表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/14

第7話 目覚める機械獣との対決!

「うわぁ……完全にボス戦の雰囲気だよな、これ」


 俺とセシルは宇宙船の最奥、謎の巨大な部屋へと足を踏み入れた。天井は高く、周囲には使われなくなったコンソールや、破損した機械の残骸が転がっている。


 そして、その中央――銀色の巨体が鎮座していた。


「これは……機械の獣?」


 金属で構成された狼のようなフォルム。だが目は赤く光り、全身に刻まれた文様が不気味に脈打っている。


『侵入者確認。戦闘プロトコル、起動』


「お、おいおい……本当に動いたぞ!? これ、間違いなくボスキャラだって!!」


 ガシャン! 機械獣が音を立てて立ち上がる。足元を軋ませ、ゆっくりとこちらを向く。


「レオンさん、来ます!」


 セシルが魔法陣を展開する。その瞬間、機械獣が飛びかかってきた!


 ドォン!!


「うおおおおお!?」


 間一髪で回避。俺は地面を転がりながら叫ぶ。


「くそっ、しゃもじは通じなさそうだな……なら!」


 《ランダム・アームズ!》


 カッ!!


 召喚されたのは――フライパン。


「……あああ!? よりによって今!? これでどう戦えってんだよ!!」


 だが、ここで俺はひらめく。


「……いや、待てよ? 火が通る、音が鳴る、反射する……これ、使いようによってはイケるかも!」


「レオンさん、今は料理の話じゃ――」


「うるせぇ! 今こそ、調理の時間だぁぁぁ!!」


 フライパンを盾のように構え、迫りくる機械獣の爪を跳ね返す!


 ギィィィン!!


「なっ、意外と硬ぇなこのフライパン!?」


 そこへセシルの魔法が炸裂。


「《雷光のライトニング・ランス》!!」


 放たれた雷撃が、機械獣の左肩に直撃! 一瞬、動きが止まる。


「効いてる! 雷が有効ですわ!」


「なるほど、回路がショートするってわけか! ならば!」


 俺は機械獣の背後へと滑り込み、フライパンの裏側にセシルの魔法を反射させる。


「セシル! もう一発、こっちに撃て!」


「了解ですわ!」


 ――バチィィィン!!


 雷がフライパンに命中し、反射した閃光が機械獣の背中へ突き刺さる!


『システム……異常……再起動不能……』


 ギギギ……と音を立て、ついに機械獣は動きを止め、崩れ落ちた。


「……やった……?」


「やりましたわね、レオンさん!」


「フライパンってすげぇな……! まさか伝説武器だったりしない?」


「多分ただの調理道具ですわ……」


 息を整えながら、俺たちは改めて室内を見渡す。


 その奥に――ロックされた金属の扉と、煌めく水晶のような装置があった。


「これ……この装置、エネルギー源じゃないか?」


「ええ、間違いなく何かを動かすための鍵になりそうですわ」


 俺はそっと水晶に手を触れた。すると、機械音が鳴り響き、扉がゆっくりと開いていく。


 その先には――


「……これ、マジかよ。宇宙船の操縦室……しかも、まだ動いてる……!?」


 ガチでここから脱出できるかもしれないという希望が見えてきた。


「よーし! 次はこの船を動かして、この島から大脱出大作戦だ!」


「でもレオンさん……操縦、できますの?」


「……そ、それはまあ、これから覚えようかなって……?」


 セシルの冷たい視線が突き刺さる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ