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第三話

苦行のような夕餉を終えてグランが向かった先は、

側妃であるウェットのところである。




「陛下!今日もいらしてくれたのね!

さぁ入って入って!陛下の好きなお茶をいれたところですの!」



満面の笑みで迎えてくれたウェットにほっと肩の力を抜く。

この側妃は2年前、国内の基盤を固めるため、

有力貴族から迎えた側妃だったが、

今となっては王にとって大事な癒しである。



金の髪に暖かなグリーンの瞳。

いつ見ても優しい笑顔で全てを受け入れてくれる。



「今日はまだ仕事を残してきていてな。

少ししかいられないんだ」


そう告げると悲しげに瞳を伏せた後、

「その少しの間を縫って来てくださったのね!!」

と健気にも笑みを浮かべる。



その様子に思わず腕の中に引き寄せながら

(王妃とはどうしてこんなに違うものか…)

と、先ほどまで一緒に食事をしていた王妃を思い出していた。



寵姫と同じ金の髪に、違うのはアイスブルーの瞳。

いつ見てもどこか冷めたような目で、

なぜか非難されている気がする。



「陛下?何を考えていますの?」

冷たい正妃を思い出していると、愛らしい唇を少しつきだすようにして

「今はわたくしのことだけ考えてくださいまし!」と

腕の中からちょっと拗ねたように側妃が言った。



あわてて機嫌を取ろうと、

「今日はどんな風に過ごした?」など聞いてやると、

噂になっているドレス職人の事、そのドレスを陛下に見せたいというような、

実に他愛もない、だがグランにとっては、

楽しげに語るウェットを見ているだけで心温まる会話を楽しんだ。



「今度その職人を王宮に呼ぶがいい。

好きなだけドレスを作れ」


グランがいうと満面の笑みで、無邪気に抱きつき

「わたくし、陛下に恥ずかしくない女性になれるよう頑張りますわ」と、

いじらしくも頬を染めるのである。



愛らしい側妃と濃厚な時間を過ごし、

離れがたく思いながらも残している仕事を終えるため、

グランは自室へと戻ることにした。



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