念だけど、素質がなければどうしようもないと思うから、アドバイスできることはないかなぁ」


 なんか、見慣れた事件の話題が出てきたので、とりあえず話題をそらす。

 お兄ちゃん達を助けるために、魔法を使ったことはあったけど、まさかそんな事件になっているとは。

 いや確かに、結界で一部地域に限定していたとはいえ、SNSにはその様子が流れていたし、テレビでも取り上げられたようだから、知ってる人は知ってるだろうけども。

 流石に、あれをやったのが私とは思われていないようだけど、あんまり触れたくない話題ではあるよね。

 心の中で少し冷や汗を流しながら、さっさとコメントを流すことにした。

 感想ありがとうございます。

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