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2度目の人生に幸せを  作者: 入出終天
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新しい仲間

初の依頼をこなした俺はルビーネの街に戻って街の中を歩いていた。

ちなみに、この世界では冒険者が多いため、フルプレートでなければ装備のまま歩いていてもなんの問題もないし、目立つこともない。



この世界のことを知りたければルナ聞けばいいから、今知りたいのはこの街のことだ。

王都に近いこの街はそれなりに強い冒険者がたくさんいる。また、王都に売っている物もたまに流れてくることがあるらしく、日本の街に比べるとこの世界の街はお祭り状態だった。



「いらっしゃい!ご注文は?」

「この串肉を三本くれ」

「はいよ!銀貨二枚ね、ほい銅貨五十枚のお返し」

「ありがとう」

買った串肉を手に街歩きを再開する……美味い。

少し歩いていると、路地裏の方から女の子声が聞こえてきた。

「おい、なにやってんだ?」




これは依頼…の、はずだった。

最近王都への道に盗賊がよく出るから退治してほしい。と言う依頼だったのだ。

駆け出しで、全然お金がない私は早く実績とお金欲しかったのだ。


だから、男だけでも問題ないと、他の冒険者とパーティーを組んでやる予定だったのだが

「なぁなぁ、依頼なんかほっといて俺達とイイことしようぜ」


相手の数は15人こっちは1人、相手が自分より弱かったとしてもこの数の差ではどう考えても不利だ

「嫌よ!それよりなんで?盗賊団の依頼はどうするのよ?」

「そんなもんどうでもいいんだよ!こっちは最初からお前さんが目当てなんだからな!」

「そんな…」



もう、どうしようもなかった。

後ろからも囲まれていて、逃げる手段もない。

そう、諦めていたとき


「おい、なにやってんだ?」


男達の後ろから若い男がひょこっと顔を出して声をかけてきた。

「今取り込み中なんでね、坊主はどっかいってろ」

「いや、俺はお前じゃなくてそこのお嬢さんに聞いてんだけど?」

「てめぇ、調子にのんじゃねぇ!」



謎の男に冒険者の男が殴りかかった。「危ない!」と、声を出そうとした瞬間

ドンッと音がなり、殴りかかった男が地面に転がっていた。

(いったい、何が起こったの!?)

少女もそれなりに腕には自信があるが、何が起こったのかわからなかった。



「それで、お嬢さん」

「は、はい!」

「何してるの?」

「……はっ、この男達に襲われかけてたの!だから助けて!」

「はいよっ!」

それから謎の男は見たこともない技で自分よりも大きい男達を倒していった。

「あ、そうそう俺の名前はアキト。君、名前は?」

「私はステラ、ステラよ」




「さて、状況は理解出来た。とりあえずギルドに行こうか」

「あ、はい」

あれから俺は倒した男達を紐で縛り上げて、野次馬が呼んだ警官に引き渡した。

それからステラが襲われていた経緯を聞いたのだ。

「それと、言葉遣いだけど普通でいいからね。そんな言い方だとこっちも緊張するから」

「は…うん、わかった」


そして俺とステラはギルドに言って状況を説明し、依頼を断った。

状況を知るとギルドにまだそういう輩がいないかどうかわからないから気をつけて。と、申告するだけだった。



「さっきはありがとう。改めて私はステラ、冒険者で魔法使いよ。」

「俺はアキト。冒険者で剣士だ。」

そう言うとステラはまじまじと俺を見て言った。

「剣士にしては魔法使いのコート来てるのね」

「まぁ、いろいろと事情があるんだよ」

「そうね、それより君のその剣って神器?」


その言葉を聞いた瞬間、剣の柄を握って思わず臨戦態勢に入ってしまった。

そのせいでステラを怖がらせてしまった。



「あ、すまん。神器は貴重品だから狙ってるやつが多くてな…」

これもルナからの警告だ。ルナは疲れるとすぐに眠ってしまうため、その時にこれが奪われないようにするためなのだ。

もちろん俺以外の人間が持てるような重さではないのだが万が一ってことだ。


「あ、それもそうね。ごめん。」

「いや、いい。それよりなんでこれが神器だとわかったんだ?」

「私、魔力感知が出来るのよ。それも他の人とは比べ物にならないくらい強力なやつ」

「だからこの剣に流れる微力の魔力にも気づけたと?あ、だからさっきこの服が魔法使い用だってわかったのか」

「そういうこと。だから君が魔法も使えるのも知ってるよ。魔力抑えてても私にはわかるわ」

「まぁ、バレて困ることもないんだけどな。この事は一切他言無用で頼むぞ。」

「わかってるわよ、それじゃあこれからよろしくね」

「ん?よろしくって何が?」

「そりゃ、私がアキトと一緒に冒険者やるってことよ。私がバラさないか気になるでしょ?それなら一緒にいたら楽だと思ってね」

「……あ、はい。よろしくお願いします」


こうして、多少無理やりではあるが俺にもう一人の仲間ができた。

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