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Unjust Life  作者: KYOS
3/16

02:

とりあえず不定期ですが投稿するときは夜8時過ぎに投稿します

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「ちくしょう!!あいつに見つかるなんてついてねぇ!!」

狭い夜の路地裏に男の声が響く

黄色に染めた髪を振り乱し必死に走る

しかし、すでに疲労でふらついていた足は自らの足に引っかかってその派手な柄の服で包んだ体を激しく地面にたたきつけた

「うあぁぁ・・・」

うめき声を上げながらそれでも必死に体を起こし走り出そうとする

再び走り出そうと顔を目の前に向けた瞬間

そこに見えたのは街灯を背景に腰まであろうかというストレートの黒髪にすらりとした体躯、そこから伸びた細く華奢な腕、そして手に持った特殊警棒を遠心力を利用して伸ばす冷酷な目をした少女だった

「ちくしょう!!!!」

男は腰からバタフライナイフを取り出し、一瞬で刃の部分を出すと切っ先を少女に向けて走り出した

しかし、少女は身動き一つせずに立ち尽くし直前で男をかわすとその手に持つ警棒でナイフを叩き落すとそのまま男の後頭部に叩きつける

音もなく崩れ落ちる男

男が意識を失ったことを一瞥して確認した少女は上着のポケットから携帯を取り出しどこかへと繋げる

「依頼にあった男を拘束した。誰か引き取りに来てくれ」

鈴の鳴るような、しかしどことなく冷たさを感じさせる声でそう告げると再びポケットに携帯をしまい、縮めた特殊警棒をズボンのベルトに差込み壁に背を預け月を眺めた


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10分ほどして少女がいる路地裏に黒いスーツを着たいかにもエリートといった感じの男と、同じくビシッとスーツで決めたまだ若い女性、そして警備員のような男数人が現れた


女性は警備員のような男達に何やら指示するとタブレット型携帯端末に何か打ち込みこちらへと向き直り、「こんばんは!」と綺麗な営業スマイルを見せた

「PPMO事務局の者です。通報された方ですか?」

と、事務的な笑顔を振りまきながら聴く女性に少女は「あぁ・・」と短く答えるだけだった

その後も、女性と少女のそっけない会話が続き「では、報酬のほうは後ほど振り込ませていただきます」と、最後まで営業スマイルで通した女性に一度うなづくだけで応じて少女と女性の会話は終わった

女性は二人の会話を眺めていた男性の下に戻り、少女はそのまま路地の奥へと消えていった

「あの娘、この間レベル5に昇格したばかりよ。これでもうレベル6に昇格だなんて・・・すこし早すぎない?」

「すこしどころか最年少の最速記録ですよ。何なんですかあの娘」

二人の唖然とした会話が夜の闇に溶けて消えた

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