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捨てられたと思ったら異世界に転生していた話  作者: ウィン
第二部 第十一章:空飛ぶ船編
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第三百十二話:少し休憩

 王都に帰った後、さっそく納品、と行きたかったけど、他の冒険者がまだ依頼を完了していなかったので、しばらく待つことになった。

 別に、できた分から納品しても問題はないだろうけど、今回の場合、一つの素材だけあっても意味がない。

 一層一層丁寧に重ねていき、魔力伝導率の差を縮める必要があるので、必然的にすべての素材が揃わなければ作るのは難しい。

 もちろん、持ってきた魔物の素材が必ずしも合うとは限らないし、場合によっては数が足りないなんてこともあるだろうから、すべてが順調に行くとは限らないけど、足並みを揃えることは大切である。

 ということで、次に転移魔法陣が使えるまでの間、他の魔物も狩りに行くことにした。

 なに、時間はあるのだ。少しくらい手伝っても問題ないだろう。


「それで、集めたのがこの素材達だと」


「そういうことになりますね」


「なんというか、あなた達が味方で本当によかったと思います」


 ある程度集まったところで、フェンスさんに見せに行ったんだけど、そうしたらなんだか遠い目をしていた。

 まあ、こんな魔物達を軽々討伐できる人達が敵に回ったら、国としては相当危険な状態だよね。

 もちろん、冒険者はあんまり戦争には加担しないと思うけど、それでもお金のために加担する人もいないわけじゃないし、そう考えると、冒険者は優遇しておくことに越したことはない。

 特に、Bランク以上の高ランク冒険者はね。


「さっそく、あちら側に渡してみたいと思います」


「お願いします」


 素材に関しては、結構な量になるので、私が【ストレージ】で運ぶことになる。

 転移魔法陣でゴーフェンへと向かい、さっそく素材を納品することにした。


「確かに受け取りました。これで、一層完成に近づくと思います」


 相手の外交官は、そう言って笑顔を見せた。

 今回、狩ってきてほしいと言われたリストに書かれていた魔物のうち、約八割近くを狩ってきた。

 他の冒険者達の頑張りもあるけど、暇を持て余したお兄ちゃん達が張り切ったというのもある。

 他の国にも、同様のリストは渡されていたが、彼らも同じように納品できたかはわからない。

 だが、この様子を見る限り、少なくともいい結果ではあったんだと思う。

 そういう意味では、頑張った甲斐はあったかな。


「これでひとまずは前進かな?」


「そうですね。まさか、あのような方法で魔力伝導率を解決するとは思いませんでしたが」


 この後は、既存の木材で船体を作ったのち、それぞれの魔物の素材でコーティングを施していくことになる。

 魔力伝導率はもちろん、外敵に脅かされない防御力も完備した、完璧な装甲。

 いったい何層積み重ねることになるかはわからないが、そのあたりはセレフィーネさんが何とかしてくれるだろう。

 素材が足りないというならまた取ってくる所存ではあるが、これでひとまず私達の仕事は終わったかな?


「ハク殿、ご協力ありがとうございました」


「いえいえ。この後はどうしますか?」


「私はもろもろの調整のために待機ですね。ハク殿は、お休みになられていても問題ありませんよ」


「そういうことなら、ちょっとゆっくりさせてもらいますね」


 ここ最近は、ずっと狩りに明け暮れていたので、少し疲れている。

 いや、そんな気にするほどのことではないんだけど、精神的にね。

 なので、しばらくの間は、家に籠っていようかなと思うのだ。

 手伝えることがあるなら手伝いたいけど、正直、ゴーフェンの技術力には勝てない。

 魔物の素材を船体のコーティングをするために加工するのも技術がいるし、浮力を生み出すパーツに関しても然り。

 私の、小手先の魔道具作製技術では、流石に分が悪い。

 素材を用意しろというなら喜んで用意するが、それもないなら、休んでいても問題はないはず。

 ということで、久しぶりにゲームでもしようかなと。


「割と久しぶりかな?」


 家に帰り、さっそく自室に用意したゲーム機の電源をつける。

 ここ最近は、魔導船の開発のために色々飛び回っていたというのもあるし、家に戻ること自体が久しぶりな気がする。

 別に、ゲームにそこまで時間を割く必要はないけど、これでもRTA配信やらである程度のプレイはしなくてはならないからね。練習は大事だ。

 しかし、次は何をしよう。

 以前やったのは、宇宙運送の遭難記のRTAだった。

 あれにはチャレンジモードとかもあるし、続編もあるから、そっちにチャレンジしてもいいんだけど、私としては色々なゲームで遊びたい。

 何かよさげなものはないだろうか。


「たくさんもらったけど、まだ全部は見れてないんだよね」


 私がRTA配信をするってなった時に、親切なリスナーさんが色々とゲームを送ってくれたけど、数が多すぎて全部は見れていない。

 懐かしのゲームもいくつかあるので、そっちに手を回してもいいんだけど、あんまり古いと今の子は知らないんじゃないかという不安もある。

 いや、名作ゲームなら古くても関係ないかな?

 例えば、魔界の村とかは有名だろう。テレビでも取り上げられていたくらいだし。

 なるべく名作である方がいいのは確か。となると、やっぱり落ち着くのは赤い帽子の配管工のゲームとかになりそうなんだよね。


「あ、これとかいいんじゃない?」


 赤い帽子の配管工とは少し違うんだけど、その弟である、緑の帽子が主人公のゲームがある。

 お化け屋敷に行って戻ってこない兄を探して、掃除機でお化けを吸い取りながら屋敷を探索するというゲームで、今まで日の目を見なかった緑の帽子が活躍するとあって、結構人気だったような気がする。

 私はホラーは苦手だけど、これくらいのカジュアルさなら、多分大丈夫かな?

 昔やっていたことがあったけど、その時は一エリア目で詰んだ気がするが。


「うん、これやってみよう」


 とりあえず、やるだけやってみようということで、ソフトをセットし、ゲームをスタートさせる。

 ゲーム自体が久しぶりということもあって、なんか懐かしい気持ちになってしまったが、これは当時の思い出補正も入っていそう。

 一通りプレイし、一エリア目を突破するところまで行って、ああやっぱり今ならできそうだなと確信する。

 これのRTAとかあるのかな。ここだと動画が見られないから、調べられないけど、後であちらの世界に行った時に調べていくとしよう。

 私は、次にあちらの世界に行った時のことを考えつつ、ゲームに熱中するのだった。


 感想ありがとうございます。

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