第7話 目覚める機械獣との対決!
「うわぁ……完全にボス戦の雰囲気だよな、これ」
俺とセシルは宇宙船の最奥、謎の巨大な部屋へと足を踏み入れた。天井は高く、周囲には使われなくなったコンソールや、破損した機械の残骸が転がっている。
そして、その中央――銀色の巨体が鎮座していた。
「これは……機械の獣?」
金属で構成された狼のようなフォルム。だが目は赤く光り、全身に刻まれた文様が不気味に脈打っている。
『侵入者確認。戦闘プロトコル、起動』
「お、おいおい……本当に動いたぞ!? これ、間違いなくボスキャラだって!!」
ガシャン! 機械獣が音を立てて立ち上がる。足元を軋ませ、ゆっくりとこちらを向く。
「レオンさん、来ます!」
セシルが魔法陣を展開する。その瞬間、機械獣が飛びかかってきた!
ドォン!!
「うおおおおお!?」
間一髪で回避。俺は地面を転がりながら叫ぶ。
「くそっ、しゃもじは通じなさそうだな……なら!」
《ランダム・アームズ!》
カッ!!
召喚されたのは――フライパン。
「……あああ!? よりによって今!? これでどう戦えってんだよ!!」
だが、ここで俺はひらめく。
「……いや、待てよ? 火が通る、音が鳴る、反射する……これ、使いようによってはイケるかも!」
「レオンさん、今は料理の話じゃ――」
「うるせぇ! 今こそ、調理の時間だぁぁぁ!!」
フライパンを盾のように構え、迫りくる機械獣の爪を跳ね返す!
ギィィィン!!
「なっ、意外と硬ぇなこのフライパン!?」
そこへセシルの魔法が炸裂。
「《雷光の槍》!!」
放たれた雷撃が、機械獣の左肩に直撃! 一瞬、動きが止まる。
「効いてる! 雷が有効ですわ!」
「なるほど、回路がショートするってわけか! ならば!」
俺は機械獣の背後へと滑り込み、フライパンの裏側にセシルの魔法を反射させる。
「セシル! もう一発、こっちに撃て!」
「了解ですわ!」
――バチィィィン!!
雷がフライパンに命中し、反射した閃光が機械獣の背中へ突き刺さる!
『システム……異常……再起動不能……』
ギギギ……と音を立て、ついに機械獣は動きを止め、崩れ落ちた。
「……やった……?」
「やりましたわね、レオンさん!」
「フライパンってすげぇな……! まさか伝説武器だったりしない?」
「多分ただの調理道具ですわ……」
息を整えながら、俺たちは改めて室内を見渡す。
その奥に――ロックされた金属の扉と、煌めく水晶のような装置があった。
「これ……この装置、エネルギー源じゃないか?」
「ええ、間違いなく何かを動かすための鍵になりそうですわ」
俺はそっと水晶に手を触れた。すると、機械音が鳴り響き、扉がゆっくりと開いていく。
その先には――
「……これ、マジかよ。宇宙船の操縦室……しかも、まだ動いてる……!?」
ガチでここから脱出できるかもしれないという希望が見えてきた。
「よーし! 次はこの船を動かして、この島から大脱出大作戦だ!」
「でもレオンさん……操縦、できますの?」
「……そ、それはまあ、これから覚えようかなって……?」
セシルの冷たい視線が突き刺さる。