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まだガンアクションはしばらくかかりそうです
ということは、壊滅した巨大組織の末端構成員である男は「誰か」に報告をしたに違いない
「それがよくわかんないんだよね~」
あれ?まだ分かってないの?
「なんで?」
いつもの岡崎ならこの時点ですでにある程度の情報が入っているはずなのに、めずらしい
「あそこのデパート地下通路があるだろ? その通路の出入り口も広くて出入りしてる人間の把握が難しいんだよ。 もうちょっと時間くれ!」
と、手を合わせてきた
まあ、急ぐことじゃないし
そもそも組織の尻尾すら掴んでいないのだから急ぎようがない
「わかった。でもなるべくはやくお願ね。逃げられたら意味ないから」
「サンキュ~。そんじゃ、俺は今からその周辺の情報洗ってみるな」
「任せたわよ」
組織の正体を掴むのは岡崎に任せて、私は次の用事にとりかかるために部屋を出た
諜報部の部屋から出てきた私は、長い通路を来た道に戻りその建物から出る
そのまま回れ右をして白い石畳の通路をまっすぐ行く
空を仰げば真っ青な空とぽかぽかと暖かい太陽が目に入り、温かい風が頬を過ぎる
こんな日は学校の屋上でお昼寝すると気持ちいいのよね~
などとのんきなことを考えていると、目的地に到着した
そこは、さながら研究所のようなところだった
まあ、間違っていないが
目の前には無機質に佇むガラスの自動ドア
建物自体は真っ白な壁で覆われていて窓がないここは技術研究棟だ
自動ドアをくぐると目の前に白いタイルの大きな階段があり、そこを上がる分かれ道になっている
分かれ道を右に曲がりそのまま歩くこと1分と少々
私は第7技術開発部と書かれたドアを開けた
「あっ、ゆり! 久しぶり~」
ドアのすぐ近くでPCを操作していた峰下麗(レイ)が声をかけてきた
「久しぶり。 あれ?少しやせた?」
「そうでしょ、そうでしょ! だから今年の夏は予定空けなさいよね!」
「考えとくわ」
白衣姿でPCを打ちながら軽口をたたく彼女、器用だなと思ってしまう
機械オンチの私にやらせたら彼女が10分でやる仕事を1時間かけてもやれる自信がない
まあ、だから苦手なことは友達に押し付けてる---もとい、任せてるんだけど
「それで? 今日はどんなご用?」
「それなんだけど…」
言いながら上着に隠していたホルスターから拳銃を抜いて、話しながらもキーを打ち続けている彼女の傍らに置いた
「この拳銃の改造ってできる?」
その瞬間、彼女の目が輝いた…気がした