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捨てられたと思ったら異世界に転生していた話  作者: ウィン
第二部 第二十二章:対談企画編
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第六百一話:ゲームの実力

 その後も質問に答えて行ったが、思ったより、RTA関連の質問がなかった。

 今回、質問を募集したのは、ヒカリ先輩だけど、質問を送ったのはヒカリ先輩のリスナーさんだろうから、私のことはよく知らなかったのかな?

 だとしても、少しくらいは私のリスナーさんも混じっているだろうし、それ系の質問の一つや二つは入ってくると思ったんだけど。

 少し疑問に思いながらも質疑応答を続け、少しきりが良くなったところで、ヒカリ先輩はあることを告げた。


「さて、それではここからは、ハクちゃんの能力について紐解いていきましょう! こちらをご覧ください!」


 そう言って、配信画面に何かの画面が表示される。

 これは、世界的に有名な赤い帽子の配管工のゲームじゃないか?

 いくつかシリーズはあると思うけど、これは多分かなり昔のもの。

 RTA関連で少し調べたことがあるけど、今でもかなりの走者がひしめき合っている人気のゲームである。


「ハクちゃんは、RTAが得意と伺っています! なので、こちらのゲームをプレイしていただき、サクッと完走していただこうかと思いまして!」


(コメント)

・無茶振りが過ぎるw

・ハクちゃんなら楽勝じゃない?

・やったことあるかどうかにもよるが、難易度はそこまででもない気がする

・いきなりゲームやらせるんか

・これぞヒカリンクオリティー


「えっと、やるのはいいですけど、どうやって?」


 今、私とヒカリ先輩は対面しているわけではない。あくまで通話で繋がっているだけであり、スタジオなどにいるわけではない。

 なので、いきなりゲームをしろと言われても、ものがないと思うんだが。


「その辺はご心配なく。アカリちゃん、お願いします!」


「はいはーい」


 そう言って、背後にいた一夜ひよなが動き出し、てきぱきと準備を始めた。

 部屋にいるのはいつものことだし、全然気にしていなかったんだけど、まさかこの時のためにスタンバイしていたのか?

 一夜ひよなの手によってあっという間に環境が整えられ、私の手には、コントローラーが握られている。

 この用意の良さを見るに、あらかじめ話を聞かされていたな。

 何も知らないんじゃなかったのか?


「ごめんね、口止めされてたからさ」


「まあ、別にいいけど……」


(コメント)

・まさかのアカリちゃんもいるんかw

・ハクちゃんの姉だし、そりゃいるでしょうよ

・話によると同棲してるとか

・うらやま

・なんか映ったぞ

・これは、手か? ちっちゃ

・ハクちゃんの手やね

・さっき700歳とか言ってたくせにこの手は嘘

・下手したら小学生くらいでは?


 いつものように、手元までばっちり映されてしまったせいで、コメント欄が賑わっている。

 しかし、ゲームをするのはいいけど、このゲームは初見なんだよなぁ。

 一応、動画で見たことはあるけど、どんなものなのかは未知数である。

 でも、わざわざやれと言うことは、RTAっぽいことをやって欲しいということだと思う。

 流石に、初見のゲームでそれは無謀じゃないだろうか?


「……やるのはいいですけど、RTAはできませんからね?」


「大丈夫です! このゲームをやれば、RTAでなくても、ある程度のプレイスキルは測れると思いますから!」


「それならいいですけど……」


「それじゃあ、さっそくプレイしていただきましょう! どうぞ!」


「では、始めますね」


 私は、言われるがままにスタートさせる。

 有名なゲームだけあって、最初の面くらいは覚えている。

 別に、RTAでないならそこまで急ぐ必要もないかもしれないが、どうしても、急がなければならないという感覚が抜けない。

 多分、RTAをやり過ぎた弊害だね。

 でも、序盤はそこまで難しいわけでもないので、それでもサクサクプレイできた。

 終盤になってくると、強い敵が出て来たり、ギミックが嫌らしかったりと、ちょっと難しくなっているのを感じたけど、それでもそこまでではないと感じる。

 昔のゲームって、総じて難易度が高いのが普通だと思っていたけど、そうでもないのかな?


(コメント)

・普通のプレイ、のはずだけど、何というか、早い

・ほとんどキノコ取らんよな

・常にノンストップ

・初見なんですよね?

・見切るのが早すぎる

・これがRTA世界記録保持者の実力かぁ

・どんなゲームにも対応できるの強すぎない?


 ほどなくして、最終面を突破し、クリアすることができた。

 RTAの記録と比べたら、ワープなども使っていないし、全然だけど、それでも、普通にプレイするよりはよっぽど速いタイムでクリアできたと思う。

 コントローラーを置き、ふぅと息をつく。

 さて、ヒカリ先輩の満足いく結果にはなっただろうか?


「流石ですね、ハクちゃん! 予定では、もう少しかかると想定していましたが、その必要は全くありませんでしたね!」


「予定が狂わなかったなら何よりです」


「それにしても、そんな小さな手でよくそんなに正確にプレイできますね。指がつりそうです!」


「まあ、慣れてるので」


 確かに、指の長さ的に届きにくいボタンもあると言えばあるけど、今のコントローラーなら、そこまででもない。

 それに、今まで何度もRTAをプレイしてきて、慣れたのも事実である。

 物理的に持てないものでもない限り、プレイに支障はないだろう。


「元からゲームが得意だったんですか?」


「そう言うわけではありませんよ。ただ、魔法の力が大きいですね」


「おお、魔法! 私も癒しの魔法が使えることになってますが、ハクちゃんも使えるんですね!」


(コメント)

・使えることに、なっている

・少しは隠せw

・ハクちゃんずっと魔法使ってるって言ってるけど、何のことかさっぱりわからん

・魔法(実力)ってことなんじゃないの?

・手元配信までしてツールの類を使ったとは思えんしな

・ましてやヒカリンやアカリちゃんがいる前で使うような子ではないと思うし

・実力が恐ろしいな

・こりゃRTA界隈が騒ぐわけだ


「ハクちゃんの類稀なる才能を垣間見たところで、次に行きましょうか! 今度は、ハクちゃんももしかしたら苦戦するかも?」


「今度は何ですか?」


「では、登場していただきましょう! 委員長ー!」


「……委員長ではないんですが」


 そう言って、唐突に通話に入ってきたのは、委員長事、黒森ルインさんである。

 そう言えば、何か対決をするとか言ってたな。

 配信画面にもルイン先輩の立ち絵が登場し、不満そうに眉をひそめている。


(コメント)

・委員長来た!

・委員長! 委員長!

・委員長、新入りになんか言ってやってください!

・夢のドラゴン対決が実現か?

・ドラゴン(妖精)とドラゴン(本物)ではあるが


「まあ、いいでしょう。黒森ルインです。ハクさん、今日はよろしくお願いしますね」


「よ、よろしくお願いします。ですが、一体何をするので?」


「フフフ、それはですね、こちらです!」


 ヒカリ先輩は、そう言ってテロップを表示させる。

 題して、『Vファンタジー』学力対決。

 対決って、学力のことだったか……。

 予想外の展開に、心の中で小さくため息をついた。

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学力…… 前世の最終学歴……( ˘ω˘ )
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