春と少女と俺
春…それは別れの季節
春…それは出会いの季節
しかしそれは春に限られた事では無い、別れは突然に来るし、出会いも突然に来る
しかし何故だか民衆は1つの区切りとして特別視する。
確かに春には、別れや出会いの数が多いのかもしれない、だが人と人との関係は意外と強いもので、幼稚園または保育園から小学生に上がるのに数人の別れはあるがだいたいは顔見知りだ、また小学生から中学生でも同じ事だから割愛するがだいたいは顔見知りばかりだ、高校生にもなれば別れは多いが関係の強い友人または恋人同士では同じ高校に行くだろう、故に俺は春と言うものを特別視しないし周りがソワソワしてるせいで自分までソワソワしてしまうし、そもそも大前提として別れ出会うのが決定しているのがおかしい、何故なら俺みたいな孤高に生きるボッチには別れが無ければ出会いもないし出会いがないから別れもない、だから俺は世間一般で言う春と言うものが嫌いだ。
高校1年生の入学式当日俺は登校途中俯きうすら笑いをあげながらそんな事を考えていた。
校門前、あれ以降どうやって入学式をサボるか熟考した末、鉄板の腹痛で休むを選択することに決定した時
「す、すみません ! こ、この学生証あなたのですよね…通学路の途中で落ちてたんですけど…」
染めたものでは無いと分かるほど自然な茶髪でロングボブの普通ぐらいの身長の少女が息を切らしながら俺の学生証を渡してきた。
「うぇ !? 違います俺のじゃ無いです ! 」
即答してしまった !
俺の学生証なのに不意打ちと緊張で違うと即答してしまった !
何やってんだ俺、この子は俺の為に走って届けてきたんだろ !?
この子の為にもそして、年齢=友人いない歴の俺の為にも訂正するんだ !
「え、そうなの ? でも学生証の写真と同じだよねネクタイの色を見るに同じ1年生だし…」
「え、あ、う、うん、さっきのは嘘です冗談です俺の学生証です。」
「あはは、面白い冗談言うんだね ! 私は小泉ひよりっていうの ! これから3年間よろしく高橋裕也くん ! はい、これ学生証」
「あ、ありがとうございます、こ、小泉さん」
駄目だ頑張って軽く振る舞おうとしても経験が無さすぎて上手く会話が続かねぇ!
やっと人生で初めての友達が出来そうなのにこのチャンスを逃してたまるか!
「あ、あの、こ、小泉さん俺と一緒にそこまで行きませんかね」
終わったもう駄目だ、挙動不信になりすぎて他から見たら完全に白雪姫に毒林檎を渡す魔女みたくなってるだろうな…
「うん ! いいよ ! 一緒に行こうかいやー同じクラスだといいね高橋くん!」
「デスヨネーダメデスヨネーってえ !? 大丈夫なんですか一緒に行って!」
「よく分からないけど全然大丈夫だよ ! それより名前の呼び方は別にいいとして、これから3年間よろしくやって行くんだから敬語はやめにしない?」
生まれてこのかた友達の出来たことのない俺にタメ口とはなかなかの試練だなだが、これを乗り越えなければ恐らく俺は永遠のボッチだろう。
30年間童貞を貫けば魔法使いになれるらしいが30年間ボッチを貫いたらどうなるか考えたことがある、最初の頃は賢者とか神にでもなれるとか考えていた。
だが今なら分かるボッチを30年間貫いたらなれるのは賢者でも魔法使いでも神でもないそれはただの社会不適合者だ俺はそんなものになるつもりは断固としてない!
故に俺頑張る
「あ、よ、よろしくな…です、小泉さん」
「まだ慣れないならいいけど、うん ! よろしく高橋くん」
恐らくこの子は神の使いなんだろう、これからは小泉さんに足を向けて寝れないな、てか小泉さんの家って何処なんだろう?
4月6日こうして俺の人生初の友人が出来たので会った
…前言撤回、春最高




