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夜、いつものように眠っていた私は、玄関のものすごい物音で目が覚めた
夜中だというのに音を潜めようともせずに強引に玄関を開けて誰かが入ってくる
その足音に全神経を集中させつつ音もなくベッドから抜け出た
私が部屋の隅に行き刑事さんに渡された武器を用意していると、侵入者に気づかれないように私のもとに刑事さんがやってきた
「大丈夫か?」
私を気遣う声をかけてくれる
私は黙ってうなずき護身用にもらった特殊警棒を引き伸ばし構える
それを見て刑事さんもうなずく
そして、真剣な眼差しをこちらに向けてくる
「もしも私がやられても決して一人で戦おうとはするな。いざとなったら全力で逃げ出せ」
それは言い聞かせるように、しかし彼の願望のようでもあった
また無言でうなずくと刑事は一度安心したような顔になり、しかしすぐに緊張を持った顔になった
刑事さんはそのままドアのすぐ脇に隠れ、私は物陰に隠れ侵入者を待った
侵入者は別の部屋を物色しているらしくしばらくこちらの部屋に来る気配はなかった
一区切り付いたのか物色をやめ次の標的を探し始めた
やがてその足音はこちらに近づく
そして扉が開けられる
「だぁーーーっ!!!」
刑事さんの気合の叫び声とともに手に持っていたもう一つの特殊警棒を振り下ろした