クソゲー
人生はクソゲーだ。
一度きりしかできないし、ゲームバランスは無茶苦茶、クリア方法だってわからない、ステータスも何もかも最初から決められている。
だから僕はそんなのよりゲームが好きだ。最近のゲームは凄いな、グラフィックはまるで本物みたいだし、NPCもランダムに動くことでリアルさを際立たせている。なんならイベントもランダムで、マルチエンディングときた。
そういうリアルなゲームが僕は好きだ。レトロゲームは全然リアリティがなくてダメだね、より没入感がある方が楽しいに決まっている。
時間を忘れるほどにゲームに熱中して寝不足になることもよくあったかな。
それでもちゃんと仕事はやっていたさ。まあつまらないけど。お仕事シミュレーションゲームなら楽しいのに、そんなことを考えたこともあったな。
趣味はゲームの社会人としてまあ平凡な生活を送っている僕であった。
しかし終わりは突然訪れた。
交通事故に遭ってしまったのだ。
薄れゆく意識の中、走馬灯が見える。
生まれた時のこと、そこから小学校、高校、社会人になってからのことなど、色々なことが思い出された。
ああ、悔いの残る人生だった。そんなことを思っていると段々と目の前が真っ暗に…
そしてスタッフロールが流れ……ん?
………「あちゃー、交通事故エンドかぁ。2150年2月に発売された超リアルVRゲーム『人生』、やってはみたが…」
「リアルすぎてもダメだな。」
~レビュー~
『人生』はクソゲーだ。
一度きりしかできないし、ゲームバランスは無茶苦茶、クリア方法だってわからない、ステータスも何もかも最初から決められている。