00:始まり
間違えて短編設定で「Unfair Life」として投稿してしまいました。
そのため改めて「Unjust Life」として投稿いたしました。
短編のほうも別の話として進めていきます。
では!
私には二人の兄弟がいた。
やんちゃで無茶ばかりする弟と、いつも私の後ろに隠れている引っ込み思案な妹。
けんかすることもしょっちゅうだけどそんな二人を私は大好きだった。
両親は共働きで平日はほとんど家にいなかった。
だけど、休みの日はいつも家族でどこかに出かけたり遊んでくれたりするやさしい両親だった。
そんな家族を私は大好きでいつまでもこの幸せが続くものばかりだと思っていた。
だけど、変わらないものなど決してない。
そう思い知ったのは私が10歳の冬のことだった。
外には雪が積もっているある寒い夜。
玄関から聞こえる音で目が覚めた。
私の部屋は玄関の真上で窓からのぞけばそこに誰が立っているのかすぐわかった。
カーテンをそっと開け、覗いてみる。
そのとき見えたのは黒い長袖長ズボンをはいて手に刃物や金属バット、スタンガンを持った男たちが私の家に入る瞬間だった。
怖くなって両親の所に行こうと扉のドアノブを持った瞬間、母さんの悲鳴が聞こえた。
父さんが何か叫んでいる。
ガラスや何かが割れる大きな音。
しかし、父さんの悲鳴とともに聞こえなくなった。
その場から動けなくなった私はドア越しに外の様子を聞いているしかなかった。
今度は横の部屋から誰かが勢いよく飛び出した音。
「父さん、母さん!!」
弟の声だった。
足音は階段を降り、それきり弟の声は聞こえなくなった。
その代わりに階段を上がってくる弟のものではない、どこか不気味な足音。
私は、はっとなって急いでベットの下に隠れた。
その足音は私の隣の部屋、弟と妹の部屋に入っていったようだった。
直後ばたばたと激しい音がしたがすぐに聞こえなくなる。
直後、その足音が私の部屋へと近づいてきた。
私を体を丸めて必死に息を殺してこの地獄のようなときが過ぎるのを待った・・・。
私が覚えているのはここまで。
気がつくと家の中からいろいろな足音が聞こえ、様々な人の声が聞こえた。
ベットの下から出て、ドアをそっと開けて外の様子を見る。
外には青い服を着た人がひっきりなしに動いていた。
そんな中、誰かが私に気づきリビングにいる白髪交じりの髪のスーツのおじさんの所まで連れて行ってくれた。
近くにいたお姉さんに促されてソファーに座るとそのお姉さんも隣に座る。
半ば放心した私の頭にそのお姉さんの手が乗せられる。
「もう大丈夫よ」
そう言って、お姉さんは私を抱きしめる。
緊張の糸が切れてしまった私は、嗚咽を漏らしいつしか眠りに落ちた。