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捨てられたと思ったら異世界に転生していた話  作者: ウィン
第二部 第二十二章:対談企画編
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第六百九話:グリッチ縛りの弊害

 今日の配信は、SNSでの告知もしていなかったから、ちょっと失敗したなと思っていたんだけど、思ったよりもコメント欄には人が集まっていた。


「皆さん、こんハクです。月夜ハクだよ」


(コメント)

・きたー!

・きちゃー!

・待ってた

・待っててよかった

・来ると思ってたぜ


「告知を忘れていてごめんね。何の配信をするか、直前まで決めてなかったからさ」


(コメント)

・ええんやで

・配信してくれるだけでうれしい

・ハクちゃんが戻って来てる間はずっとパソコンに張り付いてるから問題ない


 なんか、私は定期的にいなくなるから、逆にいる時はずっと待ってれば、絶対に配信を見れるという判断らしい。

 まあ、日頃から毎日更新している人が告知をしなかったとしても、毎日配信しているんだから当然今日も配信するだろうって考え方なのかな。

 私の配信は不定期だけど、配信する期間はある程度決まっているからね。

 私がこちらの世界に戻ってきているとわかれば、待つのも悪くはないのかもしれない。


「今日はRTAの練習配信でも流そうと思っていたんだけど、ざっと調べた感じ、ちょっと難しそうでね。どうしようかって、相談させてもらいたくて」


(コメント)

・ハクちゃんが難しいって言うゲームってなんだ

・ハクちゃんならどんなゲームもできそうだが

・何のゲーム?

・アンケートを見るに、緑の勇者か

・ああ、そう言うことか


「うん、緑の勇者のオープンワールドをやろうと思っていたんだけど、思った以上にグリッチが多くて、どうしたものかと」


(コメント)

・ハクちゃんグリッチ縛りしてるからなぁ

・宇宙運送の遭難記でも相当頭を悩ませていたよね

・確かにグリッチなしだときついかもしれない

・そもそも走者いるの?

・調べた感じ、いるにはいるっぽい

・やば


 そもそも、オープンワールドゲーだけあって、そのボリュームはかなりのものだ。

 すべての要素を回収しようとしたら、丸一日以上かかるというのを考えても、よくわかるだろう。

 それを、たったの一時間足らずでクリアしようと思えば、当然グリッチを使わなければ間に合わない。

 というか、そもそもどれがグリッチで、どれがそうでないのかすらわからない。

 そこら辺の線引きはあるんだろうか?


「多分、やろうとしたら通常プレイみたいになると思うけど、それでも見たい?」


(コメント)

・ハクちゃんのやるものなら何でも見たい

・RTAじゃなくても凄いプレイしてくれそうだよね

・RTAじゃなくてもいいんちゃう?

・でも、RTAだからこそって言うのはあると思う

・これ全部仕様ってことにしてやらない?

・明確にどれがグリッチなのか調べたから張るね


 リスナーさんの意見としては、RTAじゃなくてもやって欲しいって人と、RTAだからこそいいんだと言う人が半々くらい。

 私としては、別にどちらでもいいとは思っているけど、やっぱりRTAだからこそいいという人も多いんだね。

 頑張ってルートを考えて、どうにかグリッチなしでRTAをする方がいいだろうか。


「あ、ありがとう。これがグリッチの一覧かぁ」


 親切にも、リスナーさんの一人がグリッチかそうでないかをまとめてくれたので、とりあえず見てみることにする。

 私が調べた時に出てきたようなのはほとんどグリッチではあったけど、中にはそうでないものも混ざっている。

 例えば、口笛ダッシュという技。

 ゲーム内では、走る時にスタミナを消費するんだけど、口笛を吹きながら走ることで、スタミナを回復しながら走ることができるという技。

 走る時は大体これを利用しているので、これが使えるか使えないかでは大きく変わってくる。

 これに関しては仕様ということになっているらしく、使っても問題はないようだった。

 他にも有用そうな技がグリッチでないこともあったため、これならまだ何とかなるかもしれないと思わせてくれる。


「でも、主要な技は使えないことも多いのかな」


 ただ、当然使えないものも数多く存在する。

 壁抜けはもちろん、高速で飛行する方法などもグリッチらしいので、これはかなりの差ができそうである。

 まあ、私はタイムを求めているわけではないし、別に多少時間がかかっても問題はないんだけど、今あるルートはどれもグリッチ前提のものばかりなので、新たにルートを考えるのが大変ということである。

 とりあえず、試してみようかな?


「……わかった。できるかどうかはともかく、とりあえず試してみるだけやってみようと思うよ」


(コメント)

・そうこなくっちゃ!

・ハクちゃんのルート講座始まるぞ!

・ルート取りは得意だからな、任せろ

・また世界記録が出るのか

・流石にグリッチなしで世界記録は無理だろ

・新しい競技にした方がいいと思う


 私は、一夜ひよなに目配せして、ゲーム機を用意してもらう。

 一応、前々からやろうとは思っていたので、ゲーム自体は用意してある。

 てきぱきと用意して、手元も映して、準備は万端。

 さて、どんなプレイになるだろうか。


「さて、まず最初から違うんだよね」


 序盤、緑の勇者は祠で目覚めるのだけど、最新のルートではそこで早速壁抜けが行われるらしい。

 普通に祠を出ると、ムービーが挟まるので、それをカットする目的かな?

 こんなのどうやって発見するんだと毎回思うけど、壁抜けは当然グリッチなので、これは使えない。

 つまり、この時点でそれなりの差がつく。


「普通にプレイしていたら、ここの感動半端なさそうだね」


(コメント)

・わかる

・オープンワールドだから、見えてる場所どこでも行けるって言うのがわくわくするよね

・ここの最初の崖で落ちてゲームオーバーになったのは俺だけではないはず

・飛び込んでくださいって配置だしな

・後にそれもできるようになるんだけどね

・空飛べるって偉大


「今回に関しては私も初見なんだけど、そんなに面白いの?」


(コメント)

・神ゲー

・まじで面白い

・ストーリーもいいし、ボリュームもマックス

・これの後にさらに上回る新作が出るなんて思わないよな

・というか、新作って言うからそっちのことかと思ってたんだけど?

・まあ、こっちやってからじゃないと楽しめないかもしれないし


 どうやら、私が新作と思っていたものはすでに古いらしく、すでに続編があるらしい。

 そちらはボリュームが三倍くらいになって、さらに凄いことになっているとか。

 正直、そんなに違うのかと訝しんだけど、リスナーさんが言うならそうなんだろう。

 ムービーを見終えて、次は塔を起動させるところ。

 ここでは、高い塔から降りるのに落下ダメージキャンセルという技があるらしいのだけど、それはどうやらグリッチに当たるらしい。

 確かに、高いところから落ちているのにダメージを食らわないのはグリッチになるのかもしれないけど、他のグリッチと比べると、インパクトが薄いし、許されそうな気がしないでもない。

 まあ、使うのはここだけっぽいし、そこまで気にしなくてもいいのかもしれないけどね。

 その後も、検証を続けていく。果たして、きちんとクリアできるのだろうか。

 感想ありがとうございます。

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