第二話「招待状」
愛花は事務所に帰るとドサリと自らの席に倒れ掛かる。その姿を見て助手の桜が駆け寄ってきた。
「今回の事件も骨が折れたわ」
「お疲れ様でした先生、お茶です、どうぞ」
「ありがとう」
愛花は礼を言うとティーカップに口をつける。熱が身体中に広まった。
「今回の毒殺事件、決め手は何だったんですか? 」
「部屋が……正確にはゴミ箱が綺麗すぎたことね。それで、青酸カリを粉末にして被害者が飲んでる薬とすり替えたって事が分かったの。後は簡単、警察が容疑者達の部屋を探してすり替えられた薬の袋を見つけて解決ってわけ」
「流石ですね、先生の観察眼には感服致します」
「褒めても何も出ないわよ、ところで、その封筒は何かしら? 」
「こちらは……今時珍しい様式の封筒ですが、愛花ということで置かせていただきました」
そう言って四角い封筒を手渡されたので愛花は開き中の手紙を読む。
「ふうん、三連休に合わせての島でのミステリーナイト……ねえ。差出人はFour……なるほどね」
「いかがなさいますか? 」
「丁度良いわね」
「そうですね、良い気分転換になるかと」
「そうじゃないわ、探偵が招待されているということは、あの男も来るでしょうし、今度こそ目にものを見せてやるわよ」
そう口にし彼女は封筒をグシャりと握りしめた。