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捨てられたと思ったら異世界に転生していた話  作者: ウィン
第二部 第八章:再びの里帰り編
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第二百二十三話:本気を出した結果

(コメント)

・なんというか、その……

・すごかった

・いや、凄いなんてレベルじゃねぇだろ。世界記録だぞ


 私は黙々とプレイを続けていった。

 前回は、ところどころにミスがあったが、今回はより集中力を維持し、最後まで駆け抜けることができた。

 これに関しては、神様もどきの力の一端を使ったんだけどね。

 神様もどきの力を発動している間は、とてつもない全能感に包まれる。

 何をやっても、なんでもうまく行くという自信が湧いてくるのだ。

 それは、気持ちだけの問題じゃなくて、実際に行動にも現れる。

 その力を応用すれば、ゲームで最後まで集中力を切らさない程度のことは簡単にできる。

 まあ、そのせいで動きはより機械的というか、寸分の狂いもなく動き続ける化け物が誕生してしまった気がしないでもないが、パソコン画面も手元も見せている状態なので、チートを疑う余地はない。

 さらっと世界記録まで出してしまったが、まあ、申請はしないので問題はないだろう。


「お疲れ様でした。無事に完走できてよかったです」


(コメント)

・チートとか言ってた奴息してる?

・パソコン画面にも妙なプログラムが走っていることはなかったし、ツールの類は使ってないだろうな

・まあ、チートしてるって思われるくらい正確すぎるプレイだったわけだが

・おかしいでしょ!? あの動きは世界一位でもできないよ!?

・きっとこの画面はフェイクで、実際はツール使ってるんだ、きっと……

・希望的観測過ぎ


 コメント欄は阿鼻叫喚である。

 元々、コメント欄には、私がチートを使っていると疑っている人がそれなりの数いたようだが、私の動きに二の句が継げなくなり、意気消沈している様子。それを、他のリスナーさんが茶化してるって感じだ。

 中には、現実を受け止められないのか、未だにチートを疑ってくる人もいたけど、これだけ証拠が揃っていて、チートしてたっていうのは言いがかりにもほどがある。

 この配信を見ていた人みんなが証人であり、この配信もアーカイブに残すつもりなので信憑性という意味ではばっちりだ。

 それでも何か言ってくるのなら、それはただの言いがかりとして処理できる。少なくとも、『Vファンタジー』にちょっかいをかけようとする奴はいなくなったことだろう。


「さて、この通り、私はチートの類は一切使用してないよ。何なら、今後もRTA配信をする時は、手元を映すことにしようか。それなら、少しは安心できるでしょ?」


(コメント)

・元から疑ってないけど、手元配信は助かる

・疑惑を力でねじ伏せた配信者が今までいただろうか

・ハクちゃんならやりそう。というかやった

・アンチ共はそれでもどこかで叩くんだろうけどな

・負け犬の遠吠えかな?

・ハクちゃんサイコー!


 最初はかなりの数見られたチート関連のコメントも、今ではすっかり鳴りを潜めている。

 流石に、これだけ証拠が揃っているのに、叩く勇気はなかったのかもしれない。

 まあ、仮に後程出てきたとしても、ここで叩けなかった時点で負けを認めているようなものだし、そのあたりはきっと『Vファンタジー』も対処してくれるだろう。

 ひとまず、チート疑惑を払拭するという目的は、果たせたと言っていい。


「それにしても、時間が余っちゃったね」


 元々、予定としては、三時間から四時間を予定していた。

 ゲーム一本RTAをするんだから、それくらいは時間がかかってもおかしくないし、実際、以前の配信はそんなもんだった。

 しかし、蓋を開けてみると、三時間かからないくらいで終わったのである。

 せっかく、RTA配信をするからと、早めに始めたのに、これでは時間が余ってしまった。どうしようか。


「せっかくだから、雑談でもしようか。何か質問ある?」


(コメント)

・この二週間何してたの?

・なんでそんなにゲームうまいんですか?

・コラボの予定は?

・パンツの色教えて!


「ああ、この二週間の間はね、異世界に行ってたよ。元々、私はあっち側の存在だからね」


 ちょうどいいので、あちらの世界であったことを話そうと思う。

 最近の出来事で言うと、やっぱりニドーレン出版の出来事だろうか。

 あれは、一部のファンが暴走したって話でもあるんだし、今回の私の状況と似ている部分もあるかもしれない。


「……っていうことがあったんだけど」


(コメント)

・サリアが誰かは知らないけど、ハクサリ本っていうのはちょっと見てみたい

・ファンが暴走するほど慕われてるってことか

・いや、そういうのはファンじゃなくて、厄介者って言うんだよ

・自分達の意見を通すために出版元に襲い掛かるってどんな世紀末だよ

・ある意味異世界らしいか?

・異世界でも同じようなこと考える奴はいるんだな


 ファンの暴走って、海外では結構あるらしい。

 というのも、例えば俳優とかの有名人が町中を歩いていたら、ファンならぜひとも話しかけに行きたいだろう。

 サインを貰ったり、握手をしてもらったり、そういうことを期待するはずだ。

 しかし、日本人は謙虚な人が多いから、そう思っていても行かないことが多いし、行ったとしても、プライベート中申し訳ありませんが、みたいに、低姿勢で行くことが多い。

 もちろん、そうでない人もいるだろうけど、これが海外だともっと過激になるようだ。

 街中で見つかろうものなら、遠慮なくずかずかと近づかれて、握手を求めたり、サインを求めたりする。

 それだけならまだいいかもしれないが、時には私物を盗んだり、尾行して自宅を突き止め、後ほど突撃したり、とにかくやりたい放題なんだとか。

 考え方としては、有名人は、ファンのおかげで成り立っているのだから、どんな状況でもファンにサービスするのは当たり前、っていう考え方らしい。

 有名税っていう言葉があるけど、有名人も楽じゃないってことだね。


「こっちの世界だと、流石に襲撃するっていうのは稀かもしれないけど、好きだからと言って、何してもいいわけじゃないから、そこらへんは注意していかないといけないね」


(コメント)

・ごもっともな意見

・気持ちはわからないでもないけどな

・ファンは節度を持って接しなければならないね

・それはそうと、パンツの色は?

・変態がいるぞ


「後は、ゲームのうまさだっけ? 簡単に言えば、魔法の力かな。身体強化魔法って言って、それを目にかけると、動体視力が上がるんだよ」


(コメント)

・スルーされて悲しい

・やっぱりチート?

・チート野郎は黙ってろ

・まあ、実際スマッシュなゲームの時とか、いきなりうまくなったしな

・ハクちゃんなら魔法くらい使えるやろ

・俺も魔法使えたらなぁ

・お前には無理だ。アキラメロン


「コラボに関しては、追々かな。また連絡して見て、予定が合いそうならするかもしれないね」


(コメント)

・待ってる!

・そろそろ一期生とかとコラボしてもいいんじゃ?

・まだ早くね?

・まだ十本も配信してないからな

・それもそうか


 そう言えば、『Vファンタジー』には、他にも在籍している人がいるんだよね。

 前に、一夜ひよなから軽く聞いた気はするけど、どんな人なんだろうか。ちょっと気になる。

 まあ、それは追々考えて行けばいいか。頃合いになれば、有野さんが何か言ってきそうだし。


「さて、そろそろいい時間だね。今回の配信はここまでということで」


(コメント)

・お疲れ様でした

・お疲れー

・ねぇ、パンツの色は!?


「うん、白だよ。それじゃ、お疲れ様でした」


 そう言って、配信を終了する。

 やれやれ、少し疲れた。でも、試み的にはうまく行っただろうし、多分問題はないだろう。

 今後は、こういったトラブルが起きないといいのだけど。

 感想ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] パンツの色答えるんかーい! お姉ちゃんに怒られるぞ( ˘ω˘ )
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