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捨てられたと思ったら異世界に転生していた話  作者: ウィン
第二部 第八章:再びの里帰り編
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第二百四十六話:効率よく

 今回やっている、宇宙運送の遭難記なんだけど、以前やった赤い帽子の配管工のゲームと違って、割と走りやすい部類に入ると思っている。

 というのも、求められるのは基本的な操作精度が主になるからだ。

 どちらも、操作精度が重要なのは確かだが、例えば1フレームの間に何かしなくてはならないっていうような難しいものはなくて、投げる位置や隊列操作、色分けなんかが特に重要で、ルート取りや匹数調整、早投げや遠投なんかは、やり方を知っていれば何となくできる。

 もちろん、その操作精度が難しいんだと言われたらそれまでだけど、一日という区切りがあるのは、逆に練習がしやすいってことでもあって、その操作精度も高めやすい。

 そういう意味では、走りやすい部類だと思う。

 まあ、これは私の、魔法や神力ありきの考え方なので、絶対にそうだとは言い切れないけどね。


「このゲームって、100パーセントRTAの他にも競技があるんだっけ?」


(コメント)

・チャレンジモードがあるな

・世界記録は当然理論値

・あれを理論値出せるって化け物だと思うんだけど

・普通にやったら半分も回収できない

・2以降だと、割と手を出しやすいんだけどね


 初代におけるチャレンジモードは、いかに匹数を増やせるかっていう競技になる。

 メインストーリーでも出てきたマップに、チャレンジモード専用の敵が配置されていて、それらを倒して増やしていくっていうのがやり方だ。

 ちなみに、私はやったことない。メインストーリーをクリアできなくて、その時点でやめちゃったからね。


(コメント)

・もしかして、チャレンジモードもやってくれる?

・ハクちゃんなら余裕で理論値出しそう

・ルートさえわかれば、操作精度はピカ一だしな

・期待します


「うーん、どうしようかな。できるなら、いろんなゲームを広く浅くやりたいって感じなんだけど」


 本来、RTAをやるなら、そのゲームだけをひたすらやって行くっていうのが正しいんだろう。やるとしても、そのシリーズ限定とかね。

 だから、いろんなゲームをまんべんなくやるっていうのは、RTAをやる上では、舐めてるとしか言いようがない行為である。

 まあ、才能があるなら、それでもうまく行くかもしれないけどね。私の場合は魔法の力だけど。

 でもまあ、別にRTAは義務というわけではない。その世界で一番になりたいというならともかく、単なる競技として楽しみたいだけだったら、どんなゲームをやろうが自由である。

 だから、あんまり深く考えずに、やりたいものをやればいいと私は思うよ。


「これを無事に完走できたら、またコメントを参考に、アンケートで次やるゲームを聞いてみるから、答えてくれると嬉しいな」


(コメント)

・おっけー

・いったいどんなゲームになるのやら

・ハクちゃんって苦手のものなさそう

・逆にハクちゃんが苦戦してるところ見てみたいわ

・初めてやるゲームならワンチャン?

・ハクちゃんが知らないようなゲームって何だろう


 コメントでは、あれやこれやゲームの名前が浮かんでいる。

 多いのは、スーパーなハードや、キューブ型のハードなんかが多いだろうか。

 私は姿を明かしているわけではないが、声からして、そんなに年齢が高いとは思われていないだろう。だから、知らないゲームとなると、私が産まれるよりも前に流行ったゲームを出してくるわけだ。

 しかし、私の実際の年齢は、全く違う。むしろ、それらのハードは、私の世代にも当てはまるものばかりなので、知っているものが多い。

 むしろ、最近の奴の方が知らないものが多いかな? 就職してからは、ゲームする時間も減っていたし。


「と、これで5日目突破だね。タイムも順調かな?」


(コメント)

・相変わらず美しいルート

・操作精度がやばすぎる

・グリッチ使ってないのに世界記録に届きそうな勢い

・数秒って結構大きいけどな

・RTAにおいての数秒は縮めるのは地獄の道だ


 雑談しつつ、順調に進んでいき、やがて最後の6日目。

 ここまでくればウイニングランなので、犠牲が出ないようにだけ気をつけつつ、最速で道を作って行く。

 練習でも倒したけど、ここのボスって理不尽だよね。

 モデルは、一番最初に出てくる敵の姿なのに、定石である、背中からの攻撃を一切受け付けないんだから。

 攻略法としては、爆弾を飲みこませて、怯んだ隙に攻撃って感じなんだけど、その爆弾を飲みこませるのが難しすぎる。

 一応、爆弾を持たせて奴を目の前に置いておけば、食べてくれるけど、それだと持っている奴も一緒に飲み込まれてしまって、犠牲が出てしまう。

 まあ、ここまで来たなら、多少犠牲が出ても問題ないとはいえ、それを嫌うとなると、タイミングよく呼び寄せて、爆弾だけを飲みこませる必要がある。

 それが相当きつい。

 早すぎれば無駄に爆弾を消費することになるし、遅すぎれば一緒に食べられる。

 ここまで無犠牲でやってこれても、最後にそんな試練が待ち構えていると考えると、理不尽だよね。

 しかも、仮にうまく飲み込ませたとしても、怯んでいるのはほんの数秒である。

 顔以外は張り付かないので、焦って投げて全然違うところに投げてしまって、ダメージが全然通らなかったり、引き際を間違えて、潰されてしまったりという事故もある。

 2以降でも登場するんだけど、その時はかなり弱体化しているから、初代のこいつは本当に強かったんだろうね。


「はい、撃破。後は、全員で運んで、終わりだね」


 ラスボスを倒し、最後のパーツを運んでいく。

 このゲームで良心的なのは、このパーツは回収できなくても、最悪脱出はできるということだ。

 パーツは全部で30個あるが、すべてを回収する必要はなく、中にはいらないパーツも含まれている。

 ラスボスが持っているこのパーツがそれなのは、製作者もこいつはかなりの強敵だと思っていたのかもしれないね。


「回収完了したところで、タイマーストップ。お疲れ様でした」


(コメント)

・完走おめ

・お疲れー

・いやー、見事だった

・安定してたなぁ


「さて、完走した感想だけど、効率的な動き方とか、そういうものを覚えるにはとてもいいゲームだと思ったよ」


 仕事では、特に効率が求められる。

 10個の荷物を運ぶのに、1つずつ運ぶのと、2個同時に運ぶのでは、効率が全然違うからね。

 このゲームでは、分担作業とかをしないと時間が足りないし、その場その場で効率的な人員の配置をしたり、どこまでなら仕事ができるのかを見極める必要がある。

 これをそのまんま経営に活かせ、というのは無理かもしれないけど、その基本くらいは学べるんじゃないかな。


「みんな、ここまで見てくれてありがとう。次の配信は、もしかしたら少し先になっちゃうかもしれないけど、待っていてくれたら嬉しいな」


(コメント)

・またいなくなっちゃうのか

・帰ってきてくれるならそれでいい

・待ってる

・お疲れ様でした


「それじゃ、バイバイ」


 コメントに見送られながら、配信を終了する。

 時間は、今回はちゃんと日付を跨ぐ前に終了することができたね。

 特に大きなミスもしなかったし、RTA配信としてはまずまずと言ったところだろう。

 この調子で、次の配信も頑張りたいところだね。

 そんなことを考えながら、後片付けをするのだった。

 感想ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] あのゲームは店頭のDEMOプレイでしかやったこと無かったから、引っこ抜かれて戦って食べられるのしか知らなかったなぁ。
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