プロローグ2
「異世界に持っていきたいもの…ですか…」
正直に言うと、よくわからなかった。異世界転生の小説はいくつも読んだが、転生神様が言っている異世界とは別かもしれないからだ。だから俺は
「異世界って、どんな所なんですか?」
と、答えた。
「明人様が思っているような場所ですよ。見たこともない魔獣もいれば、魔法だってあります。地球ふうに言うとファンタジーですね!」
「なるほど…!」
神様からこの言葉を聞いたとき、鳥肌がたった。本当にこんな事があるんだ。と、興奮が抑えられなかった。科学が進歩しすぎた日本という国では味わえないという未知への遭遇が楽しかった。
それに、あまり人に言えるような事じゃないが、俺にだってそういうのに憧れたことはある。だからこそと言うべきか、少々恥ずかしいが、ほしいものは淡々と口から言葉となり出た。
「そうですね、まずは異世界で迷わないように何かその世界について分かるものが欲しいですね、後はなんと言っても武器です。あ、片手直剣でお願いしますね。シンプルなデザインで刀身が黒ければなんでもいいです。あと、魔法があるなら使ってみたいです。」
「……はい。はい、わかりました。ではこちらにどうぞ」
神様の前に移動させられて、目の前に正座する。神様は俺の額に手を添えながら話す。
「私のできる範囲で明人様の願いは叶えましょう。それに、明人様は充分に魔法の才能をお持ちですので、すぐにとは言いませんが使える日が来るでしょう。」
「そうですか!それならよかったです!」
神様と話し終えた後、神様の指パッチンで部屋の壁?に扉が現れた。あそこがどうやら入口らしい。
ところで、神様達には指パッチンが流行っているのかな?まぁいいか。
「えー、ごほんっ!それでは異世界に転生させますね、最初は街から遠い場所になりますが、道なりに歩いていけば大丈夫なので、それでは二度目の人生楽しんでください」
「いろいろとお世話になりました。行ってきます!」
部屋を飛び出ると同時にプツリと意識が途絶えた。
これから始まる異世界生活に興奮するひまはほんの一瞬しかなかった。