5節[死して生き返り…]
死してなお、、、
僕にとっては一瞬だった気がする。
意識が戻った。人間の時の記憶は無くなっていなかったようだ。体中が痺れている。辛い。まだ目を開けられない。
「起きたようだな。痺れが治まるまでゆっくり寝とけ。」
横から声が聞こえてきた。聞き覚えのある声だが誰の声かは思い出せない。
僕は言われたとおり、寝ることにした。
痺れたまま1時間
ようやく痺れが治まってきた。24時間死んで1時間で治るのは上出来な方だろう。けど、意識がある1時間だから死んでいる時よりも辛い。
「口を開けろ。薬を入れる。」
また横で同じ声がした。
僕は言われたとおり口を開けた。喉に粉末状の薬が入っていく。僕は飲み込んだ。不思議なことに喉には痺れが無かった。薬が胃に入ると、腹の奥にあった痺れが消えた。
薬を飲んで10分
楽になった。声も出せるようになったと思う。(まだ出してないけど)僕は起き上がった。目を開け、周りを見る。僕が死んだ時となにも変わっていない。今までの声の主、テラーはベットの横に座っている。
「大丈夫か?」
テラーが声をかけてきたので僕は「大丈夫。」と答えようと口を開けた。
「だーぁー。」
僕の大丈夫は謎の奇声に変わった。しかも「ぁ」が高くなった。
「よくある事だ。死んで生き返ったすぐあとは言葉を話せない。練習しとけ。水とご飯を持ってくる。」
テラーがそう言って部屋を出た。僕は簡単な言葉から練習することにした。2文字の言葉からだ。
「ほー」(本)
「はか」(箱)
そんなこんなで10分練習した。多分テラーは調理中だろう。来ない。言葉はなかなか話せるようになった(早口言葉はまだ無理だが)。
テラーが帰ってくると、テラーの作った料理を食べた。ちなみにテラーが作った料理は結構美味しかった。
僕はそれから24時間ぶりのお風呂に入った。
お風呂からあがってくるとテラーが話しかけてきた。
「マジャーになったら最初に決めねばならんことがある。それは、コードネームだ。マジャーの間では、その名前で呼ぶ。私の今の名前もコードネームだ。それと失敗する前に言っとくが、本名を知ったものはその人を支配できる。だから絶対に本名を教えるでない。いいな?」
「うん。あっ、でも、テラーとハーリーは?」
「それは流れ上そうなるしかない。それに私は君の師匠だ。支配してもいい身分だろう?」
「ま、まぁね。」
「じゃあ、私としてはさっそく決めたいが。何かいい案はあるか?」
「ない。今は。」
僕は即答した。
「それなら今日の夜までに決めとくんだ。」
「わかった。」
僕は部屋に戻った。
(急にコードネームって言われてもなぁ。)
僕はそれから考えた。これから一生マジャーから呼ばれる名前、大事にしないといけない。
僕はずっと考えた。
そして、思いついた。
現在、夜11時
テラーが来た。
「コードネームは決めたか?」
さっそく本題に入るようだ。
「決めたよ。」
僕は答えた。
「OK。まだ言うな。着いてきな。」
テラーがモニター室と反対の方向に行った。
「どこに行くの?」
疑問は聞くべきだ。
「ある特別な部屋だ。マジャーの世界には色々あってな、まだ教えとらんこともある。」
少し歩いた所のドアに入った。
その部屋には直径20センチメートルぐらいの水晶が部屋の真ん中にあった。
「いいか?あの水晶に利き手を置いて、本名、その次にコードネームを言え。」
僕は頷いた。そして、水晶に右手を置いた。
「森野純治、、、
最後までありがとうございます。
この小説の題名を変えようと思います。
詳しくは活動報告を見てください。
『魔術の使い手マジャー』
に、しようと思います。