疑心暗鬼
私の可愛い子よ
貴女に【疑惑】という盾を与えよう
それはおそらく貴女の必要とするものだ
貴女の心からの笑顔、心からの泣き顔の先にそれを宿せ
全ては嘘だ、と考えて
もう、静かに泣いていないでいいように
「あの者が貴女を好いている」
はてさて、本当だろうか。
君を騙すのは、実に面白いものだろう。
けれど、君はただ、彼の前で精一杯、笑って、顔を赤くして、泣けばいい。私はずっと君を守っているから。
彼が本当の嗤いを見せた時、君は「そうだよね」、と笑ってやれ。
君が彼を騙すのだ。
ーーはい、主様
貴方のおかげで私はとっても愉快な気分になれました。
母の嘘に、いつものように応える痛快さ
尊敬していた祖母の醜い怒りにさえ、にこにこと反抗してみたり
適当なところで怒りをぶつけてみせるのもすっきりさせるものでした。
「皆は嘘をついていて、私はそれに騙されているふりをする」
でも、嘘をついているはずの笑顔が愛おしいのです。
ずっと、騙し続けてくれるのならそれでもいい、と思いました。
ーー彼女は涙を流した。
それは本当のものだろうか
彼女自身もわからなくなっていた。
めっちゃ病んでる子を描きました。こうなったら病気です、ゼッタイ。