表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
捨てられたと思ったら異世界に転生していた話  作者: ウィン
第二部 第六章:人工神とエンシェントドラゴン編
1043/1575

第百八十七話:報告と家探し

 去っていくメーガスさんを見ながら、今後の展開について考える。

 とりあえず、メーガスさんとメルトさんがこちらの世界に来るのなら、居場所が必要になるだろう。

 竜の谷で暮らしてもらうのもいいけど、流石にあそこだと暮らしにくそうだし、別に場所を用意した方がいいかもしれない。

 私の家でもいいけど……ヴィオのことを考えると、この大陸の方が都合がいいかな?

 メリッサちゃんの要望を考えると、ヴィオの森にほど近く、暮らしやすい場所ということになりそうだけど、そもそもヴィオの森にほど近い場所はみんな毒に侵されている。

 そうでなくても、高い山脈に囲まれた場所だし、どうやって暮らせばいいんだろうか?

 まあ、そのあたりはお父さんとかに相談したらいいだろう。

 というか、ダメだったら、最悪転移魔法陣を描けば、場所は関係なくなるし。


〈ふぅ、すっきりした。いいものが見れたわ〉


〈お疲れ様です。あれでよかったんですか?〉


〈ええ。元々戻る気はなかったけど、上姉様と離れるのは、ちょっと寂しかったしね。余計なのまでついてくるのは癪だけど、三人で一緒に暮らせるなら、これ以上のことはないわ〉


 メリッサちゃんがいた国には申し訳ないけど、ここにメリッサちゃんが来た時点で、私はメリッサちゃんの味方になった。

 どうか、崩壊せずに残ってくれたらいいと思う。

 まあ、まだ来ると決まったわけではないけども。


〈どこか住みたい場所はありますか?〉


〈ヴィオの近く、って言いたいけど、それは難しいんでしょ?〉


〈まあ、そうですね。一応、すぐに会いに行くことはできると思いますが、それじゃあだめですか?〉


〈ま、仕方ないわよね。ヴィオの毒は、私には通用しないけど、姉様達はどうかわからないし、一緒に暮らすなら少しは自重しないと〉


 最初は、あんなにヴィオと離れたがらなかったのに、成長したものである。

 いや、それだけ信用できるものが増えたというべきだろうか。

 今でもヴィオと一緒にいたがっているのは確かだが、私やエルなんかが連れ出そうとしても、特に抵抗しなくなった。

 他の竜達はまだ慣れていないかもしれないけど、この調子で慣れて行けば自立することも可能かもしれない。

 まあ、ヴィオの話し相手になって欲しいって言うのはあるし、このままでも問題はないだろうけどね。


〈ハク、あなたも一緒に住む?〉


〈申し訳ないですけど、私にはすでに自分の家があるので〉


〈そっ、まあ、会いに来てくれたらそれでいいわ。これからもよろしくね〉


〈はい、よろしくお願いします〉


 さて、とりあえずの目標は達したし、お父さんに報告かな。

 私はみんなを連れて、竜の谷へと転移した。


〈……そうか。まあ、問題はないだろう〉


 お父さんに報告すると、若干呆れたような目で見られてしまった。

 なんでそんな目で見るんだろうか。まるで、またやったか、みたいな。

 でも、デメリットはそんなにないように思える。

 他の二人が来た後、次元の歪みを閉じてしまえば、もう異世界の魔物が入り込んでくることはないし、あちらの国から報復される心配もない。

 こちらはカオスシュラームに関する切り札を手に入れ、何の問題もないように思える。

 問題があるとしたら、衣食住と言葉くらいだろうか。

 それらが整うまでは大変かもしれないけど、人員はいるし、言葉は私が教えるつもりだから、特に問題はないように思えるけど。


〈それで、どこに住ませるつもりだ?〉


「まだ決めかねています。竜の谷、では危険でしょうし、そこらの町に、というのもまだ早いでしょうし」


 最悪私の家でもいいけど、流石に部屋が足りない。

 三人まとめて一部屋でいいなら、来客用の部屋があるけど、流石に大所帯過ぎる。

 言葉を教えるという意味ではいいかもしれないが、お姉ちゃん達にも聞いてないし、何よりユーリが反対しそうだ。

 楽なのは、王都のどこかに家をもう一軒買って、そこに住んでもらうとかだろうか?

 新たに未開の地に家を建てるよりも、そっちの方がよっぽど簡単だし。

 こっちの大陸がいいなら、ホムラが懇意にしているエルクード帝国辺りで探せば何とかなるかな。


〈奴らが未知の存在であることは事実だ。あまり油断しすぎるなよ〉


「わかっております。と言っても、そこまで警戒しすぎる必要はないと思いますが」


〈それはそうだが……とにかく、手元近くに置いておけ〉


「わかりました」


 となると、やっぱり王都かなぁ。

 後でいい家がないか聞いておくとしよう。


〈メーガスとやらは、いつ頃戻ってくると言っていた?〉


「特に聞いておりませんが」


〈ふむ……わかった、また現れたら伝えよう。ハクは拠点を探しつつ、待機していていてくれ〉


「了解です」


 ひとまず、残りのことはメーガスさんが戻って来てからということで、報告は終わった。

 さて、とりあえず王都に戻ろうかな?

 最近は、ずっと竜の谷にいたし、全然王都に顔を出せていない。

 一応、お姉ちゃん達と王様にはしばらく離れることを伝えに行ったけど、ずっと戻らないのも心配させちゃうしね。

 メリッサちゃんの家も見つけてあげないといけないし、早めに戻るとしよう。


「お帰りなさいませ、ハクお嬢様。どうでしたか?」


「とりあえず、メリッサちゃんの家を見つけつつ、待機。だから、一回王都に戻ろうと思うよ」


 平原に戻り、エルに事の次第を報告する。

 さて、戻るのはいいけど、メリッサちゃん達はどうしようか。

 流石に、ヴィオと一緒に王都に戻ることはできない。メリッサちゃんはできれば連れて行きたいけど、嫌がるだろうか。

 一応、家は自分で決めてほしいから、連れて行きたくはあるんだけど。


「メリッサちゃん、一緒に来る?」


「***」


 こちらの言葉をわかっているのかはわからないが、メリッサちゃんは私の手を取った。

 どうやら、一緒に行ってくれるらしい。

 これ、せめてはいといいえくらいは覚えさせた方がいいだろうか? いや、どっちにしろ言葉がわからないから判断できないか。

 早いところ、言葉も教えたいところである。


「ヴィオ、落ち着いたらまた来るから、しばらくメリッサちゃんを借りるね」


〈わかりました。どうかよろしくお願いします〉


 しばらく竜の谷に待機する必要もなくなったので、ヴィオも森に帰ってもらうことにした。

 もちろん、今でも異世界からやってくる魔物はいるかもしれないが、それに関しては竜や精霊が監視しているし、隔離くらいならすぐにできるだろう。

 万が一にも、カオスシュラームが溢れ出さないようにする必要はあるけど、竜達なら空間魔法も使えるし、多分大丈夫だと思う。


「それじゃあ、帰ろうか」


 そう言って、私達は王都に向かって転移する。

 さて、これからどうなることやら。

 感想ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] お家探しのお時間
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ