お兄ちゃんに恋した話。
私のお兄ちゃんへの想いは、だんだんとモヤモヤしたものへ変わっている。
「はい、結乃。マフラー首に巻かないと寒いよ?」
「うっ、うん……」
今、季節は冬になり、クリスマスイブ恒例のイベントにお兄ちゃんと二人で来ていた。
「ツリーのイルミネーションがつくまでは、まだ少し時間があるね」
「うん、そうだね」
「一緒にラーメン食べようか」
近くにあったお店へ行って、大きめのラーメンを注文する。
私が先に食べて、食べきれなかったのを、お兄ちゃんが食べるのだ。
初めはただの"友達"だったけれど、今ではこうするのが当たり前。
間接キスとかなんて……お兄ちゃんにとってはなにも思わないことなんだろうけど。
私は、すごく意識しちゃうんだけどなー。
「早く食べないと、イルミネーションつくとこ見れないよ?」
「はっ、そうでした!」
ボーッとしているのんびり屋な私を急かして、ラーメンを空にしたお兄ちゃんとツリーの前まで移動する。
そこには、もう結構な人が集まっていた。
「はぐれるから、ちゃんと、手を繋いでようね」
そんなに多くないはずの人達のなかで、自然と体はくっつく。
「あっ、ついた! ……ってぇ、お前ちゃんと見てたか?」
「え、え⁉ もうついたの⁉」
「ほんっと、肝心なとこ見てないよなぁ、いつも」
「うぅうう、いひゃいいひゃい!」
くしゃっとした笑みを見せて、私の頬っぺたを引っ張ってくる。
恥ずかしくて顔が赤くなるけど、お兄ちゃんが引っ張ったせいにするの。
だけど今日は言いたいんだ。
この気持ちが何なのか、はっきりさせたいから。
拳を握って、三歩先を歩くお兄ちゃんに向かって、想いを、全部伝えるんだ。
「お兄ちゃんっ______」
振り返ったお兄ちゃんは、いつも通り、でも、少しだけ顔を赤くして、くしゃっと笑ったのでした。
評判よかったら、連載にしようと思います。
と、言いたいところですが。
連載にしたい気持ちがすごくあるので、いつか勝手に連載始めます。
でもでも、感想評価など待っているので、どうぞよろしくお願いします (〃´ー`人´ー`〃)